【睇戲】『悲しみより、もっと悲しい物語』(台題=比悲傷更悲傷的故事)

昨年の「大阪アジアン映画祭」でプレミア上映され、鼻水垂らしながら号泣したこの映画。今年の4月にシネマート心斎橋での上映も始まったが、ほどなく「緊急事態宣言」が発動されてしまう。「宣言解除後、引き続いての上映はないかも…」と思っていたが、改めて上映が再開されてよかった。「ほな、もう一遍、鼻水垂らしながら泣きに行きましょか」という次第でおます。

悲しみより、もっと悲しい物語
台題=比悲傷更悲傷的故事

結論から言うと、最初ほどの泣きはなかった。そこはやっぱり2回目ともなれば、筋はわかっているし、「前回はここで大泣きしたけど今回はそうはいかんぞ!」ってのもあるしね(笑)。しかし、「大阪アジアン映画祭」で観た作品を、その後の劇場一般上映でまた観るなんて、この作品が初めてじゃないだろうか?

ご参考までに初見の際の感想などはこちらに

「睇戲」と書いて「たいへい」。広東語で、映画を見ること。

台題 『比悲傷更悲傷的故事』
英題 『More Than Blue 』
邦題 『悲しみより、もっと悲しい物語』
公開年 2018年
製作地 台湾
言語 標準中国語
評価 ★★★★☆(★5つで満点 ☆は0.5点)

導演(監督):林孝謙(ギャビン・リン)

領銜主演(主演):劉以豪(ジャスパー・リュウ)、陳意涵(アイビー・チェン)、陳庭妮(アニー・チェン)、張書豪(チャン・シューハオ)
別演出(特別出演):吳映潔(=鬼鬼、エマ・ウー)、禾浩辰(ブルース・ハン)、游大慶(ダー・チン)
特別客串(特別ゲスト):石知田(チーティェン・シー)、姚愛寗(ヤオ・アイニン)、張珮瑩(ブレア―・チャン)、A-Lin、海裕芬(ヘヴン・ハイ)、侯彥西(ヤン・シェンユウ)

*何気にネタバレ多し。ご注意を!*

初見の際の感想にも記したが、『男子としては、劉以豪(ジャスパー・リュウ)演じるKこと張哲凱の涙には、泣けた。また、彼の悲しみをこらえた表情が、すごくよくって、「俺にはこの生き方は無理やな」という、少しばかりの嫉妬心もあったりで…。』という印象にはまったく変りない。彼のその表情と陳意涵(アイビー・チェン)が演じたクリームこと宋媛媛のいつも湿り気タップリ目にこの作品の良さがある。これはキャスティングが上々出来という証。

キャスティングで言えば、これも前回に記したが、鬼鬼が演じた小貓女(Bonnie)とKのよき理解者・阿邦を演じた、「えくぼ男子」と小生が勝手に名付けた禾浩辰(ブルース・ハン)も適材適所。

小生の号泣(今回は寸止めwだったけど)ポイントは2か所。

クリームの花嫁衣裳の衣装合わせに付き合わされたK。クリームの真意は結ばれることのないKと本当は二人で結婚記念写真を撮りたかった…。そうとは知らないKは、一枚だけタキシード姿でツーショットに収まったが…。夜の街を駆け抜けるK。そこで見たものは…。

めっちゃくちゃベタな展開なのに、涙がこらえきれないのは、やっぱり劉以豪(ジャスパー・リュウ)の表情にやられたということかな。今回は筋がわかっていたから、鼻水ズルズルって醜態は晒さなかったけど、初見の時は涙腺は決壊するわ、鼻水は滝のごとしだわで、えらい目に遭ってしまった(笑)。

そしてもうひとつ。歯医者さんとクリームの結婚式。初見の時は「クリームよ、それでええんかホンマに?」「Kよ、奪って行けよ!」とか思って観ていたが…。

Kがエスコートするのだけど、二人にとって残酷な場面だなと思った。参列者の中にはボロボロに泣いている阿邦もおり、彼の表情だけでこっちもボロボロと泣いてしまう。えくぼ男子、ええ表情やで~。もちろん、踵を返したKの泣きの表情もいたたまれないものがあった。

と、やたら泣きの映画であるかのように強調したが、実際には終始ベタな展開で観る人によっては「これが台湾で大ヒット?世の中わからんもんやねー」となるだろう。そういうもんよ、映画って。ただ、それでも個々の俳優の技量というのは、鑑賞歴の浅い人にでもなんとなくわかるんじゃないだろうか。そこで一人でもお気に入り候補や、今後も注目していきたいと思える俳優に巡り合えれば、1,800円払っただけの価値があるというもんだ。と、小生なんぞは思うのだけど…。どうかな?

ちなみに小生は、この作品でいっぱいお気に入り俳優を見つけたよ。だから「映画祭で観た作品は劇場公開では観ない」という、小生のパターンが崩されたのかもしれない。

【比悲傷更悲傷的故事】 11.30上映 全新正式預告

(令和2年6月1日 シネマート心斎橋)



 


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