【こうせつと歌おう!】~ありがとう!渋谷公会堂~

こうせつと歌おう!
ありがとう! 渋谷公会堂

久々の東京は、いつからこんな言い方になったのか知らないが、「シルバーウィーク」とやらの最終盤の9月22日、23日の二日間。最大の目的は、建替えに伴い10月4日をもって一時閉館する「渋谷公会堂」、通称「渋公」との別れを告げる、南こうせつのコンサート参戦のため。そっか、去年、万博公園で開かれた「サマーピクニック Love & Peace」からほぼ1年か、早いなあ…。

けっこう多くの人に言われた。
「え、東京行くんですか? あ、それはこうせつですか?」
って。

別に、小生が東京で用事があるのって、こうせつのライブだけに限ったことではないし、こうせつのライブなら、大阪でも堺でも京都でも名古屋でも行ってるわけで…。でもあれか、確かに、香港撤退以来、東京へはそれ以外の用事で行ってないか(笑)。なら、そう思われても仕方ない。

今回、かなり直前まで行くか行こまいか迷ったけど、そこはもう「こうせつだし!」「渋公だし!」ってことで、気づいた時には、ANAのサイトで座席の事前指定完了していた(笑)。こりゃもう、「性(さが)」やね(笑)。

IMG_2207.JPGwp別に、これに搭乗したわけではないが、自分の搭乗機と同じ絵柄のが横に泊まってたから。ちなみに、国内移動は大阪から飛行機行ってる場所なら、99%飛行機で。マイルを貯めたいというのが一番だけど、腰痛持ちだから、できるだけ座ってる時間を少なくしたい。「元・鉄おた」だから鉄道の旅をしたいのは山々やけどねぇ…。

渋谷公会堂は、先の東京オリンピックに合わせてオープンし、重量挙げの会場として使用された。男子フェザー級で三宅義信が金メダルを獲得したのが、ここ。以降は現在のようにコンサート、古典芸能、商業演劇などなど幅広い用途でフル回転の日々が続いたが、間近にNHKホールがオープン、さらには多くのホールが都内各地にオープンしたため、稼働率が落ちてゆく。

渋谷区では、2006年10月1日から5年間契約で新たな収入源確保などを目的に、同区初の試みとして命名権を導入した。「ネーミングライツ」ってやつ。
年額8,000万円で権利を取得した電通が、サントリーに権利を転売し、同社の「C.C.Lemon」の商品名を命名。2006年10月1日から5年間契約で「渋谷C.C.Lemonホール」として運営される。その期間に一度行ったけど、黄色いレモンの看板が印象的。そして古色蒼然としたこの建物にはかなり不釣り合いだったのを思い出す。

満了の5年後には継続の話もなく、その後の売却先も決まらないまま、今に至っている。そして、老朽化による今回の建て替え。新規開業は、次の東京五輪の年。重量挙げの会場になるかどうかはわからないけど、何かに使われればいいなと思う。

渋公とのお別れに様々な「さよなら公演」が開催されている。今月だけでも、主要なところでは、MONGOL 800、仲井戸麗市、LOUDNESS、木村カエラ、市川海老蔵(歌舞伎公演)、前川清&クール・ファイブ、JUN SKY WALKER(S)、渋谷区民音楽祭、南こうせつ、きたやまおさむ、岡村孝子、赤西仁、氷川きよし、怒髪天など、幅広いジャンルの公演が開催され、いよいよ10月1日の高中正義、2日~4日の沢田研二の3Daysで一時閉館となる。

大阪市民の小生にとって渋公は遠い存在ではあったけど、その響きは大阪で言えば、「フェス(フェスティバルホール)」とか「厚生年金会館(現・オリックス劇場)」とか「サンケイホール(現・サンケイホールブリーゼ)」並みか、時にはそれ以上の「値打ち」を感じたもんだわな…。特別な存在。
それは多分ねぇ、こうせつって、この「渋公」で「重大発表」的なことをやるのが多かったような気がするからかな…。いくら会場が大きくても、決してフェスで「重大発表」、ないわな。

今回、渋公へのお別れはもちろん、渋公とお別れするこうせつと同じひとときを共有したくて、飛んで行った。さっきも言ったけど、ぎりぎりまで逡巡していたから、お席は二階の後ろから二列目やった。でもええわ。それで十分よ。

開場前、写真に収める人多し。そりゃそうよ。多くの人が今日でお別れなんやから。
それにしても、ああなるほど。昭和30年代って感じの建築デザイン。入場ホールの手狭さは地方の会館並みかそれ以下。階段も狭く、薄暗く。小生より1歳若くてもこれやし、って苦笑してしまう。でもいいなあ、この「渋谷公会堂」って5文字が、「俺が、俺が」の主張をしていない慎ましやかなのが。レモンが自己主張してるより、ずっといい。

開演前に既にぎっしり満員。恒例の大こうせつコールに続き、『遙かなる想い』を歌う一団あって、ああ、なんかいいなぁ、こうせつのコンサートは。にしても、みんな声が若いね、こうせつと一緒のときだけは(笑)。

「多分、そう来るだろうな」と思っていたオープニング曲はやっぱりそうで、渋谷が歌詞にあるあの歌。この曲から始まって、ラストの『お前が大きくなった時』まで歌とおしゃべりを続けるこうせつ。あんな年(失礼!!)まであれだけの声で、歌い続けてくれているのが、うれしくもあり、ありがたくもあり…。本当にねぇ、他の同年代の歌手と違って、病気もけがもなく(あったのかもしれないが)ステージを休むことなくねぇ。

終盤、『あの人の手紙』の後に、国について平和について講釈あったけど、ああいうのはやっぱり、千春に任せましょう(笑)。奴なら、一曲も歌わずにそればっかり語るでしょうから(笑)。その次が『お前が大きくなった時』。前のめりになって聴いていた。もちろん周囲に迷惑にならない程度に歌いながら。そして周囲に気づかれないように涙しながら…。弟のまだ見ぬ初孫のことを思いながら…(なにせ家族から一線引かれてますから、会わせてもらってませんww)。

アンコールは、『妹』、『満天の星』ときて、『元気でね』。気が付けばたっぷり3時間超え。これで渋公とは、しばしのお別れ。

次にここでこうせつがライブを開くのは、紛れもなく2020年東京五輪以降のこと。恐らく、今回「渋公ラスト」にお声がかかったのと同じく、「New渋公オープニング」にもこうせつにはお声がかかるだろう。こうせつは、そのときも相変わらず全国をツアーしていると思う。俺も元気で生きてりゃいいなと思う。そしてマイル貯めて「特典」で往復出来てりゃ、なおいいな(笑)。

部屋のあかり消しながら、また会うその日まで…

(平成27年9月22日 渋谷公会堂)


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