【睇戲】中篇映画祭2014『最後の幸福(濠題=最後的一種安樂)』、『邪魔するな』

575da042a16e15568633c3fd3d215ee1中篇映画祭 2014

なかなか劇場で上映する機会が無い「長編でもなく短編でもない中編映画(40分〜1時間前後)」。そんな中編を集めた「中篇映画祭 2014」が西区は九条の「シネ・ヌーヴォX」で開催されている。

短編セットも含めて全15作品13プログラムには、5月30日から6月6日まで、同館で開催されていた「マカオ映画祭」で見逃した作品も含まれており、「もう観る機会はないやろな~」と諦めていたから「これはラッキー!」と、いそいそと出かけた次第でござるの巻。

「睇戲」と書いて「たいへい」。広東語で、映画を見ること。

マカオ映画『最後の幸福』と邦画『邪魔するな』の短編二本立て。まずは『最後の~』から上映。

濠題『最後的一種安樂』
英題『The Last Happiness』

邦題『最後の幸福』
製作年 2011年
製作地 マカオ
言語 広東語/20分/カラー
評価 ★★★(★5つで満点 ☆は0.5点)
導演(監督):姚露欣(イウ・ロウヤン)
出演:劉漪琳(エリーズ・ラオ)、井上明美<子役>

短編作品というのは、どうやら落語などの話芸に似ているようだ。この作品で言うなら20分という極めて短い時間に映し出される映像や、人物の会話で、その背景にある様々な情景や隠れたストーリーを頭の中に想像しなければならないのかな? なんて思いながら観ていたら、あっという間に20分が過ぎ去ってしまった。(途中、機材のトラブルで上映が一時中断してしまったのは、まあ、それはそれとして…)

恐らく、それは次に上映された『邪魔するな』も同様のこと。もっと言うと、長編作品だって映像や会話に出てこない部分に思いを巡らせ、たとえば「なんでこいつはこんなに性格破綻者なのか?」なんてことを自分なりに考えてみたりもするから、同じと言えば同じなんだけど、なにせ短編。長編のように作中のどこかでその答えを教えてくれるような「親切」や「伏線回収」はない。その分、想像を膨らませるも、あえてしないのも観る方の自由。そこらがまた面白みなのかも…。

主役の劉漪琳(エリーズ・ラオ)は、「マカオ映画祭」で小生が高評価をした『花の咲かない果実』で主役のひとりとして出演していた、とてもイイ女なので記憶に残っている。マカオ生まれ。マカオで雑誌とCMのモデルとして活躍しながら、香港演劇学院でミュージカルを勉強。後にマカオでいくつかのミュージカルの舞台に出演。映画では「最後の幸福」「花の咲かない果実」などに出演、だとか。マカオでずっとやっていくのかな…。なんかもったいない。香港に来いよ~。飛躍するぜ~。こういうええ加減なことを言うおっさんがたくさんいるから、香港に進出しないのかな(笑)。それは賢明だ(笑)。

中絶がテーマ。一方で、それをいつまでも悔いているがために、実在の我が子以外に「見えない」子供の存在に悩まされ、風水や民間信仰に走り、家庭崩壊、ついには精神までも…。病んだのかどうかは、ラストシーンを観て観客の想像にお任せしますって感じ。後半、明らかにおかしくなっていく妻を劉漪琳は好演していた。子役の井上明美って日本人の女の子(だろうな、多分)。あれはアフレコではなく、あの子自身の広東語だとしたら、15年間もいてさっぱり出鱈目な俺は、汗顔の至りである(泣)。

『邪魔するな』
製作年 2012年/38分/カラー
評価 ★★★☆(★5つで満点 ☆は0.5点)
監督:板倉善之(第2回CO2助成監督)
製作:第8回CO2ワークショップ作品(*CO2=シネアスト・オーガニゼーション大阪)
出演:真弓、うばさくら、松元水希、香山栄志 ほか

予告編の解説から
≪2003年、若手監督育成を目的とし発足し、これまで石井裕也監督、横浜聡子監­督など多くの監督たちを排出した大阪市の映像文化事業 “CO2 ” (Cineasts Organization Osaka)。本作は第8回目を迎えたCO2が2011年に開催した、映画未経験者も対象にしたワー­クショップの一環として製作された。出演者、スタッフに多くのワークショップ参加者が­関り、監督はCO2の助成を受け『にくめ、ハレルヤ!』を完成させた板倉善之が担当。企画はワークショップ参加者の一人が実生活の中で体験したエピソードを元に、参加者全­員の意見を交えながら構成し脚本化。
「働く」「生活」「食事」…人の日々の営みの中に潜む困難さに直面した女性が、さ­さやかな前進の一歩を踏み出す物語。≫
という作品。

上映後には、板倉監督と持木良太氏(大阪府立大学大学院博士後期課程 近代沖縄経済史)によるトークイベントも開催された。

作品はシングルマザーのパートタイマー、労働のマニュアル化、食品の安全が柱となっている。人それぞれに各テーマのどれに軸足を置いて観るか、若干変動するかもしれないが、この3つの柱を、特徴のある登場人物3人とその人間性を、演者が上手に演じていた。言いかえれば、監督がうまくまとめて撮っていたということだろう。

まあ、この日の目的はあくまで『最後の~』だったから、こちらの作品については多くは語らない、いや、語れない(笑)。
ただ、「労働のマニュアル化」は部下を動かすのには楽ではあるし、ときに売上向上、利益の拡大にもつながるが、失うものも決して少なくはないというのは、これまでにも自分自身が管理職として経験して来ているだけに、ラストシーンが非常に痛快であった。「ラストシーンはどうだったのか?」って? イヤです、教えません(笑)。

映画『邪魔するな』-予告編- / Mind Your Own Business -Trailer-

(平成26年9月6日 シネ・ヌーヴォX)


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