【失言撤回!】曽蔭権行政長官の「文革発言」に思う*旧ブログ

煲呔壞腦=蝶ネクタイ、狂ってるゾ!
(10月13日付『蘋果日報』1面大見出し)
13日の各紙は扱いの大小はあれど、こぞって曽蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官の「失言」を報じております。
12日に香港電台(RTHK=政府系列ラジオ局)の英語番組『Chief Executive Phone-in』に出演し、施政報告に関するインタビューを受けていたドナルド長官が、「もし、民主化が極端に発展すると、かつての文革のようになってしまう」との旨、発言。民主派はもちろん、親中派も大反発。あまりの反響の大きさに13日午後には「不適当な発言でした」と、あっさり謝罪。
蝶ネクタイと番組ホストとのやりとりは、下記の通り。
13la1p103

Host :
I was struck by one phrase at the end of the policy address, towards the end of
the conclusion, you say, we promote democratic development without
compromising social stability or government efficiency, that kind of implies that
democratic development does compromise social stability or government efficiency?
… … … … … … … … … … … …
Donald Tsang :
It can, it can, if we go to the extreme, people go to the extreme, 
and you have a cultural revolution, for instance, in China. 
When people take everything into their hands, 
then you cannot govern the place.
… … … … … … … … … … … …
Host :
But Cultural Revolution wasn’t really an extreme example of democracy.
… … … … … … … … … … … …
Donald Tsang :
What is it? People taking power into their own hands! 
Now, this is what it means by democracy, if you take it to the full swing. 
In other democracies, even if you have an elected person, then you overturn 
the policy in California, for instance, you have initiative number, number, 
number what, then you overturn policy taken by the government, 
that’s not necessarily conducive to efficient government.
この行政長官、けっこう激昂型でして、財務長官時代には民主派議員から「守銭奴!」と議会中に罵られ、ショックと憤慨で泣きながら答弁した0こともある人だけに、ホストが「おいおい、文革を引き合いに出すのかよ~?」と言っても聞く耳持たず、かなり興奮している模様。
で、一夜明けて、新聞見たらえらい批判されてるよ!大変だぁ~!。
「あんた、バカ?」「無知じゃね~か!」「市民を侮辱してるゾ!」「知りもしないくせに文革を語るな!」「歴史の歪曲だ!」など非難轟々。我に戻ったドナルド長官、「こいつはヤバイ!」と思ったのでしょう、さっさと謝っちゃいました。
まだまだ文革を逃れて香港へ流れてきた世代が多い香港で、現在の民主活動を文革にたとえてしまったのは、やはり「失言」でしょう。ただ、蝶ネクタイの言いたいことも分からないでもありません。
返還以降の香港は「デモと怒号の都市」と化しておりまして、これは要するに、撤退前の英国が民主化を強引に進めたため、民主主義がまだ香港にしっかりと根付いていない、言い換えれば香港人自身が民主主義をよく理解できないうちに祖国復帰してしまったことに起因しています。「何でも反対!」で、気に入らなければデモをやる、という風潮が出来上がってしまい、それが「民主主義」だと勘違いしているようです。
古い話しですが、1999年7月1日、返還2周年の『東方日報』が社説でこれをバシッと指摘しています。
要点をまとめますと、
・返還から2年、香港は混乱と崩壊に向かっている
・英国は撤退前に民主化を推進したが、あまりにも急で未成熟な社会と市民には適さないものだった
・それにより「人民主義」が膨張してしまった
・「人民主義」は民主のもっとも劣悪な形であり、「文化大革命」でも見られたものである
・民意はいま「ある政党」の誤った指導に扇動され、いたずらに政府を攻撃し「民意の覇権主義」という状況を生み出した==民主党批判か??
・市民は政府を恐れなくなったのはよいことだが、政府には最低限の威信も必要だ
・「一国両制」は北京の不干渉で成功しているが「港人治港」は完全な失敗だ

現在の状況とは若干、食い違う部分もありますが、実は蝶ネクタイ長官の「文革云々」発言は、8年前に『東方日報』が社説で唱えていたことなんですね…。見てきたのかな?
実際はどうかわかりませんが、小生が推察するにこの社説が『東方日報』の「大陸解禁」につながったのでは?と思いますが、どうなんでしょうな?

とにかく小生は10年以上にわたる香港生活で、この社説がすごく印象に残っています。とくに民主派・民主党批判ととれる「人民主義批判」は、返還後の香港で、もっとも象徴的な事象だといえます。
「民主派のミスリード=扇動が、行過ぎた人民主義を巻き起こし、香港を混乱させている」

返還後の香港は、これに尽きます。
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COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 10/15/2007 18:06:02
香港人もやはりシナ人ということで、納得。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 10/15/2007 21:56:29
To マルコおいちゃんさん
>香港人もやはりシナ人ということで、納得。
って言うとかわいそうな気もするのですが、現実はそういうことなんですね…。


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