【上方芸能な日々 落語】天満天神繁昌亭*旧ブログ

またまた1週間前のネタでごめんね。
さっき香港に戻ってきたのよ。

しかしまあ、大阪も暑いなぁ~と思ってましたが、帰ってきた香港は蒸し暑さ本番。
時折、土砂降りになったりして、いや~~な季節になりました。

さて。
おととし9月の開席以来、昼席の満員御礼が続く「天満天神繁昌亭」。
「当日券なんてあれへんでぇ~」
という声が周りで聞かれることしばしば。多分、それに近い状況なんだろうけど、「あれへんで」と言った奴が実際にその目で見てきたかというと、そういうわけではない。いっぺん確かめたれとダメ元で出かけましたところ、いともすんなりと当日券GET!
しかしながら、始まってみれば補助席もでる大盛況。
これはね、たしかに「ブーム」なんだろうけど、おそらくは「繁昌亭ブーム」であって、「落語ブーム」と断言はできないやろうね。テレビの『ちりとてちん』効果もあるだろうし。
でもまあ、リピーターも増えてきたとのこと、これからでしょうね。

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5月21日(水)第八十七週昼席
1.『軽業』 林家市楼(染語樓門下)
前座で出すのがもったいない市楼くん。ポポ~ンとテンポよく、「ずっと前へ…」といきなり爆笑で感じよくスタート。
2.『宗論』 笑福亭笑助(笑瓶門下)
笑瓶師の弟子だそうです。東京でタレント活動していたが、落語家として再スタート。ネタはもっぱら他の師匠連につけてもらい、それを師・笑瓶に教えてます、とツカミはおもしろかったけど、ネタがなんだか散漫な気も…。
3.『二人ぐせ』 桂珍念(文珍門下)
ここらが出てくると一安心。ドラマ『ちりとてちん』の劇中劇として扱われたこともあり、客席にもおなじみのネタ。珍念師、聴くたびに故・文枝師匠の面影を感じるのは、アタクシだけでしょうかね??
4.漫談 ナオユキ
タメ口がおかしい、独特の雰囲気を持った漫談師ですな。かなりウケてましたよ。
5.『手水廻し』 笑福亭仁昇(仁鶴門下)
中堅からそろそろベテランにさしかかろうかという仁昇師。さすがに心地よいですな。前座さんもよくやるネタだけど、そこは年数を感じさせる運びで。大阪の宿で「ちょうず」の正体を確かめに行った二人のおかしさったらありゃしない、そこがこのネタの勘所かと。
6.『饅頭こわい』 笑福亭三喬(松喬門下)
アタクシの一押しです。前回来たとき(おととしの11月)はトリでしたが、今日は中トリで。仁昇師の『手水~』もだけど、このネタもまた前座さんもよくやりますが、ここらがやると格別ですな。饅頭の食べ方なんて、絶品でした。隣の母子(どうやら生落語初体験のご様子)なんて、「うわぁ~おいしそう!」って何度も言ってましたから。こうやってファンをつかんでいってほしいです、上方落語は。
~中入り~
7.『酔いどれ交番所』 月亭遊方(八方門下)
相変わらず、強引なストーリー展開と荒っぽい運び…。まあ、そこがこの人の魅力なんでしょう。なんというか、この人のネタ聴くときってこちらの体調とか心理状態とぴたった合わないと、「クスッ」とも笑えないんです、なぜでしょう? この日は…、正直、つらかった。
8.『???』 桂米平(米朝門下)
かなりの数のネタを聴いてきましたが、この話、知りませんでした。結構ショックです。面白かったんですよ、中身は。でもわからん。だれか教えてください、がたろ(河童)を捕まえる話です…。めっちゃ基本ネタやったりして。
9.マジカル落語 桂朝太郎(米朝門下)
長いこと「落語」してはるの見てません。すっかり「色もん」イメージ定着ですけど、ネタも聴きたいです。
10.『三人旅』 笑福亭福笑(松鶴門下)
もちろん、この日最大の笑いです。このエキセントリックさがなんともいえません、なんでこんなにテンション高いんでしょう!サービス精神満点やし。市楼くん『軽業』で始まったこの日の昼席を同じ『東の旅シリーズ』の『三人旅』(『三人旅浮之尼買』のうち、馬方とのやり取りのみ)で締めくくるのですね、大ベテランは。でもこの話、「口のきけない人」「耳の聞こえん人」など「敏感な表現」がある。そこはちゃんとそれを指す言い方でやってほしいなぁ。古典芸能の承継において、言葉の自己規制は致命傷だと思うけど。
さて、気になったのは客席。
あれだけ何度も何度も「携帯電話の電源はお切りください」と開演前にアナウンスされているのに、大音量で呼び出し音が2回。とくに1回目は、笑助がネタに入った直後だったのはまことに気の毒。鳴り続く呼び出し音。持ち主はかばんを広げ、中に手を突っ込んで電話を探すがなかなか見つからない、そして見つかったのはよいが、焦ってしまい、電源をなかなか切ることができない。。。悪循環。
そしてもうひとつは、話の先を言う客。「あはは、これは『手水廻し』や!」「うはは、ホンマは饅頭好きなんやで、この人!」とかね。それはマナー違反やろ!
いずれも高座で熱演する噺家への侮辱的な行為であるぞよ。

こうした観客の「育成」も急がれる上方落語の昨今であります。
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COMMENT:
AUTHOR: khiroott
DATE: 05/27/2008 05:46:31
おっしゃるとおり、客層が良くないとのことです。
TVの前に座ってる気で寄席に来てる人が多い。
田辺寄席みたいなお客さんは少ないですな。
朝太郎はんは表の看板でも「色物」扱いでしたな。
これも生きる道でしょう。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 05/27/2008 16:20:38
To khiroottさん
その田辺寄席も最近は、散々、「携帯は~」「スーパーの袋の音は~」「オチを先に言わないで」などなど注意してますが(それも文太さん直々に!)、とくに携帯は1回は鳴りますね…。
>朝太郎はんは表の看板でも「色物」扱いでしたな。
>これも生きる道でしょう。
「マジカル落語」という分野の先駆者ということでしょうか。最近は笑福亭智之介がその分野でがんばってます(落語もやってます!)。
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COMMENT:
AUTHOR: yasu-emi0915
DATE: 05/27/2008 23:39:48
米平さんは「商売根問」なのではないでしょうか?
携帯が鳴るのはつらいですね。
噺に入っていけなくなりますよね~~
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 05/28/2008 01:47:30
To yasu-emi0915さん
>米平さんは「商売根問」なのではないでしょうか?
やっぱりそうだ、基本的なネタだった(笑)
いかに集中してないかってことですね~反省。。。
>携帯が鳴るのはつらいですね。
>噺に入っていけなくなりますよね~~
ベテランならさりげにかわすんですけど、若手のときはほんと、気の毒です。


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