【上方芸能な日々 落語・講談】スイーツ寄席 vol.3 怪談編*旧ブログ

相も変わらずお暑い毎日で。
私の方はと言いますと、ワーワー言うてますうちに、帰国も4日目となりました。

ワーワーと言うからには落語でしょ。
ご贔屓にしております若手の一人、桂吉坊くんがレギュラーで出ております「スイーツ寄席」で内本町は徳井町の山本能楽堂へ。
彼、ここが好きだんねん。ちょうど今回は怪談ていうわけで、この幽玄な空間を選んだご様子。

スイーツ、いうからには甘いもんのひとつも出てくるんかというと、せやのうて。
「キモノ*スイーツ」いう着付け教室はんがスポンサードしてはりまんねん。せやからか、お着物姿の方の密度高い。
昨日のPL花火へ行くような、下種な浴衣やのうて、同じ浴衣でもしゅっと着こなしてはる。あのカナリアイエローの浴衣にショッキングピンクの「簡易装着帯」はアカンでぇ。今日は男性も、絽とか紗とか、ちゃんと「着物」着てはる。もちろん下にTシャツ着てるようなアホンダラはいてませわぁ。着物着てる人はちゃんと足袋はいてはるし…、と俺は何を観察してんねんて。

ああ、ちなみにね、ちゃんとした着物も藍染の浴衣も持ってますし、着付けもできまっせ。けど着ません、乱れたらよう直さんから(笑)。
<ネタ帳>
1.『狸の賽』 桂佐ん吉(吉朝門下)
まあ、しかしなんです。ここ半年、どんだけ彼の前座見たか。遭遇率8割くらいや。ひっぱりだこやな、キミ。ちょっと風格出てきた? リズムええんやから、キミも「たーちゃん」と一緒にこんころこーんと転がるくらい動いてもおもろかったかもよ。
2.『蛇含草』 桂吉坊(吉朝門下)
能舞台の左側の楽屋へつながる「橋みたいなん、渡り廊下?」なんてあほなことを以前、書いてましたら、吉坊くん直々に「橋掛かり」とご教示いただきました。その橋掛かりから高座へたどり着くまで、満面の笑みですわ、彼は。この顔がよろしいねん。
餅食べ過ぎた男が最後には…。

3.対談 旭堂南左衛門vs桂吉坊
吉坊の師匠である故・吉朝とは入門当時からの盟友という南左衛門先生(講談では師匠と呼ばず、先生て言いますねん)。講談と落語のあれこれ。若いのに生き字引みたいな吉坊と上方講談協会会長の座談やから、たいへんに勉強になります。
中入り
4.『怪談 お紺殺し』 旭堂南左衛門
まあね、怖い講釈ですわ。南左衛門先生の表情のこさえ方もさすがですわ。お紺殺しの話自体は断片的に「はぁはぁ」「そうそう」と知ってはいても、こうして聴くと、うわぁ~ちゅうもんですな。これは怪談やわ。
南左衛門先生門下には、若いチャレンジ精神持った弟子もいてるで、上方講談、応援よろしゅうに。って言いながら、講談、久しぶりや。アカンな、これでは。

5.『仔猫』 吉坊
そう、このネタは、そないしょっちゅうかかるわけやないけど、なぜか遭遇率高い。ポイントは、凄惨なことを夜な夜なやっていた働き者で田舎もんの女子衆・おなべをどう描くかやろか。最近では文華がうまかったな。「吉坊にぃさんわぁ、都会のお方ですけぇ、なかなか田舎もんにわぁ、なりきれんでいらっしゃるかぁ~?」。
オチのね、「ネコをかぶる(齧ると被る)」、最近は「齧る」と言わないんで、このオチをどう納得させるか…かな。

まあ、こんな感じですわ。
吉坊くんは「程よい背伸び感」が応援したろかという気持ちにさせるんですな。
これがむちゃくちゃ背伸びしようとしてると、見てて息苦しいやろし、もっと言えばうっとしいし。
しかしまあ、憎たらしいほど古典芸能の引き出し持ってるな。
そんなあんさんが、好きやで~

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真夏の山本能楽堂。日傘に夏物の着物姿の女性が、風情でんな。
さあ。
明日は、20年ぶりに南海ホークスに会える! 京セラドームへ、いざ!


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