【上方芸能な日々 文楽、素浄瑠璃】第25回文楽研修生発表会*旧ブログ

文楽の研修生は基本的に2年間の研修を経て、試験に通れば技芸員になれるそうでして。現在、文楽技芸員のほぼ半数が研修制度を経て、文楽の世界で活躍しています。
平成23年4月より研修中の第25期文楽研修生が、日頃の研修の成果を披露する「発表会」が1月26日、国立文楽劇場で行われたので行ってきました。
以前から、一度行ってみたいと思いながら、なかなかタイミングが合わず、この会もすでに25回を数えます。抽選に当たった一般客約100人と師匠方が、初々しい研修生の芸に熱い視線を注ぎます。
今回、舞台に上がった研修生は4人。三味線2人と人形遣い2人。人形の2人は足遣いですが、頭巾被らず「顔出し」で足を遣いますから、三味線さん同様、表情もよくわかります。我々素人目にはわかりませんが、その表情から恐らく師匠方には色んなことが見えていたと思います。
今日はとにかく、わずかな期間でこういう日を迎えた4人のこれまでの懸命さ、頑張りに拍手を送りたいと思います。

プロフィールを見ると、大阪出身者はおりません。これはちょっと寂しい。大阪が世界に誇る文楽です。家柄や血筋に関係なく、実力次第で大きな名跡を手にすることも可能な世界です。
多くの「大阪の子」たちが文楽の門戸を叩いてほしいと思います。

研修はこれからもう一年続きます。厳しいお稽古にめげることなく、そう遠くない将来に「あ、この人はあの研修会で観た人や!」という日が来ることを祈ってやみません。どうぞこれからも精進してください。
<演目>
1、『二人三番叟』
大夫:芳穂大夫、靖大夫、希大夫、亘大夫
三味線:清丈`、寛太郎、清公、錦吾
人形:三番叟-紋秀(足遣い 研修生)、三番叟-玉勢(足遣い 研修生
2、素浄瑠璃『菅原伝授手習鑑』-寺入りの段
大夫:咲寿大夫 (三味線 研修生
3、素浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』-裏門の段
大夫:小住大夫 (三味線 研修生

こんな具合に一生懸命になれることがあるのは、非常に羨ましい…。な~んて考えてしまうのは、老いの証しか?(笑)


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