【睇戲】第12回大阪アジアン映画祭「HONG KONG NIGHT」

第12回大阪アジアン映画祭
「HONG KONG NIGHT」

大阪アジアン映画祭、最大のお楽しみは、やっぱりこの「HONG KONG NIGHT」。ベテランから今が旬の若手まで、香港映画人がずらりと居並ぶ光景は、なんだかんだ言っても香港が今なお映画の街であることの証とみていいだろう…(かな?)

去年は人数が多い上に、みなさん好き放題やり出して収集つかなくなったけど、今年はみなさんおとなしい(笑)

イベントに引き続き上映されるのが、待ってました!『一念無明』の国内初上映。実に楽しみである。

恒例の香港特別行政区政府駐東京経済貿易代表部の挨拶は、新任の翁佩雯(シェーリー・ヨン)首席代表。昨年までおなじみだった黄碧兒(サリー・ウォン)女士は昨年、異動で帰港。香港特別行政区政府駐東京経済貿易代表部なんて、実質、大使館みたいなもんで超エリートコースだから、きっとさらに出世してるんだろうな…。

今度の人は、なかなかのタフ・ネゴシエーターって雰囲気の人。すっげー学歴なんだぜ、きっと

翁女士は、「大阪アジアン映画祭に初めて参りましたが、映画好きの一人として名高い映画祭に参加でき、選りすぐりの香港映画を日本の皆さまにご紹介できて嬉しく思います」と。引き続いて、「今年の6本は香港映画界の活気が伝わる見事な作品」だとか、「『一念無明』は、『首部劇情電影計劃』(First Feature Film Initiative=香港政府が新しい世代の香港映画監督育成のために作った初めての商業映画制作支援の補助金制度)から交付を受けて製作された」だとか、「約20年前に映画発展基金が設立され、映画産業の長期的発展に繋がるプロジェクトを支援、その総額は日本円で約80億円にのぼる」だとか、「特区政府は今後も香港映画の発展に寄与する所存」だとか、とか。

続いて、お待ちかねのゲストが登場。いや~、今年も豪華だね~。

『一念無明(原題:一念無明)』
監督:黃進(ウォン・ジョン)、脚本:陳楚珩(フローレンス・チャン)
『77回、彼氏をゆるす(原題:原諒他77次)』

邱禮濤(ハーマン・ヤウ)
『姉妹関係(原題:骨妹)』

監督:徐欣羨(トレイシー・チョイ)、俳優:廖子妤(フィッシュ・リウ)、余香凝(ジェニファー・ユー)
『29+1(原題:29+1)』

監督:彭秀慧(キーレン・パン)
『女士の仇討(原題:女士復仇)』

監督:火火(ファイヤー・リー)

残念ながら、『七月と安生』からは来阪者なし。できれば監督の曾國祥(デレク・ツァン)には昨年の俳優としての来阪、そして今年は監督としての来阪となってほしかった。おとっつぁんの曾志偉が熱演の『一念無明』も上映されることだし…。ま、忙しいよな、彼は。

『一念無明』の黃進(ウォン・ジョン)監督。右隣は、脚本の陳楚珩(フローレンス・チャン)。しかし最近の若手監督はイケメンが多いね…
大忙しの邱禮濤(ハーマン・ヤウ)監督は、この後上映の「『一念無明』をよろしく」と重鎮らしく。でも「こんな老いぼれが若い監督や俳優に交ざって…」と笑いも取る。ほんといい人だ!
広東語圏以外での初上映となる『姉妹関係』の3人。左から、徐欣羨(トレイシー・チョイ)監督、余香凝(ジェニファー・ユー)、廖子妤(フィッシュ・リウ)
彭秀慧(キーレン・パン)は、一番会いたかった監督!作品『29+1』もめっちゃよかった!
2年連続で来阪の火火(ファイアー・リー)監督は今年も期待の最新作『女士復仇』で

昨年はここから「大自撮り大会」が舞台上で始まって、大騒ぎになったわけだが、今年は意外にもすんなり終了。それでも客席を背景にゲスト全員で記念撮影などして、ご自分たちが大いに楽しんでおられた(笑)。監督が若くてしゅっとした人が増えても、こういう「香港ノリ」は伝統芸として継承していってほしいな(笑)。

3年前の車婉婉(ステファニー・チェ)、一昨年の邵音音(スーザン・ショウ)、昨年の泰迪羅賓(テディ・ロビン)のような超級ゲストはいなかったが、これからが楽しみな人が多く集まり、香港映画界に確実に新しいうねりが起きていることを実感する今年の「HONG KONG NIGHT」であった。


そして、いよいよ『一念無明』の上映へ。

プライベートでも、よきパートナーである二人。いやもう、色々と羨ましい限りである(笑)

その前に黃進監督、脚本の陳楚珩から簡単に見どころなどが紹介された。
本作が初の長編作品となる二人だが、ご両人はなんとまあ28歳だってよ!もうホンマ、びっくりだわ。

さ、その28歳の二人が作り出した『一念無明』だが、実際にあった事件を元にしている。脚本の陳楚珩は「心を患った人に関する話の中に、社会問題を反映させ、自分や自家族のことを考えなおす内容にした」と言う。黃進監督は「重いテーマだが、愛に溢れた物語でもあるので、観客の皆さんには、自分が大事にしなくてはいけない人のことなどを思って観てくれれば」と語る。いやいや、あんた達、ほんとに28歳なのか? 53歳のおじちゃんよりずっとずっとしっかりしてるじゃないかい!(笑)。

さて、二人の話からして、こりゃ相当な難敵やぞ、と心してスクリーンと改めて向き合った次第。

(平成29年3月10日 ABCホール)





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