【睇戲】大阪アジアン映画祭(短編3編)

大阪アジアン映画祭も3日目。土曜と日曜に一気見したいところだが、どうも巡り合わせが悪く、「これ観たい!」と心が傾くような長編がない。この映画祭は、基本的に香港ものや台湾ものは、中盤以降に集中する傾向があるように思う。せっかくの日曜だが、短編プログラムを一つ観るだけにとどまった。きっと心が傾かなかった作品も、観たら「これ、すごいな!」、「おお!めっちゃおもろいな!」と思える作品ぞろいなんだろうけど…。

てなことで、この日は朝一番の短編プログラム、10時20分上映開始。寝坊せずに行きましたよ(笑)。

「睇戲」と書いて「たいへい」。広東語で、映画を見ること。

インディ・フォーラム部門
Before Anyone Else <日本プレミア上映>

英題『Before Anyone Else』
公開年 2023年 製作地 米国・日本 言語:英語
評価:★★★(★5つで満点 ☆は0.5点)

監督:真利子哲也

出演:Akiyo KOMATSU(アキヨ・コマツ)、Chloe SKOCZEN(クロエ・スコツェン)、Kenzo YEUNG(ケンゾー・ヤン)

「ヤバっ!」て雰囲気ムンムンの作品。衝撃のラストシーンは特にヤバい!と言うか、怖い。「子供は嫌いなの」って言う彼女が、子供をぎゅっと抱きしめてパニックに陥ってしまう、あの迫真の演技も凄まじい。主演のAkiyo KOMATSUはとても雰囲気のある俳優で、魅力的。舞台はシカゴなのかな?行ったことないけど(笑)。監督の真利子哲也って『宮本から君へ』の監督だけど、へー、こういうの撮るんや、と認識も新たに。シカゴ国際映画祭出品作。

《作品概要》

『ディストラクション・ベイビーズ』『宮本から君へ』の真利子哲也最新作。仲間で強盗を働くジミーと恋人レックス。目についた車に侵入すると、後部座席で小さな少年を発見する。ジミーは少年を連れていくことに…。<引用:第19回大阪アジアン映画祭公式サイト

Special Focus on Hong Kong 2024
人生一 邦題:雲と人生

港題『人生一雲』 英題『Life of Cloud』
邦題『雲と人生』
公開年 2023年 製作地 香港
言語:広東語
評価:★★★☆(★5つで満点 ☆は0.5点)

導演(監督):陳惠沂(ワイリー・チャン)

主演(出演):朱栢康(ジュー・パクホン)、岑珈其(カーキ・サム)、余安安(キャンディス・ユー)、黎玉清(ライ・ヨッチン)

杜琪峯(ジョニー・トー)が発起人で創設された鮮浪潮(Fresh Wave)國際短片節(国際短編映画祭)上映作。監督の陳惠沂(ワイリー・チャン)って見覚えある名前やな、と思ってたら、「2021香港インディペンデント映画祭 in 大阪」で上映された短編『檸檬,牛奶(邦:レモン、牛乳)』の監督。そして小生推しの岑珈其(カーキ・サム)が出演。人工の雲を作るという実験に生涯をかけた男、張德鴻。実験に夢中になっている時に急死。天国が地獄かという岐路で見た、親しかった人たちの心の内…。結局、自分を一番理解してくれているのは…。というストーリーは短編だからできる説得力があった。結局、そういうことなのよ、わかるわ、ホンマ…。

《作品概要》

人工の雲を作ることに夢中になってしまった男が夢の中で急死し、目を覚ますとあの世行きの飛行機に。雲作りに意義があったと判定されれば、天国に行けるという。彼は自分をよく知る5人を判定員に選んだのだが…。<引用:第19回大阪アジアン映画祭公式サイト

特別注視部門
동행 邦題:同行 <海外プレミア上映> 

韓題『동행』 英題『Accompany』
邦題『同行』
公開年 2023年 製作地 韓国 言語:韓国語
評価:★★★★(★5つで満点 ☆は0.5点)

출연진(監督):음문석(ウム・ムンソク)

제작진(出演):황치열(ファン・チヨル)、이승윤(イ・スンユン)、길해연(キル・ヘヨン)

これは面白かったな。上映時間32分だが、長編1本観たくらい充実した時間を過ごせた。ストリートミュージシャンの男主人公がえらいこなれた味のある演技やなと思ってたが、演技は初めてだというから意外。なんと人気歌手だったのね(笑)。そう言や歌も歌ってた(笑)。一見チャラい彼だが、心に闇も抱えている。女主人公は逆に全身から闇というか陰の気を発散している。袖すり合うも何とやらで、まさに「同行」の数日間。そのまま人生も同行するのかと思いきや、再びそれぞれの人生へ、というエンディングがジンと胸に沁みた。プチョン国際ファンタスティック映画祭上映作。

《作品概要》

疎遠だった父親が亡くなったと聞き、地元へ帰るスヨンは、携帯をタクシーに忘れてしまう。通りすがりの路上ミュージシャンの男性サンスが携帯を貸してくれ、その後も彼はスヨンの後を「保護者」のようについてくる…。<引用:第19回大阪アジアン映画祭公式サイト

(令和6年3月3日 大阪中之島美術館1Fホール)

色々出ていて、どれがいいのかわらんけど、これでも聴いてみるかな…。

 


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