【支連会の黄昏】「打壓趨烈、最嚴峻時刻」いよいよ解散カウントダウンへ

アイキャッチ画像:2015年6月4日の六四追悼集会で壇上に集結した支連会主要メンバー。もうこの光景を見る日は来ない(South China Morning Post)>


1989年の天安門事件=六四への抗議、犠牲者の追悼と中国の民主化を訴えてきた香港市民支援愛國民主運動聯合會(支連会)は7月10日、すべての職員の解雇と常務委員の削減を発表した。

う~ん…。これはもう近々に解散するための準備に入ったと見て間違いないな。やっぱり昨年施行された「国安法」が相当効いてるな。あの内容は、ほとんど支連会狙い撃ちみたいなもんやもんな。中央人民政府駐香港特別行政區聯絡辦公室=中連弁駱惠寧・主任からは「香港の繫栄と安定の『真正大敵』」と名指しで非難され、「お友達」の『蘋果日報』も廃刊の憂き目に遭ったし、春先から脱会するメンバーや団体が続出している。それほどに「国安法」が支連会に与えるインパクトは大きい。脱会者にしてみれば、「沈みかけた泥船から我先に」と逃げ出そうということだろう。そりゃまあわかる。支連会のメンバーであることほど、「国安法」を前にしてリスキーなことはない。さっさと逃げ出そうってのが、人情というもんだ。

支連会では「この1年、香港の政治環境は急劇轉壞(急激に悪化)した」とし、「『打壓趨烈=熾烈な政治弾圧』に際して、常務委員の削減と全職員の解雇」を表明した。解雇に際しては「労働法の基準を上回る補償を行う」とも表明した。ポイントは以下の通り。

1.常務委員数の戦略的削減
昨年末の改選で組織の簡素化を図り、20人から14人に削減した常務委員をさらに半数の7人にまで削減。残留の7人には、現在服役中の李卓人主席と何俊仁(アルバート・ホー)副主席、裁判中の鄒幸彤(トニー・チョウ)副主席の3人が含まれていることから、実質4人の常務委員で仕切っていくこととなる。

2.全職員の解雇
政治的および法的リスクの増大に対面する中、常務委員会は職員の安全を確保するために、あらゆる努力を払う必要があるとの考えから、すべての職員を完全に解雇。労働法の基準を上回る補償をする。(この資金源はどこから??というツッコミもあろうけど…。)

かつての支連会、たとえば司徒華が健在だったころまでは、中連弁の主任ごときなんか目もくれず、さらに習近平国家主席が何を言おうと、愚直なまでに香港から「平反六四」「結束一黨專政」「建設民主中國」を叫び続けていただろうが、この数年の揺らぎ具合の酷さには、毎年の「六四」の度に「支連会、大丈夫か?」と記してきた。大体ね、華叔亡き後、李卓人→何俊仁→李卓人と代表がよく変わる。それも李卓人と何俊仁でキャッチボール。ダメだわな、この二人では。求心力ってのが全くない。特にパフォーマンスが過ぎる李卓人。役者みたいに表情作るでしょ、あの人(笑)。そのくせ、雨傘や2019年の破壊と暴力の中で、何もできなかったやん。

2011年1月2日にあっちの世界へ旅立った、華叔こと司徒華。支連会の解散カウントダウンに何を思っているだろうか…=2007年の六四追悼集会 by “香港01”

そして今まさに支連会の最大の綱領と言うべき「結束一黨專政=一党独裁体制の終結」を叫ぶことが、国安法を前にして大きなリスクになっている。存亡の危機と言うより「お前はすでに死んでいる」状態にあっという間に追い込まれてしまったのだ。さりとて支連会としては看板を外すわけにはいかないし、さあ、どないしよ、ってところだわな。

堅い決意を見せる蔡耀昌(リチャード・チョイ)だが、心中や如何に… by ”明報”

中文大の学生だった1980年代から民主化運動に参加し、支連会創設当時からかかわってきた留任する常務委員の一人、蔡耀昌(リチャード・チョイ)はネットメディア『香港01』のインタビューに「全職員を解雇した後、率直に言って支連会の運営は困難になるだろうが、残りの常務委員とボランティアメンバーがまだ居てる。支連会を取り巻く政治環境は極めて厳しいが、どんな困難や課題に直面しても、我々は歯を食いしばって一歩一歩、進んでいく」と強調していたが…。もはや、解散も間近という印象はぬぐえない。

しかし、案外と脆かったねぇ、支連会も…。時の流れとは言え…。


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30年の節目を迎えた天安門事件
当時、現場を取材した「歴史の目撃者」が語る事件の真相とは
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★広場だけでない。中国全土で起きたデモ
★「本当」の死傷者数は公式見解の約3倍
★英雄・戦車男は海外メディア向けの演出だった!?……等
遂に暴かれる衝撃の真相の数々――。

最近読んだ「六四」本では、一番しっくりきたかな。この反中・嫌中の嵐の中ではね。


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