【上方芸能な日々 文楽、素浄瑠璃】第27期文楽研修修了発表会

人形浄瑠璃文楽
第27期文楽研修修了発表会

img_4288日本芸術文化振興会の「文楽研修生」制度は昭和47年にスタートし、今期で27期を数える。第1期の顔ぶれが竹本津國太夫、竹本文字栄太夫、吉田玉輝ということを見て分かるように、すでに中堅からベテランにさしかかろうかという年代。この制度が今の文楽を支えている大きな柱の一つになっていることが分かろうというもの。

毎年、何十人もが研修制度に応募し、のちに入門するというわけではない。一人、二人という年もあり、慢性的な人材不足という状態が続いていることには違いない。それでもたとえ一人だったとしても、文楽の門をたたく若者がいるということは頼もしく、ありがたく思うのである。

今期は太夫志望1名、人形志望2名が、2年間の研修を終えて、この日の研修修了発表会に臨んだ。

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『万才』
玉翔、文哉の主にリードされながら、必死で動き回る研修生君二人。この日だけは、足遣いといえども顔出しで出演。緊張したかな?
一方、希、咲寿、亘の声に負けまいと腹の底から声を振り絞っても、三人に声が完全に消されてしまっている研修生君。でも顔つきがいい。
こういう場面を研修生期間に見るからだろう、正式入門後も、研修出身の子らが気になって気になって仕方がない。つまりは、頑張ってほしい、辞めずに続けていってほしいと。

素浄瑠璃『一谷嫩軍記』
熊谷桜の段
さっきとは打って変わって、舞台度胸を感じさせる堂々の浄瑠璃聴かせる研修生君。パンフのコメントによれば、幼いころから人形浄瑠璃を見て触れて育ってきたとのこと。好きなんだな。

『本朝廿四孝』
十種香の段
今回は主遣いの研修生君二人。出番は当たり前だがあっという間。左遣いと足遣いに支えてもらっての必死の主遣いに拍手喝采。気分良かったかな? そして入門後、チョイ役でも主遣いで舞台に出られるのはずっと先の話。

img_4289いつもながら、たくさんのお客さん。中にはご家族や友人知人もいたのかも。入門前の一世一代の大舞台。でもまだスタート地点にすら立っていない彼ら。この先、長~い長~~~~い文楽の人生が始まる。我々愛好者も、長~い長~~~~い目で3人の成長を叱咤激励飛ばしながら見守ってゆかねばならない。文楽を愛する、古典芸能を愛するとは、やる方も見物する方も、とにかく根気の世界なのである。
それにしても、毎回思うのだが、研修内容のなんとも魅力的なこと。今回も同じこと言うけど、「お金払うから、僕も研修受けさせてください!」とね(笑)。

さて、発表会の数日後に朗報が飛び込んできた。8歳の時に文楽の世界に身を投じた咲甫くんが来春、六代目織太夫を襲名するという。41歳。まだまだ文楽ではひよっ子と言われる年代だけど、由緒ある大名跡を襲名するということはまさしく期待の表れ。彼は研修出身でなく、直接咲さんに入門したという経歴だけど、ほんとに若い時から見てきているので非常に喜ばしい。来年の話だけど、とても楽しみ。

(平成29年1月28日 日本橋国立文楽劇場)



 


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