【回帰17周年】7.1大遊行

回帰17周年 7.1大遊行

香港が中共に回収されて、17年が経過した。まあ、早いもんだ。遊び盛りの33歳だったボクも50歳。あと数日で、さらにまた一つ齢を重ねる…。

「親中派と民主派のミゾ深まる」?
そんなん返還前からずっとそうです(笑)

17年前のその日をどのように過ごしたかは、過去のエントリをご覧いただくとして、今日の香港であるが、随分と様子が変わってしまった。とくにここ数カ月、いや、数日の間に起きた様々な出来事は、ブログネタとしてはこれほど美味しいものはないんだけど、いざブログに上げようとすると、さて何をどこからどのように片づけて行けばいいのか、まったく手の着けようがないほど混沌としてきたというのが実際である。

なのに、日本の香港情報は相変わらず少ない。やっと見つけても「深まる親中派市民と民主派市民のミゾ」とか「中国化懸念する香港市民」とかで、こっちにすりゃ「そんなん、返還前からずっとそうですがな!」と突っ込みたくなるものばかり。ンなわけで、こんなチンケなブログでも多少なりとも「へ~、そうなのか」ってのを見てもらえればと思って、ネタ集めをするわけなんだが、いやもう、昨今の動きときたら困りものである…。

「反中」だけではない、デモの中身

まずひとつお伝えしておくべきは、「返還記念日」である7月1日に、大規模なデモが実行されたということ。日本ではこれを「反中デモ」とひとくくりにして伝えているけど、決して「反中」だけで片づけられるものではない。色んな主張、思惑、思想、信仰…がいっしょくたになって、実際のところは「何がなんだか」状態。とはいえ、とにかく主催者発表で51万人(警察推計9万8千人、香港大学民意研究計画の推計15万4千人~17万2千人)がデモに参加し、それぞれの思いをぶつけたのだから香港市民は立派なものだと思うよ、ボクは。

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香港島最大の商業集積地帯・銅鑼灣(Causeway Bay)のメーンストリートは、デモ参加の市民で埋め尽くされる! 路面電車の線路は占拠され、バスも身動きとれず。デモするのは自由だけど、公共交通をマヒさせちゃいけません!
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そしてこの日も、香港、台湾の『蘋果日報』などを発行する「壱伝媒グループ」のサイトはハッカーの襲撃に遭う。ただ、デモと反共意識を扇動するための「自作自演」とのハナシも無いではない…。
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そして翌日の『蘋果日報』は、1面・終面ぶち抜きで「自社イベント」の成功を祝うかの如きのはしゃぎっぷり。でも、ここまでやる新聞、今じゃ「蘋果」だけに…。
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時折、滝のような豪雨に見舞われながらも市民の意志は固く! 返還当日も土砂降りだったねぇ…。
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夜の10時前になってもデモ参加者の列は途切れず
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お気楽な親中派も負けじと数万人を動員した「慶祝イベント」を各地で開催

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「一国二制度白書」への反発

これまでにも、7月1日には2003年の50万人、04年の53万人(いずれも主催者発表)など、反香港政府、反共、普通選挙の実現などの主張を中心としたデモは行われてきたが、今年、ここまで香港市民をデモに駆り立てたのは、6月10日、中国国務院が発表した「”一國兩制”在香港特別行政區的實踐=香港における一国二制度に関する白書」だろう。

「香港特別行政区が享有している高度な自治権は、固有の権利ではなく、最高指導部の承認に由来するものだ」
「『一国』は中華人民共和国を意味する」
「香港は、中国政府が直轄する地方行政区である」

などとしているが、こうした主張はこれまでにも時に耳にしてきたし、拙ブログでも、「高度自治の高度は香港人が想定する高度ではなく、あくまで中央政府が高度とみなすもの」、「香港が中国の一部である以上、一国と二制度では一国が優先するのは当たり前」と言ってきたから、特に目新しいものではないが、「白書」として国務院が発表したのは初めてだけに、一気に市民の間に不安と不満、反感が持ち上がったのは当然の成り行き。

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「白書の踏み絵」の上を歩くデモの参加者

「白書」投下の意味するところは…

もちろん、中央があえてこの時期にこの白書、すなわち香港社会への「警告」をぶつけてきたのにも理由がある。普通選挙を実現したい一派の行動に対する警告である。

香港では2017年、次期行政長官を選出する返還後初の普通選挙を行う「予定」。返還から20年にして、ようやく実現の運びとなる「住民が投票する」行政長官選挙である。

この普通選挙がより民主的に行われるように、市民団体は6月22日から29日まで、普通選挙に関する民意を問う投票活動を実施した。10万人以上が投票すれば目標到達かな?と主催者側は目論んでいたようだが、実際には最終的に有効投票数は79万近くに上った。もちろん、白書の発表を受けてのことで、人口が約700万人の香港でこの数字は驚異である。ただ、この数字を鵜呑みにする気は毛頭ない。スマホのアプリからの投票が大半を占めたことから、多重投票者もあったんじゃないかとの疑いもあるし、投票初日に『蘋果日報』などのサイトがハッカーに侵入されたというのも、なんだか自作自演臭いし…。にしても、だ。

白書は、この投票への打撃を狙って発表されたのは明白。結果は香港市民の怒りを一層増幅さてしまったわけだが、したたかなる中共政府は次なる手段で圧力や打撃を加えてくることは想像に難くない。飛躍した考えの人の中には、「解放軍の出動もあるんじゃないか?」という声もあるが、香港市民の「反抗」がエスカレートすれば、その可能性もまったく「ゼロ」とは言えない、かもね…。いやいや、それはないだろう、いくらなんでも…。

「民主的な選挙制度の実現を要求する香港市民vs中共政府」との戦いは、「一国二制度白書」の投下によって本格化するのか、はたまた経済的打撃を憂慮して中国が打撃を与える前に、政財界がぎゃふんと言わせてしまうのか…。さてさて…。

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最近とみに目立つ「英領時代がよかったよ~」グループ。ちなみに連中は、我が国の集団的自衛権容認の閣議決定を大いに喜び、サイトでは「憲法9条をさっさと改正して中共をやっつけてくれ!」と

う~ん、やっぱり現地へ行って街角の声に耳を傾けてみたいな…。こういうのは、現場の空気に触れないとねぇ…。香港が呼んでいる…、のかな?



 


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