【上方芸能な日々 文楽】キツネよ何処へ…*旧ブログ

人形浄瑠璃文楽
平成二十四年初春公演 第二部

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新春のミナミが最も華やぐのは三が日ではなく、十日戎の3日間。そして十日戎が終わると、大阪の街もご祝儀ムードから本気モードになり、本格的に新しい年がスタートするという気分になりますな。

今年最初の文楽鑑賞は、十日戎の1月10日。
文楽劇場のロビーは人でいっぱい。ちょうど今宮戎福娘御一行が福笹をお納めに来られていたところ。その振る舞い酒をいただこうという人たちが行列を作っておりました。
また、黒門市場から贈呈されたにらみ鯛や、鏡餅が飾られていて新春の文楽劇場は華やぎがあってうれしい気分になります。

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まあ実に楽しいひとときでした。狐の変幻自在に、宙乗りはあるわ…。人形が谷底めがけてぽ~んと飛び降りるわ…。人形浄瑠璃ならではの楽しみがいっぱい詰まった舞台の連続で、正月からとてもイイ気分にさせてもらえたのであります。これで2等席(後ろから2列目やけど-笑)2300円はお得です!

 

義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

■初演 延享4年(1747)11月、大坂竹本座
■作者 二世竹田出雲、三好松洛、並木千柳の三者合作
■五段構成 *今公演は「源九郎狐」の身の上をめぐる四段目


「道行初音旅」
「河連法眼館の段」

いやもうびっくりだよ。
太夫の見台から狐が飛び出してきて…。
かと思えば、囃子方の鼓から飛び出してくるし。
ありゃ~って目を見張ってると今度は障子を突き破って出てくるしね、もうまさに「狐につままれた」みたいな感じ。
最後には宙乗りで「さらばじゃ~」みたいな感じで去って行く狐さん。

こういうのは筋を理解してなくても、ビジュアルで大いに楽しめるので、躊躇している初心者や子供さんにも見てほしいなあ。こういう演目が250年以上受け継がれているところに文楽のすごさを感じるなあ。

忠信(実は源九郎狐)を遣う勘十郎さんも、狐の変幻自在さの度に何回早変わりしたことか。舞台から目が離せない。ホンマおもしろい。幕見でいいから何度でも見たいな。

静御前の清十郎さんがまた美しい。この人のお姫さんはいつも惚れ惚れいたします。

人形だけじゃありません、床も負けてはおりません。呂勢・文字久、咲甫、咲大夫とつながって、いい流れで盛り上がって行きます。

これやから文楽通いはやめられん!みたいな、非常にファンタスティックな展開であります。必見ですョ、是非ともご鑑賞を!お勧めです!

落語の『初音の鼓』、『猫の忠信』の源流(?)がここに集約されていて、落語ファンも必見の舞台でございます。

壺坂観音霊験記(つぼさかかんのんれいげんき)

■明治12年(1879)10月、大江橋席で初演された『西国三拾三所観音霊場記』の一段 二代豊澤団平作曲
■明治20年(1887)2月、大阪彦六座で『三拾三所花野山』の一段として、団平が改めて節付けし、三代竹本大隈太夫が語り評判となる


土佐町松原の段」「沢市内の段」「山の段」

壺阪寺といえば「三つ違いの兄さんと…」、「三つ違いの兄さんと…」と言えば壺阪寺。おなじみのアレですな。
まあ、近鉄南大阪線沿線に住んでいれば、壺阪寺くらいは知ってるし、そうなるとこのセリフも知ってるし…。と、昔はそうでしたが、今のお子たちはどうなんでしょうかね?

その超有名なクドキ「三つ違ひの兄さんと、言ふて暮らしてゐるうちに」を語るは、竹本源大夫。源大夫さんも病気休演が続き、なかなかパーフェクトな浄瑠璃をというわけにいってないみたいやけど、やっぱりこのクドキはしんみりと聴かせますね、人間国宝の底力を感じます。「待ってました!」との掛け声がかかってました。いやホンマ「待ってました!」って思います。

続いて登場の嶋大夫。こちらも出てくるや否や、「嶋大夫!」の掛け声。嶋さんは例によって見台ひっつかんで投げてくるんか?というほどの熱演で夫婦の愛を語ります。

人形も沢市(玉女)、お里(紋壽)が谷へ身を投げるシーンなんかは圧巻。亡き吉田文吾さんはこのシーンを見て人形遣いになりたいと思ったとおっしゃってた…。

最後はハッピーエンドのこの話、新春の舞台にふさわしい演目でありましょう。
今回もいい舞台を見れて、時間の経過を忘れるほどでした。
こうして今年もまた楽しい文楽ライフが幕を開けました。

(平成24年十日戎 日本橋国立文楽劇場)


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