【上方芸能な日々 落語】十三の夜は更けて…*旧ブログ

十三。
大阪の数ある難読地名のひとつ。
「じゅうそう」
と読む。

これを「じゅうそう」と読むと知ったのは、意外にも十三に行ったからではなく、
石切神社の参道で「十三焼き」なる和菓子を買ってもらったからでありんす。
なぜに、近鉄奈良線生駒トンネル一歩手前の、石切さんの参道に「十三焼き」が
売られているのかは、恐らく手持ちのたとえば『大阪人』のバックナンバーなんかを
ぱらぱらとめくれば由緒因縁故事来歴を知ることができるのだろうけど、
それはいまは邪魔くさいのでやめておきまする。

さて、この何か東南アジアの下町を彷彿とさせる一方で
プチ「歌舞伎町」の雰囲気をも醸し出す不思議な街に初めて降り立ったのは、
たぶん、小学校6年生か中学1年生だったかに、阪急電車の写真を撮影に来たのが最初だと思います。
京都線に特急専用車両6300系(だったかな)がデビューしたというのでそれを撮影に来たという。

淀川以北最大の盛り場でありながら、ミナミの人間には極めてなじみの薄い土地であり、めったに来ない十三へ、『十三寄席 噺のにぎわい』を訪ねて。

第47回 十三寄席 噺のにぎわい
7月13日(火)18時半開演
大楽新僑飯店大ホール

第47回という、そこそこに回数を重ねた地域寄席であります。
我が師匠・月亭八天師匠が主任を務め、十三の商店街や飲食店の組合、十三信用金庫などがバックアップする「地域おこし」的な会であります。
その筋(どんな筋やねん!)から
「いっぺん来てみませんか」
とお誘いを受けて、行ってきました!十三へ!

【ネタ帳】
開口一番・月亭天使『子ほめ』
桂雀喜『がまの油』
講談・旭堂南青『安倍晴明』
月亭八天『肝つぶし』
中入り
月亭八天『涙をこらえてカラオケを』
(桂三枝作)
なんかね、会場が、以前香港で「朝日さわやか寄席」が行われていた
香港そごうの宴会場によく似てるんですよね。椅子の種類も。
そういえば、今回の出演者の八天師も雀喜師も香港の寄席に来てたなぁ。

米朝師匠の玄孫弟子となる天使ちゃんは、デビューしたての初々しさ。
まさしく今は「一生懸命やってはるな~」という段階で、客席も温かい。
開口一番、まずは客席を温めてゆく役目だが、今はまだ客に温かく見守ってもらってるという段階ですね。
ただ、もう半年もすると、耳の肥えた客の多い会なんかでは、冷たい視線が飛んでくることもあろうから、そこを受け止めるだけの高座度胸を期待したいところ。
早いこと「田辺寄席」にも出演してほしいね。
しかしすごいね、米朝一門。玄孫弟子とはね。
米朝~可朝~八方~八天~天使ってねー。米朝師匠がお元気であればこその慶事ですな。

雀喜、南青と男前が続きます。
南青(なんせい)って、ええ名前やなーと思うわ。彼にぴったりやと思うし。

八天師匠、古典の『肝つぶし』をさらりとこなし、三枝師匠作の『涙をこらえてカラオケを』も爆笑。
最近になって三枝師匠に稽古をつけてもらったようですが、もう何年も前から高座にかけているような、いい意味での「気楽さ」を感じましたね。
きっとこの人の「ニン」に合ったネタなんでしょうな。
その辺ですよね、難しいのは。ネタ数がむやみに多ければいいってもんでもないし。古典、創作問わず、自分に合ったネタ探しっていうのも、芸歴や年齢を重ねてこそのものなんでしょうね…。

アタシの「ニン」に合った仕事、生き方って何やろ?
と、豪雨の中の谷町筋を走るタクシーの中でふと思ったり…
な~んて、決してしません、「えらい雨やなー」と外を見てただけです、はい(笑)。

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COMMENT:
AUTHOR: ken-shanghai
DATE: 07/19/2010 10:37:33
前の会社で同期だった女の子が、その「じゅうそう」の駅前のビジネスホテルだかラブホテルだかの娘でした。行ったことはありませんが、その子の言動から見て普通じゃない町なんだろうなって印象をもったのでした。
梅雨明けで本格的な夏到来。体の冷やしすぎにはご注意を。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 07/19/2010 23:09:14
To ken-shanghaiさん
それはまさしく「十三のねーちゃん」ですな。
昔、藤田まことが歌ってました。
梅雨明けでいきなり暑くなりました。
居間にはクーラーなかったんですが、梅雨の間に設置しておいて正解でした。
香港より暑いですが上海よりはましだと思います。


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