【返大陸】久々のボーダー越え*旧ブログ

「新線開通」とか「新型車導入」と言う言葉にメチャ弱い「元・鉄オタ」なアタクシ。
8月15日に営業運転を開始した「KCR(九廣鉄路)落馬洲支線」に乗ってきました!

これまで、鉄路での中・港ボーダー越えはKCR終点の羅湖(Lo Wu)1箇所でした。すでに10数年前からここの出入境ゲートは限界を超えており、鉄路による出入境ポイントの早期増設が叫ばれていました。そういうわけで落馬洲支線は「待望の…」というところ。

が、しかし。
開業早々、香港メディア、とりわけ「揚げ足取りの天才」と言えます『蘋果日報』などが、「あそこが悪い、ここが不便、どこそこがおかしい…」などのネガティブ報道を展開しておりまして、そこまで言うならいっぺん我が目で確かめておこう、というわけで乗りに行ったのであります。

KCRの紅磡(ホンハム)から40分弱で上水(ションソイ)に到着。ここから在来の羅湖方面と新設の落馬洲方面へと分岐します。湿田が広がる自然保護地区を通過するため、落馬洲までの99%はトンネル。よってのどかな田園風景を楽しむ、というわけにはまいりません。と言うことは「鉄オタ」の楽しみでもある列車撮影ができるポイントもないというわけで、かなり拍子抜け。

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終点の「落馬洲」駅ホーム
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駅構内はご覧の通り、人影まばら…
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香港側の風景。のどかな湿田地帯。珍しい鳥がいたりする

すでに「禁区(境界間近の立ち入り禁止地区)」でもあるため、落馬洲の駅から外へ出ることもできず、そのまま大陸へ入境することになります。

日曜の午後。たくさんの香港人がボーダーを越えて深圳に入り、買物、食事、マッサージ・エステ、散髪、買春など莫大な額を消費しますので、KCRはいつもすし詰め状態です。ところが、落馬洲線ときたら、ほとんど空車状態。やはりネガティブ報道の影響なんでしょうか???

にしては、通関も人が少ない分、極めてスムーズでしたし、駅構内も明るくて広々としていて、古めかしい羅湖に比べると天地の差でした。

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香港側出口から出境ゲートを望む。こんなにすいてる大陸への入り口は珍しい!

大陸側の入国手続きを済ませ、こちらは落馬洲ではなく「福田」の町に出てみて、不人気の理由が一目瞭然。駅前に何もない。いや、ありますよ、レストランやらパーマ屋やらは、一応。でもそれは単なる「駅前商店街」でして、とても香港人の欲望を満たすようなものじゃありません。普通の駅前。

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大陸側「福田」エリア。駅ビル&イミグレビルは立派だが、館内はがらんどうである
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香港側ののどかさとは打って変わって大陸側は高層マンションが立ち並ぶ

ただ、「ここは香港か?」みたいな高層住宅が並んでおり、建設中のものも多く、いずれは香港人がいっぱい移り住むようになるのでしょう。
あと、ここの利用価値のなさは、羅湖が広東省各地への中長距離バスの拠点であり、大陸各地への鉄道の始発駅なのに対し、ここはそうではないことが大きいでしょう。

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「棟割長屋」を5~6層重ねたような旧式アパートの向こうには建設中の高層マンション

何の見どころもない福田から地下鉄で羅湖へ。
深圳の地下鉄が開通してかれこれ3,4年になろうかと思いますが、実はこれが初体験。広州などもそうですが切符は丸いチップを改札にかざすスタイル。駅構内も車内も実に清潔で、深圳のイメージが覆るほどです。乗車マナーや車内の喧騒と言う点では香港より良いかも…。どうしちゃたんだろう?深圳は???

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チップ状の地下鉄「切符」(背後の気持ち悪いのはアタクシの掌です、ゴメンよぉ~)
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深圳地下鉄の車内。とてもきれい!

羅湖で若干の買物や軽い食事をして、香港へ戻ったのですが、「軽い食事」のお値段には驚きました。いわゆる「下午茶=アフタヌーンティーセット/午後の軽食」ってやつで、サンドウィッチと飲み物の組み合わせなわけですが、拙宅近辺で17香港ドルのセットが深圳では30RMBもしちゃいます。羅湖近辺は元々深圳でも物価の高いエリアではありますが、食事が香港よりも高いとは、えらい時代になったもんです。
「えらい時代」ついでで言うと、100香港ドルに対し96RMB。人民元のほうが高くなってますからね、ホンマにえらい時代ですわぁ…。

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羅湖商業城。パチもんと安物のパラダイスは在香港日本人女性のパラダイスでもあり…

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すっかり様変わりした深圳駅付近。公園の下が地下鉄の駅。小生が初めて深圳の地を訪れた当時は、この左手に薄汚い市場があり、生きた鶏とか売ってました。右手にはレンガ積みの塀があって共産党スローガンが独特の書体で大書されていました…。もちろんこの公園なんてなく、土煙立ち込める中、タクシーの客引きや、ほとんど「改造人間」状態の乞食 がわんさかおりました。

深圳に足を踏み入れたのは5年ぶりくらいでしょうか。ゴルフや出張で通過はしますが滞在はホント久々でした。5,6年前に2週連続で強盗に遭って以来、世界中で一番嫌いな街に位置づけていますから。
別に行かなくてもどうってことないし。
でも、在港の日本人主婦たちは徒党を組んで深圳へカーテンや服のオーダーメードをあつらえに通っていますね。勇気あるな~。

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COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 08/20/2007 16:42:43
leslieyoshiさん、
写真でみると香港化が著しい深圳にすむシナ人からの情報では携帯も強盗の対象になっているそうです。失業食い詰めた「民工」たちのせいにしていますが、さて真相やいかに?
見かけはどうあれ実質的生活の質では香港に及びもつかないと思いますが、いかがでしょう?それでも香港人たちは大陸へと移住するでしょうか?
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 08/20/2007 18:19:05
To マルコおいちゃんさん
羅湖周辺もきれいになったといえども、あいかわらず強盗の集中地帯のひとつです。小生もかつて羅湖で携帯を奪われましたから。
ただ、とびきりの富裕層が増えているのも確かです。こういう連中は逆に香港へ毎週末のようにブランド買いに通いますし、日本のファッション雑誌そのまんまの若者もいっぱいいます。格差拡大は進む一方でしょうが、やむをえないでしょう。
>見かけはどうあれ実質的生活の質では香港に及びもつかないと思いますが、いかがでしょう?それでも香港人たちは大陸へと移住するでしょうか?
そのへんのところ、次のエントリーで考察してみたいと思います。


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