【2018年施政報告】香港も電子たばこ禁止へ…

香港もIQOSアカン!とは、逆に息苦しいがな…

久々に香港ネタ。

10月10日、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が「堅定前行 燃點希望」と題して、施政報告(施政方針演説)を行った。

施政報告を行う林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官 by “蘋果日報”

小生、もう香港住まいを終えて9年になろうとしているから、施政演説があったところで「ああ、そうですか。お好きなように」ってなもんだが、今回は「え、そんなことするんですか!」な報告があって、成り行きを注目している。

その最たるものが「建議立法禁止入口、製造、銷售、分發及宣傳電子煙及其他新型吸煙產品=電子たばこなどの新型たばこの輸入・生産・販売・宣伝の禁止を立法化する提案」が盛り込まれたことだ。

すでに愛煙家の間で話題になっているが、タイでは加熱式を含む電子たばこの所持および使用は違法 であり、違反すると最高で懲役10年、罰金50万バーツ(約170万円)のいずれかが科される。そのため、IQOSなどの所持・使用による日本人の逮捕者が続出 しているという。ちなみに、海外からタイ国内へ免税で持ち込めるのは、紙巻きたばこ200本(1カートン)、または葉巻、刻みたばこ、嗅ぎたばこなど250gまで電子たばこの持ち込みは禁止 となっている。

香港ではこの度の施政報告で「立法化する提案が盛り込まれた」という段階なので、「明日から!」というわけではないが、これまでも何度も議論されてはいるだけに、今回は恐らく賛成、反対各方面の根回しもバッチリで、すんなりと立法化されるんじゃないかと思う。

すでに、香港へのタバコの持ち込みは非常に厳しく、「紙巻たばこ19本、または葉巻1本か25g、またはその他たばこ製品25g(18歳以上)」となっている。19本を超えた分に対しては、「1本当たりHK$1.706」の税金が徴収されるが、1,000本までは一律でHK$1,706が徴収される。で、「19本」って何なのよと…。

まあ、ここだけの話だが、空港の税関は、ほぼノーチェックなので、スーツケースに忍ばせておけば、1カートン持ち込みも簡単な話だし、あえて危険を冒さなくても普通にコンビニなんかで購入することができる。ただ、1000円近くするので、悩ましいところではある。

いずれにしろ、世界的潮流として、愛煙家の生きにくい時代になっていることは確かである。この10月からは日本でも、小生が吸っているセブンスターは500円になった。これを機会に止めてしまいたいところだが、なかなか簡単にはいかないのが実情…。吸ったつもりで毎日500円づつ貯めれば月に1万5千円!。意志薄弱だな、俺…(笑)。

さて、もうひとつ「おい!それやるんかい!」と突っ込みたくなったのが、「明日大嶼(Lantau Tomorrow Vision)」なる大規模埋め立て計画だ。

かねてより、香港島と九龍半島の間のビクトリアハーバーの埋め立てが進むたびに「いずれ地続きになるで~」と面白半分で言っていたが、この「明日大嶼」はそれどころの話ではない。下記の予想図のように、「離島と離島の間を埋め立てちゃえ!」っていう奇天烈な計画で、その規模は約1700ha、70万~110万人が居住することができるという。

オレンジの部分を埋め立てるんだそうで(笑)

2025年には埋め立てを開始し、2032年~34年には入居を開始させたいという。「これで香港の住宅不足も解決できますわよ!」とご満悦の林鄭長官だが、いやいや、アンタそれねぇ、一般の香港人にはあまり回ってこない気がするよ、小生には。恐らくは、今後も増える一方の大陸からの流入者「新香港人」に回ってしまいそうな気がする。で、連中はここに大ビジネス拠点を築き、ここから香港、大陸、そして世界をコントロールしそうな…。イヤだねぇ~、そういう香港の未来予想図は…。でも、そうなってほしいんでしょう、今の香港政府は。多分。

このへんを一気に埋めちゃいますよ!って言うから馬鹿馬鹿しいハナシだ

そもそもが、香港の住宅難はこやつらが原因。その流入を規制せずに、余計な埋め立てをして住宅難を乗り切ろうという考えが、なんかイヤ。まして、素晴らしい観光資源である「離島めぐり」を台無しにしてまでやるべきことかと、腹立たしくさえある。

香港の住宅難はひとえに土地管理の問題、というのが長年住んでみての小生の結論。下記の映像を観てもらえれば、なんとなくわかってもらえるかもしれない、長いし英語やけど…。

そりゃ、政府も管理を怠ってきたわけじゃないが、やはりここはデベロッパーの力が圧倒的に強く、こと土地に関しては政府は影響力が及ばない「聖域」でもある。

あくまで土地は政府ではなくデベロッパーが管理するものであり、そこをショッピングビルにしようが住宅にしようが、それは「デベロッパーの勝手でしょ」みたいなところがある。

まあ、そうなってしまった背景は、ここが英国の植民地であったというところに端を発するわけだが、それでもやり方はあったと思うし、その植民地的土地政策を改めるきっかけづくりも、どこかの段階でできたはずだ。

そうならなかったということは、そのままである方が、政府にもデベロッパーにも都合がよかったということだろう。これが「官商癒着」という香港の体質である。どうせ、この埋め立て計画にしたって、すでに大手のデベロッパーが動き始めているだろうから、どんなものが出来上がるかは、大方予想がつくというもんだ。

香港映画ファンとして気になるのは、「電影發展基金」として 10億香港ドルを投入し、新しい映画人の育成を行い映画市場活性化に努めるという計画

まあ、いいですよ、そうやっていい人材が育ち、いい作品が香港で作られるなら。すでに政府の援助金を使って作られた作品が「大阪アジアン映画祭」などでも公開され、好評を博したりもしているし。ただ、あくまでも「金は出すが口は出さない」という姿勢を崩さないでほしいいずれ、「金も出すし、口も出す」時代が来る のだから、せめて今の内は…。

まあ、他にも、

・女性の産休を10週間から14週間への増加を提案。延長した4週間の給与の一部は政府が負担。
・男性の育児休暇を3日間から5日間へ増加を提案(前年に引き続き提言)
・子宮筋腫の予防接種、無料で接種可能へ(年齢指定あり)
・小学生に対してインフルエンザワクチンの予防接種を無料で提供
・3つの海底トンネルの交通量の再分配のために各トンネルの料金を変更
・高齢者のケアをする人材を海外から受け入れ検討

などなど、「ええんちゃう?」から「それはないんちゃう?」まで色々言いたいことがあるけど、今や住民ではなく単なるお気楽な「海外居留香港永久性居民」だから、ほとんど生活には影響ナシ(笑)。むしろ、このあとの「財政報告」で、いつぞやのように「儲かってるから、海外居民含めて全員に分配金アルよ~」ってな朗報がもたらされはしないか、そっちの方が気になる(笑)。



  



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