【睇戲】破浪男女 <日本プレミア上映>

<ちょっと! この状況を説明してほしい…。って、お前、観てたんちゃうんかえ?(笑)>


この日、二本目はちょっと遅めの時間帯。大阪アジアン映画祭のサイトには「※本作には青少年に適さない描写があります。」との但し書きがある。時間帯と但し書きから、けっこうエッチな作品なんだろうか?と、ちょっと胸はずむ(笑)。しっかり晩御飯も食べて、テアトル梅田に向かう。

本作主演の吳慷仁(ウー・カンレン)を知ったのは、第14回の本映画祭で上演された『非分熟女(邦:同じ)』。茶餐廳の調理場で阿Sa演じるセックスレスの女を犯しちゃう役だったのだが、「きれいなケツした兄ちゃんやな~」というのが第一印象だった(笑)。その後『鮮肉老爸(邦:淡水河の奇跡)』でのコミカルな役どころ、『河豚(邦:同じ)』、『狂徒(邦:凶徒)』、『引爆點(邦:High Flash~引火点)』と続くのだが、役どころに合わせて、肉体改造してると思う。今回は最初に観た時同様、相当鍛え込んだ肉体を披露している。「役者魂!」と言えばそうなんだけど、簡単な話じゃないわな。

本作ではまたムキムキに鍛えてきた吳慷仁。『富都青年(邦:Brother 富都のふたり)』ではスジ筋というかガリガリやったのに…

監督の楊雅喆(ヤン・ヤーチェ)は、本映画祭でも度々上映作があるので、この界隈の人たちには、超有名であろう。近いところでは『血觀音(邦:血観音)』があるが、小生的には『女朋友。男朋友(邦:GF*BF)』が印象深い。

「睇戲」と書いて「たいへい」。広東語で、映画を見ること。

特集企画<台湾:電影ルネッサンス2025>
破浪男女 邦題:破浪男女
 
<日本プレミア上映>

台題『破浪男女』
英題『The Chronicles of Libidoists』
邦題『破浪男女』
公開年:2024年 製作地:台湾
言語:普通話、閩南語、広東語 上映時間:105分
評価 —(★5つで満点 ☆は0.5点)

導演(監督):楊雅喆(ヤン・ヤーチェ)
監製(製作):劉蔚然(リュウ・ウェイラン)、陳永雄(ジェフリー・チャン)
編劇(脚本):楊雅喆、蔣友竹(ジャン・ヨウジウ)
攝影指導(撮影監督):陳克勤(チェン・コウチン)
剪接指導(編集監督):陳俊宏(チェン・チュンハン)
美術指導(美術監督):郭怡君(グオ・イチュン)、朱玉頎(チュ・ユーチ)
造形指導(衣裳デザイナー):蘇庭卉(スー・ティンホイ)、林育妘(エマ・リン)
視覺特效(視覚効果):郭家宥(サンダー・グオ)、黃閔彬(ホァン・ミンピン)
聲音指導(サウンド・デザイナー):杜篤之(ドゥ・ドゥチ)、江宜真(ジャン・イーチェン)
音樂總監(オリジナル楽曲):張學瀚(チャン・シュェハン)

領銜主演(主演):吳慷仁(ウー・カンレン)、劉主平(リウ・ジューピン)、梁湘華(リャン・シャンホア)、柯煒林(ウィル・オー)
主演(出演):姚以緹(ヤオ・イーティ)、項婕如(クロエ・シャン)、周予天(アレックス・チョウ)、陳元豪(エヴァン・チェン)、偉莉莎(リザ・ワイ)、謝嘉宸(ミヤ・ホシノ)、黃舒湄(ホアン・シュウメイ)、張亨如(ヘンリー・チャン)、邱以太(ブルース・チウ)、王道南(ワン・ダオナン)、朱名愚(ミンユ・チュー)

《作品概要》

楊雅喆監督、『血觀音』から7年ぶりの最新作。現代人の愛と性欲の関係を描いた物語。
「夢精したの」と女性警察官の小綠は親友の白Qに話した。「まるで洪水のようにベッドのシーツ全体が濡れてしまったの」…。
プロデューサーの陳永雄は、この作品のストーリーは『人魚姫』からインスピレーションを受けており、『白蛇伝』もさりげなく取り入れられていると言う。これらの寓話を通して、現代台湾の愛のさまざまな側面が紹介される。<引用:「開眼電影網」(原文中国語、筆者翻訳)>

最初に大きな声で言っておく。

「ごめん!ほとんど観てない…。」

上映時間105分のうち90分は爆睡していたし、あとの15分もうつらうつらしながら観ていた。前稿で記した家庭の重大案件で疲れていたのに加え、さっき晩御飯をしっかり食べ過ぎたことで、睡魔に襲われたのだろう。映画は空腹で観るのがよいって、はるか昔から自分に言い聞かせてきたことだったのに…。

よって、感想らしい感想は書くことができない。当然、筋を追うこともできない。映画に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

とは言え、これで終わってしまうのもナニな話なんで、できるだけのことは記しておきたい。

まず、上のポスター(なのかチラシなのか)をクリックして拡大していただくと「18+限制級」のアイコンが左下にある。まあ、見ての通りで「18禁」というやつだ。台湾のレイティングシステムについて、ちょこっと触れておこう。

0+:普遍級……だれでもOK
6+:保護級……6歳から12歳までの子供が視聴の場合は、必ず保護者、教師など大人同伴のこと。
12+:輔12級……12歳未満は視聴ダメ。
15+:輔15級……15歳未満は視聴ダメ。
18+:限制級……18歳未満は視聴ダメ。 

本作は「限制級」ということもあって、濡れ場や「おやまあ!」ってなセックスシーンがふんだんに盛り込まれている。小生がまだ深い眠りについていないオープニングあたり。ほとんど水がなくなったプール。わずかに水が残った底には女性性器を彷彿とさせる苔?が…。女性がその上にしゃがむ。ってことは…? この映画がそういうものだ、という暗示なんだろうな。楊雅喆(ヤン・ヤーチェ)監督らしい手法だなと思う。実は、ここらあたりから、強烈な睡魔に襲われてしまう…。ここからやのに…。

「おやまあ!」と思った冒頭のシーン

で、なぜ香港俳優の柯煒林(ウィル・オー)が出演しているんだろう…? 一説には『濁水漂流(邦:香港の流れ者たち)』でゲイ方面に人気が出たということだが、その線で行くと、本作での内容からキャスティングされたというのも考えられないではない。それはなんとなく楊雅喆らしい人選と思うんだけど。まあ、知らんけど(笑)。結構謎なキャスティングではありますな。

ふと目が覚めたら(笑)、このシーン。なるほど裸ですww。このアヒルがどうしても某保険会社のあれに見えるんですけど(笑)

爆睡の合間に(ホンマ、ごめん!)、こんなのも見つけた。全身黒づくめの「UberDick」。マスクの隙間からのぞく目を見ると、それが柯煒林だってのは一目瞭然なんだが(笑)。この柯煒林に縛られることに悦びを感じるのが、梁湘華(リャン・シャンホア)が演じた白Q。

UberDickはプロの縄師なのか。爆睡の合間に、こういうシーンがスクリーンには映し出されていたわけで…

まあ、こんな塩梅で、作品にはまことに申し訳ない次第で、ほとんどわからんうちにエンドロールが始まっていたのであった。もうねえ、上記の出演者一覧作りながら、「え!こんなにぎょうさん出てたん??」ってびっくらこいたほでして(笑)。

《作品概要》に記した「『人魚姫』からインスピレーションを受けており、『白蛇伝』もさりげなく取り入れられている」というのも、さっぱりわからずじまいだった。演技等々に書き残しておくことなど到底できないわけで、作品や携わった人々すべてに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

とは言い乍も、「ああ、なるほどな」と思った点もあるには、ある。再び《作品概要》だが、「夢精した」女性警察官の小綠が白Qに告白する「まるで洪水のようにベッドのシーツ全体が濡れてしまったの」。これ実は「開眼電影網」の中文では「而且就像水漫金山寺那樣整個床單都是」とある。一瞬「はあ?金山寺味噌??」と思ったが、気を取り直して(笑)。これは『白蛇傳』の「水漫金山寺」ですな。どういうハナシかは、各自お調べください(笑)。これで「『白蛇伝』もさりげなく取り入れられている」は解決した(笑)。一方の本題の『人形姫』はわからずじまいだったが…。

というわけで、何が何だかな状態の105分でした。

■ 受賞など ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・

○第61屆金馬獎
2部門でノミネート

■ 挑戰級預告 ━━━━━━━━━━━━━・・・・・

(令和7年春分の日 テアトル梅田)

台湾映画の特徴のひとつ「電視電影」は、テレビ放映用に製作された映画。
日本の2時間ドラマをもっともっと映画的に進化させたようなもの。
本作主演の吳慷仁(ウー・カンレン)も多くの電視電影に出演している。


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