【上方芸能な日々 落語】田辺寄席、なにわ芸術祭 *旧ブログ

5月18日~24日、公務・私用入り乱れての一時帰国@大阪でした。
1週間の滞在ではありますが、最初と最後は移動日ですから実質5日間。さらに土曜・日曜も入りますから、「公務」については、3日間でサクッとこなすわけです。

で、残りは趣味や会食に。
その趣味ですが、
演芸が好きです。
でも、いわゆる昨今の「お笑い」は苦手です。
そんな小生の演芸好きの原点のひとつが、地元・大阪市東住吉区田辺で34年の長きに渡り継続されている、「田辺寄席」。
始まったとき、小生はまだ小学校5年生だったわけですから、この間の世話人のみなさんや「田辺寄席の顔」である、桂文太師(文枝門下)のご苦労は並大抵ではありません。
何度か継続の危機に見舞われながらも、世話人さんや文太師の奮闘やファンの支持で、昨年5月からはそれまでの月1回から月3回(土曜に昼席・夜席、日曜に昼席)とパワーアップ。全国から熱心なファンがやってきます。

会場は、最初の頃はJR阪和線南田辺駅前のパン屋の
2階(いや、3階? 忘れた)だったが2年目からは桃が池の
阿倍野青年センターに。もうここでも30年以上になる


会館入り口に提灯。この日も100人を超す満員となり、爆笑の渦
今回帰阪のタイミングが合ったので1年ぶりに田辺寄席へ。
5月19日昼席のネタ
「開口0番」御題「幇間=太鼓持ち」文太
『宿屋町』桂雀五郎(雀三郎門下)
『饅頭怖い』桂雀喜(同)
「笑呆亭」御題「連獅子 三田純市作」文太
~中入
「ウクレレ漫談」林家笑丸(染丸門下)
『神頼み・初恋編』桂雀三郎
この日は雀三郎一門会。色物として笑丸師の漫談、オモロイ。
「笑呆亭」は、作中の人物を裁いてみたらどうなるか?という観客参加のクイズとして人気。
それにしても、雀三郎師、爆笑に次ぐ爆笑で大いに楽しませてもらいました。

田辺寄席では、阪神淡路大震災の被災地での「復興寄席」や、地元の幻の野菜「田辺大根」の普及などにも力を入れています。こうした地道な活動が、昨年の上方落語の念願「天満天神繁昌亭」の開席に大きな影響を与えた、とジモティーたる小生は感激しているのです。
もうひとつ、落語ネタ。
5月22日は産経新聞社主催「なにわ藝術祭」の「上方落語名人会」へ。
こちらも歴史の長い落語会。田辺寄席が地域密着の「寄席」であるなら、「なにわ~」は典型的な「ホール落語会」。一番、二番太鼓や各師の出囃子などはドスンと響く感じがして、好きではない。
ネタ
『阿弥陀池』林家染左(染丸門下)
『堪忍袋』笑福亭竹林(松鶴門下)
『七段目』露の五郎兵衛
『高尾』桂春團治
~中入
『始末の極意』桂米朝
『能・狂言 商社殺油地獄』桂文珍(文枝門下)
染左師は大御所がずらりと揃う中での開口一番をきちんとこなし、竹林師は笑福亭の骨太さがうれしく。
五郎兵衛、春團治両師匠は上方の品のよさと華麗さで魅了。
米朝師匠は、「ボケてまんねん」とか言いながらも「はぁ~」と唸らせる、まさに「噺の極意」を展開。
トリの文珍師匠。おかしすぎて腸捻転起こしそうになりました!もうこれ以上笑うのは無理です(笑。

さて。
「高尾」のオチ、「かんこ臭いのお宅かえ?」。帰り道に知人が「わからん。なんでや?」。場内、割れんばかりの拍手喝さいでしたが、お分かりの方はどれくらいいたでしょうかね。。。
「七段目」も仮名手本忠臣蔵を歌舞伎や文楽で見ていれば、何の抵抗もありませんが、そうでないと「なんでみんな笑ってはるんやろ?」となってしまいます。「古典」をやる難しさを感じました。

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COMMENT:
AUTHOR: ゆうぞう
DATE: 05/29/2007 03:00:55
帰国お疲れさまでした(日本語になっとらんか)。
近くにこのようなイベントが開催されているなんて
まったく知りませんでしたわ。
これから、いってみようかなと思ってます。
ちなみに、「まあ聞いてえなあ」香港オフ会を
画策していることを、部員に言うと
「そんな金どこにあるんですか」
「あほう。ダービーで稼ぐんじゃ」
結果は、推してしるべしで
来年以降ということで。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 05/29/2007 03:47:13
大変に充実した帰国でしたよ。
もちろん、仕事もきちんとこなし、船場新町界隈で明け方まで飲んだり…。
「田辺寄席」、ぜひ行ってください。
文太師匠(昔は当然ながら『文太にーちゃん』でしたが、いまや重鎮の一人ですよ!)はじめ、世話人さんらの落語への情熱、田辺への愛情がひしひしと伝わる空気がなんとも言えませんよ。
それじゃ今度は菊花賞くらいで当てて実現させてください、「まあ聞いてえなあ」香港オフ会!


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