【京の雅探索】第23回京都五花街合同公演 都の賑い

舞踊
第23回京都五花街合同公演 都の賑い

4月から3度目の入洛である。

「都をどり」、「こうせつ、京響のジョイント」に続き、今回は五花街の合同公演である。

以前も記したが、京都には5か所の花街がある。祇園甲部、宮川町、先斗町、祇園東、上七軒。この5か所の花街が年に一度、一堂に会して日ごろ研鑽を重ねている伎芸を披露し、伝統芸の継承につなげようとする場が「五花街合同公演」である。平成6年に平安建都千年を記念して第1回が開催されて以来、今回で23回目となる。

五花街がそれぞれに特色ある芸を披露するわけだが、それはすなわち、それぞれの「流派」の披露ということになるわけで、なかなか見ものである。

五花街はそれぞれ、舞踊の流派が違う。祇園甲部=京舞井上流、宮川町=若柳流、先斗町=尾上流、祇園東=藤間流、上七軒=花柳流となっており、五花街の舞妓が舞台に並び、『祇園小唄』をそれぞれの流派で舞うので、違いがはっきりと見て取れる。と言っても、小生のような「一見さん」には単なる「違う踊り」にしか見えないのは仕方ないことで、そこはもう何とは無しに、「は~、なるほど」と分かったような顔しているしかない。

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客席には、そりゃもう当たり前といえばそれまでだが、舞妓さんの姿があちらこちらに。あの襟元の白粉がなんとも言えまへんなあ~。こんなに間近に舞妓さん芸妓さんのお姿を見たのは多分、初めてのことではないかと思う。4月に「都をどり」を見たときに、世の中にはまだまだ知らないことがいっぱいあるな~と痛感したもんだが、今回もやっぱり同じことを感じた。そもそも、「都をどり」や今回の五花街合同公演に来なければ、五花街は知っていても、それぞれに舞踊の流派が違うなんてことも知らないままだった。どこもかしこも井上流だと思ってたくらいだから。こういう知識を得たただけでも、儲けもんだと思うなあ。

<舞台>
宮川町歌舞連会
清元『四季三番草』
祇園東歌舞連会
長唄『君が代松竹梅』
上七軒歌舞連会
長唄『花車』
先斗町歌舞連会
清元『玉屋』
祇園甲部歌舞連会
長唄『秋の色種』
五花街合同
 舞妓の賑い 『祇園小唄』
 フィナーレ 『京小唄』

にしても…。
この日の小生の「一見さん」ぶりは見事だった(笑)。
休憩時間、結構な数の男性客が、客席にいた舞妓さんや芸妓さんに声をかけていたし、逆に御贔屓(かな?)の男性客に挨拶する舞妓さんや芸妓さんの姿も多数。そんな中で、「俺は何をすればいいわけですか?」な顔でそんな光景を眺めている小生の「一見さん」ぶりは、外人観光客以上に際立っていたはずだ(笑)。

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会場は、この前の「都をどり」と同じく、祇園甲部歌舞練場。上手、下手に両花道を持つ実に立派な作りである。五花街では祇園東以外がこうした歌舞練場を持っているが、南座が耐震工事のため休館中のため、ことしの年末の顔見世は先斗町歌舞練場で開催される。要は、歌舞練場はたんなるお稽古の場というだけでなく、歌舞伎公演もできる本格的な劇場と言うことだろう。この祇園甲部歌舞練場でも、平成2年の顔見世を開催している。

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この日の近畿地方は朝から小雨模様。雨の中ウロウロするのも何かと面倒なので、入洛の際のルーティンである松葉のにしんそばも食さずに、さっさと大阪へ引き上げたのであった。

まあ正味の話、「また来年もぜひ!」というものでもないので、数年後にまた来れたらいいなというところかな…。もちろん、「今年はこんな珍しいことをお見せします」ということでもあれば、飛んで行くとは思うけど。

(平成28年6月26日 祇園甲部歌舞練場)


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