【上方芸能な日々 落語】「月亭八天・笑福亭恭瓶ふたり会」*旧ブログ

落語
月亭八天・笑福亭恭瓶ふたり会
縁は異なもの味なもの

2日続けて落語会なんて、これまた久しぶりのことでござります。

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5月20日夜、繁昌亭へ。月亭八天と笑福亭恭瓶の二人会。

お二人は同期だというが、特に濃密な関係であったというわけでもないという。数年前に二人も高座を務めたある落語会の打ち上げの席上で、恭瓶師が突如「明日から東京の太田プロに入ります」と告白、打ち上げは急遽、恭瓶激励会に。しかしながら、当の恭瓶師はほとんど記憶にないらしい…。接点と言えばそれくらいだったが、繁昌亭の開席が距離を次第に縮めてゆき、さらにはお互いの飼い犬の話題で盛り上がり、「いっぺん、二人で会やろうか」。
そんな経緯で会のタイトルも「縁は異なもの味なもの」。

<ネタ帳>
「御挨拶」月亭八天、笑福亭恭瓶
「煮売屋」月亭天使
「皿屋敷」八天
「宮戸川」恭瓶
中入り
「いらちの愛宕参り」恭瓶
「鴻池の犬」八天

まずは二人の御挨拶から。開催に至った経緯などを。上述の如し。

八天さんの飼い犬・チョコラと「同期入門」の天使の小気味よい「東の旅・煮売屋」からスタート。初々しい高座だった天使も、いつの間にか「女流落語家」らしい高座になってるなあ。やっぱり、着実に進化を遂げている人を見るのは楽しいですねぇ。

八天師一席目は「皿屋敷」。幽霊ネタですが「明るく楽しい」幽霊ネタ。ご陽気なお話であります。子供のころ、ABCテレビ土曜お昼のお楽しみ「道頓堀アワー」(演芸の角座からの中継)で春團治師匠が「皿屋敷」やってるのを見てかどうか、「皿屋敷」と言えば、「いちま~~い、にま~~い、…」ときて「7枚、8枚、9枚!」を早口で言うのが当たり前みたいに思ってる同年代の大阪の子はたくさんいます (笑)。そんなのを思い出しながら楽しんでおりました。

恭瓶師の一席目は、東京ネタの「宮戸川」。ただし地名あれこれを大阪の地名に置き換え、登場人物ももちろん大阪弁で。師匠・鶴瓶に稽古つけてもらったネタだとのこと。恭瓶さんは初めて聴きます。聴きやすい耳あたりのよい噺家さんだと、まずは第一印象。これもまた「ご縁」というものでしょう。

二席目では「いらちの愛宕参り」。これも鶴瓶師につけてもらったそうで。なるほど、鶴瓶流は上方式のオチの後にお江戸の「堀の内」のオチへと展開してゆくのか。いずれにしろ「いらち」な男が次々と巻き起こす愉快な出来事の連続ですので、笑いが途切れないから退屈しません。お子たちや初心者でものめりこめるネタの一つじゃないですかね。

トリは八天師で。この話、犬好きにはたまらない人情咄ならぬ「犬情噺」なんやけど…。実はサゲがあまり好きではない。どうしても犬に感情移入しすぎてしまい、病犬(やまいぬ)のその後が気になって仕方ないのよね。もちろんそこは、落語は「想像の芸能」ですから、後は聴き手があれこれと想像を巡らせばええんですけどね、どうもねえ。もうホンマ、何回聞いてもサゲの直前までは涙腺決壊まで一息、という感じできてるんですが、サゲで「あららららら」となってしまい、「ちょっと~、この出かかった涙、どうしてくれるんよ!」となっちゃうのです(笑)。

何回か書きましたが、やっぱり日曜の夜席は集客が厳しい。なんでですかね? 日曜の夜はやっぱり家でブルーな気分で「サザエさん」や大河ドラマ見たいわけ? それとも月曜からの仕事に備えて「笑うてる場合やない!」とか思うわけ? 真面目やなあ、どなたさんも(笑)。


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