タイトルの「走る電車は緑の電車」は、かつて南海電鉄のCMソングとして使用され、今なお沿線住民に愛されている(はず)の『南海電車の歌』の一節。そう、南海電車、とりわけ南海本線の電車は緑色でなくてはならないのだ。
1988年、南海ホークスの球団譲渡以降、南海はグループ全体として緑色からの完全なる脱却を図った時期があった。来るべき関西空港の開港、関空利用客の輸送手段として、新機軸を打ち出したいというのは、まあ当然の成り行きだったわけだが、どこかに緑を残してもらいたかったけど、従来とは全く違うコーポレートカラーになってしまい、冒頭の「走る電車は緑の電車」も、緑の時代を知らない人には「なんのこっちゃ?」というものなってしまったのは、残念至極であった。
このたび、民営鉄道会社最古の南海電鉄では、創業130年を記念して、10000系「特急サザン」と、いよいよ完全引退する7000系を、6月13日から従来の「緑の電車」塗装で走らせる。7000系が完全撤退する9月までは、和歌山市方4両を10000系「サザン」指定席車、難波方4両を7000系による「サザン」普通車として運行。このニュースに、「鉄おた」のみならず、緑の電車を愛する沿線住民も狂喜したのは言うまでもない。
「鉄おた」はすでに10代の頃に引退している小生だが、そこは「野球は南海、電車も南海」な奴だから、久々に「鉄心」が燃え盛り、なんと記念運行初日の一番電車を目指して、南海難波駅へ。
この日は上手い具合に、和歌山の県営紀三井寺球場でバファローズvsホークスの二軍戦が開催される。これがまたちょうどいい頃合いの開始時間。「どうぞ乗ってください」と言わんばかりの設定に、ホークスファンであり鉄おたでありという3人で、わーわーと言いながら乗り込んだのであった。
入線と出発が待ち遠しいね~。すでにホームにはカメラ小僧がいっぱい。南海ホークスの帽子やユニフォーム姿の人もチラホラ。ちなみに小生も南海ホークス帽子(笑)。バカですね~(笑)。
9時45分発サザン指定車で、一路、和歌山市駅を目指す。沿線各駅はもちろん、郊外のあぜ道や泉州の玉葱畑にも三脚を構えたカメラ小僧多数。さらには、民家の物干し台やベランダで、ごく普通の主婦が携帯で緑の雄姿を写真に収めようと待ち構えている光景も。ほんと皆さん、緑の電車がお好きです(笑)。
このあと、和歌山市駅でJR紀勢線(国社連絡線)でJR和歌山駅に向かい、御坊行きに乗り換えて、紀三井寺球場最寄駅(と我々が勝手に想定した)黒江駅まで。
さて、南海電鉄では、このたびの「復刻」に合わせて、様々な記念グッズを発売中。詳しくは南海電鉄HPを。うかうかしてたら売り切れちゃうよ~。と言いながら、買う買わないは思案中。ま、目につけばということで(笑)。
(平成27年6月13日 難波~和歌山市)
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。