【上方芸能な日々 落語】吉坊ノ会<6.Apr.2014>

落語
吉坊ノ会 <6.Apr.2014>

1911890_709712599068530_631267199_n復活なった近鉄アート館。

先日、復活第一弾公演となる「あべの花形文楽」では、運よく最前列ほぼ中央をゲットでき、「まあ、これで今年の『お座席運』使い果たしたな」と思ってたら、アナタ、今回もまた偶然にもその時と同じ席で、まだ少しは「お座席運」が残っていた模様。でも、間違いなくこれで使いきったと思われる。実際に、翌日午前10時から発売開始の、住大夫師匠、正真正銘最後の公演となる5月の東京での文楽本公演、見事に撃沈の憂き目に…。

と、ワーワー言うてます近鉄アート館、この日は落語でありんす。春秋恒例(やったかな?)の「吉坊ノ会」。師匠・吉朝にも縁の深い場所。てなことを言いながら、吉朝師も参画していた、かの伝説の「笑殺軍団リリパットアーミー」の公演を小生がここで観たか、と聞かれると、「ここやったかな~? いや~ちゃうで~、扇町ミュージアムスクエアやったで……かも? う~ん、どやさ?」って、実に曖昧である。歳はとりたくないもんだ(笑)。

で、今回その「笑殺軍団リリパットアーミー」に同じく参画していた松尾貴史がゲスト出演。なんかイイですな、こういうのん。

<ネタ帳>
「子ほめ」 林家愛染
「柏木」(本田久作・作) 桂吉坊
中入
「神も仏もアルマジロ」(中島らも・作) 松尾貴史
「愛宕山」 吉坊

「子ほめ」・愛染
最近、彼との遭遇率が高いような気がするが、振り返ればこれで2回目。印象深いんやろうな。なかなかイイ若手。さすが染丸門下。高座姿もしゅっとしていて気持ちがいい。途中をうまく割愛して時間に収めていたけど、不自然になっていない。はしょる場面を心得てますな。まあ、そういうお稽古してるやろうけど。

「柏木」・吉坊
吉坊にしては珍しい、いやもう実に珍しい「新作」。本来はお江戸の噺だそうで、もともとは江戸言葉だったものを上方言葉に仕立て直しての高座。この後、東京での「吉坊ノ会」でもかけるとのことで、中身は割愛。「ほ~、そこへ落とすのか!」というオチに感心。アタシは一呼吸置いて拍手しましたな(笑)。ほかのご見物衆もそうだったと思う。で、手ぇ叩きながら、「ふぅ~~ん、そうかぁ~~。ふぅ~ん、なるほどなぁ~」と。ぜひまた聴きたい。

「神も仏もアルマジロ」・松尾貴史
マクラで、吉朝師との思い出や、吉坊くんとの出会い、もちろんこのハナシの作者、中島らもの思い出など。いやもう、上手ですな、落語。そりゃ、日頃のテレビでのしゃべり聴いてても、恐らく落語も上手だというのは、うかがい知れるわけだが。中島らもの作ということで、かなり奇想天外過激な内容だが、らもさんにしては抑え気味?かも。ちょっと「宗論」の影をちらっと感じたりしたけど…。それにしても、おしゃべりがお商売とは言え、こんなに立派な落語されると、小生の「落語魂」に火が点くじゃないですか!(いや、人様にはお聞かせしませんがねw。一人でしゃべって楽しんでおきますw)

「愛宕山」・吉坊
この日は「花冷え」を通り越して「寒波襲来」という、4月としては厳しい寒さであたったけど、トリネタは春らしく「愛宕山」で。もはや「安定と信頼」の域に達している吉坊くん。いやいや、この段階で「安定」されてしもたら困るけど、それくらい心配ないというか、まあそこが「信頼」できる噺家というか…。何言うてるねん、俺(笑)。最前の「柏木」がスリリングな展開だっただけに、こういうのどかなネタはお客の気分をほわ~んとさせて、家路につかせてくれる。一つの気遣いでありましょう。と言いつつ、このハナシも別な意味でスリリングではありますが、笑えるスリル。傘で飛び降りる場面、好きやなあ。アンコールしたら、あそこだけやってくれるかしら? 無理言うたらアカン(笑)。

毎度楽しく、またその都度新たなる「落語的発見」というお土産をくれる「吉坊ノ会」。

あの~、できたら次回も近鉄アート館でやってもらえませんかね。近いから便利なんよ…(笑)。人気の小屋だけに、日程ねじ込むのん難しいと思うけど。

(平成26年4月6日 近鉄アート館)





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