【上方芸能な日々 文楽】第28期文楽研修生発表会

人形浄瑠璃文楽
第28期文楽研修生発表会

2年に1回巡ってくる、文楽研修生の「中間発表会」のようなもの。
忘れたけど、これって応募の上、抽選でご招待やったかな…?
まあ、どうでもいいや、とにかく抽選に当たったから行ってきた。

今年、各師匠に入門した研修修了生諸君のこの会は、たしか平日やったから行けなかっただけに、昨年行われた「研修修了発表会」で見聞したレベルに「おお~!」っと感心したものだ。とにかく、入門する前から見てきた研修生たちへの思い入れは強くなるので、舞台を観ていても「間違えんと語りや~」「ええ音鳴らしてや~」「しっかり足遣えるように勉強しいや~」などと、父親の心境で毎回舞台を見物してしまうんやから、これもある意味「研修制度効果」と言えないこともない。

さて、今期は太夫が1名だけと、かなり寂しい。その分、彼はみっちりと教えてもらえるのだから、羨ましい限りである。

『二人三番叟』
太夫)希、小住、亘、碩、研修くん
三味線)寛太郎、清公、錦吾、燕二郎
人形)玉翔、蓑太郎
そろそろ中堅どころと呼んでいい希以外の3人は、若手のイキの良いメンバー。毎公演、ご見物衆の評価も頗る高い。碩なんぞは今年入門したばかりなのに、すでに5年以上のキャリアを感じさせる。そこに放りこまれて研修生くんも奮闘していた。声が消されてしまうんじゃないかと思ったが、食らいついていた。若いうちはとにかく食らいつく芸で行ってほしい。

素浄瑠璃
『菅原伝授手習鑑』寺入りの段
研修くん
清丈
いくらボケ~っと聴いてる小生でも、「一字千金、二千金、三千世界の宝ぞと、教へる人に習ふ子の中に交はる菅秀才~~」くらいは暗記してますな(笑)。ま、それくらい基本中の基本ってわけで、この会では毎回、太夫志望者はここをやりますな。
会が終わって席を立ったら、後方に嶋さんがいてはった。お元気そうで何より。その嶋さんがどんな評価をしていたかは知らないが、これは鍛え甲斐のある太夫クンですな。いや、君、まだまだ声出るやろ、ってのが小生の今日の評価。まあ客が評価するなんて甚だ烏滸がましいハナシなんだが、これは評価言うよりも激励かな。そうなれば、結構様子もいいし、人気も出るんじゃないかなと、明るい未来を感じた次第。どうかあと1年頑張って、来年の今頃は「研修修了発表会」でもう1回、成果を聴かせてほしいなあと。埼玉県出身の彼に、純大阪弁の浄瑠璃はしんどい思うけど、しっかり勉強してほしい。
ちらっと楽屋口からは、靖とか呂勢の顔も見えた。いずれは、あんな風になるんやで~。

(平成30年1月27日 日本橋国立文楽劇場)



 


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