【香港!HONG KONG!2017 リ】山頂

「いつまで続くねん!」とのお叱りや呆れ果ての声にもめげず、まだまだ続く香港里帰り紀行。気長にお付き合いのほどを。

ビクトリアピークの魅力

香港島には、多くの日本人は超高層ビルが林立したイメージをお持ちだと思うが、最初の方で紹介した、小生が暮らしていた香港仔(Aberdeen)などの島の南側は、南シナ海を望む風光明媚なエリアで、ごくわずかながら水上生活者もまだ存在するという、ビルの林立する北側とはまったく違う顔を見せている。ある意味、これが香港の醍醐味と言えるかもしれない。

その高層ビルがひしめく香港島北側も、実は大自然の宝庫だったりする。よく御存じのビクトリアピーク、香港人は単に「山頂」と呼ぶが、このあたりが原生林生い茂り、貴重な動植物の宝庫というのは、以前にも拙ブログでご紹介したとおりである。

山の上から眺める絶景は、昼も夜も「たまに見ると素晴らしい」が、「いつ見ても飽きない」のが、こうした山頂付近の自然である。

山頂ヘはケーブルカーよりもバスがおすすめ

午前中、新界方面をぶらついて、遅めの昼飯を灣仔(Wanchai)で済ませてから、中環(Central)へ向かい、山頂行きの路線バスに乗り込む。ケーブルカーで急勾配を「おおお~!」って感動しながら登るのが世の常だったが、大陸旅団をはじめ海外からの観光客が殺到する昨今は、待ち時間だけで疲れてしまうので、路線バスで登るのだが、どうやらこの手も考え直さねばならいようだ。座れないのはまだしも、始発停留所から終点の山頂まですし詰め状態が解かれることはなく、実に奇妙な体勢で立ちっぱなし、ほとんど阿鼻叫喚の車内であった。

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山頂に着いたのは午後3時半ころだったか。島の南側をみればこの景色。南シナ海が陽光に照らされいい色具合。手前は薄扶林水塘(Pok Fu Lam Reservoir)=ポクフーラム・ダム。在住中の散歩コースのひとつだった(2月13日 iPhone 6S Plusで。画像補正あり)
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山頂の展望施設「ピークタワー」。昔はこの半分もない規模だったが、それでも十分観光客をまかなえていた。なんかもう、今はクレイジーやね(2月13日 SONY α58, f/8, 1/640 sec, ISO-400, 18mm 画像補正あり)

展望台では味わえない盧吉道の楽しみ

さて、人でごった返す展望台には行かず、西側へと遊歩道に入って行く。この道、盧吉道(LUGARD ROAD)といい、正真正銘の山頂を取り囲むように続く。多分、植民地化当初に英国人が「なんぞ暇つぶしでも」と、トレッキングを考え付き、道をつけたのだと思う。そんな背景もあってか、香港はあちらこちらトレッキングコースが充実しており、現代人にとっても、暇つぶしにはちょうどいい。

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2月13日(SONY α58, f/4.5, 1/15 sec, ISO-400, 28mm 画像補正あり)
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2月13日(SONY α58, f/4, 1/60 sec, ISO-400, 18mm 画像補正あり)

ほどなく、ご覧のような絶景が広がるから、たまらない。

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2月13日(SONY α58, f/8, 1/250 sec, ISO-400, 18mm 画像補正あり)
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2月13日(SONY α58, f/9, 1/250 sec, ISO-400, 30mm 画像補正あり)

億ション群を見下ろし、天下盗りを味わう

あの超高層ビル群を、こんな足元に見ることができるのが山頂の、盧吉道(LUGARD ROAD)の楽しみなのである。ちょっとばかり「天下盗ったでぇっ!」って気分を味わえるのだ。この気分を味わうのが嫌だって人は、まずいないと思うが…。

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2月13日(SONY α58, f/7, 1/160 sec, ISO-400, 28mm 画像補正あり)

「億ション」どころの話ではない、超高級住宅街の「ミッドレベル」すなわち、ピークの中腹のアパート群も足元にすることができる。かなり以前、このあたりに住まう日本人家庭にお邪魔したことがあって、「海景、山景」どれをとっても申し分なし、家賃は多分、日本円で数百万円ってお宅。こんなおうちに小生が行っていいものかと躊躇してしまうような豪宅だったわけだが、さすがバブル時代。会社持ちでこういうところに住めた時代だったのだ、駐在員は。小生ら現地採用組は旧式ビルの屋上の不法建築掘立小屋に住んでる奴もいたっていうのにね(笑)。

そこの奥さん曰く「いや~、最初はいいな~、最高やな~、もう帰りたくない~って思てたんですけど、2月、3月の湿気地獄には参りました。ずーーーーっと霧に包まれたまんまで景色どころの話やないし、写真はひっついてまうわ、本はひん曲がってまうわ、洗濯もんは全然乾けへんし、往生しまっせぇ~」と。

トレッキングコースのあちこちに、日本語表示もある案内板が設置されていて、親切である。そこには霧や雨雲の発生システムの説明もあり、件のミッドレベルの湿気地獄も理解できる。だからね、人間というものは身の丈に合った「標高」に住むべきなんですよ(笑)。ロクなことないから、身の丈以上の「標高」に住むと。特に香港は(笑)。

摩天楼の背後を覆う原生林

2月13日(iPhone 6S Plusで。画像補正あり)
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2月13日(SONY α58, f/3.5, 1/25 sec, ISO-400, 18mm 画像補正あり)

超高層ビル群の背後に迫る原生林。これが香港島の実におもしろいところ。九龍半島にも高い山や原生林はあるけども、超高層ビルと近接しているわけではないので、会社から帰宅後に手軽に山歩きというわけにもいかない。夕方になると、この道には一仕事終えた人たちがウォーキングやジョギングを楽しんでいる姿を多く見かける。みんな、なんでそんな余裕のよっちゃんやねん? って思う。小生など、15年間在住のうち14年間ほど会社勤めして、20時以前に帰宅したことなんて数えるほどしかなかったって言うのに。俺が単に要領が悪かったのか…。

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盧吉道(LUGARD ROAD)が北側に一番突き出ている場所から西の方を望む。決してPM2.5じゃありません。西日に照らされているのです(笑)(2月13日 SONY α58, f/9, 1/640 sec, ISO-400, 45mm 画像補正あり)
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香港島の南側の景色が開けたころ、ちょうどいい感じに黄昏てきた。ラマ島の発電所の三本煙突も見える(2月13日 SONY α58, f/6, 1/125 sec, ISO-400, 40mm 画像補正あり)

1時間ほど歩けば、また元のピークタワーのところに戻ってくる。最近は、大陸から旅行目的で香港へ来て、そのまま姿をくらましたと思ったら、山賊やってたってなあちらの国の方が多いらしいけど、ここは人の往来も多いので山賊の心配はまずないだろう。

100万ドルの夜景の時間到来

黄昏てゆく時間を、ゆったりとコーヒー飲みながら過ごしてから、ビクトリアハーバーの様子を見に、夜景スポットへ出向いてみれば、俗に言う「100万ドルの夜景」が…。

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2月13日(SONY α58, f/6, 1/5 sec, ISO-3200, 45mm 画像補正、切り抜きあり)
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2月13日(SONY α58, f/6, 1/8 sec, ISO-3200, 50mm 画像補正あり)

ピンボケなのは、素人写真故ご容赦を。若いころは三脚持って香港中どこでも移動してたけど、最近は横着かますことしか考えてないから、こういう出来になってしまう(笑)。

それにしても、昼間はややガスっぽかったけど、夜になって一気に晴れあがってきたようで夜景が異常なまでに美しい。こうはしておれない。さっさと下山して次の撮影ポイントに急がねばと、バス乗り場に行ってみたら、長蛇の列に愕然。結局、バスに乗れたのは並び始めて約1時間後だった。バス下車後は、スターフェリー乗り場までの道のりを、小便ちびるのを寸止めしながら小走りで、かつ振動を与えないように、忍者のような足取りで行く小生であった(笑)。



 


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