【SARS10年を回顧-7】*旧ブログ

いや~、疲れましたね。
日本VS台湾のWBC、さっき終わりましたよ。
心情としては、台湾を応援してましたョ、実は。まあ、アタシの最近の顔本は「台湾加油!」に染まってます(笑)。
香港在住中は、台湾にどれほど癒され救われたことか…。
それを思うとねぇ…。

そんな具合で、ちょっと放心状態ですが、今回も2003年のSARS禍を回顧します。

この時期には、香港が世界中のラグビーファンでにぎわう「香港セブンス」が開催されます。この年も「屋外での感染の危険性は極めて低い」との判断で開催はされましたが、ちょいと様子が違っていました。

まあ、外人さんは洒落てるというか、洒落がきついというか…ww

【3月29日】
■衛生署・陳馮富珍(マーガレット・チャン)署長は、淘大花園でのSARS蔓延が非常に速いことを認め、市民を不安にさせることを理解し、衛生署では28日夜から職員を派遣して、各世帯を訪問調査していると発表。

■29日午後より、香港に入る全ての通関場所で健康問診票の記入を義務付け。

■教統局・羅范椒芬常任秘書長は、今後のSARS蔓延状況にあわせ、場合によっては全学校の休校期間を延長するかもしれないと語った。

■ウェールズ病院の入院患者で完治した9名が、初めて自ら記者会見。9名は医師、看護士、医科学生。全員、初めて病室から出る。

■衛生署・陳馮富珍署長は、空気感染の可能性を排除して考えてきたわけではないが、現段階の資料では、非典型肺炎は「主に」飛沫による伝染だと強調

■社会福利署は、観塘(Kwun Tong)家庭服務センターの職員1名がSARSに感染したと発表。

■医管局・梁智鴻主席はラジオ番組に出演し、「今後数日はSARSの感染者数が上昇し続けるだろう」と語った。また、病院の救急センターも負担が大きくなるとコメント。

■衛生署は、2月21、22日にメトロポールホテルに出入りした人、または、3月1日以降にウェールズ病院に出入りした人は、衛生署ホットラインまで至急連絡をと呼びかけ。また31日より「檢疫及防疫條例」に基づき、SARS患者と接触した人は必ず10日間、指定の診療所へ出頭し、検査を受けなければならない。

■上海商業銀行スポークスマンは、太古城(Taikoo)・太裕路支店の職員1名が、SARS感染の疑いがあるとのことで、店舗の消毒を発表。この職員は淘大花園居住者。3月25日に体調を崩し休み、27日に会社に対して、SARSに感染したかもしれないと報告。その他の職員も身体検査をし、7日間休みになる。他の支店から職員を派遣し、同支店は営業を続ける。

■康楽及文化事務署スポークスマンは、九龍湾(Kowloon Bay)体育館の事務員が1名SARS感染したと発表。九龍湾体育館は既に閉鎖、本日午後と明日にかけて消毒作業。

■香港中央図書館の図書館員が新たに1人、SARS感染。香港中央図書館は通常営業を続ける。

■政府はSARS流行に鑑み、家庭で雇っているアマ(メイド)について、休日も出来るだけ人出の多い所へは行かないように、また出来れば雇い主はアマを自宅に留まらせるよう計らって欲しい、と呼びかけ。

■政府は、29日午後1時時点でのSARS感染者数を発表。新たに45名の感染者を確認。うち22名が淘大花園の住民、3名が医療関係者。ここまでの感染者数は、合計470名。うち43名は既に退院、12名死亡、18名が退院。退院者は計43名。現時点で53名がICUにて治療中。

■衛生署・曽浩輝社会医学顧問医師は、淘大花園のSARS感染者は今日新たに22名確認、合計85名に達したと発表。同医師は、淘大花園での感染者の約7割、つまり50数名がブロックEの住民で、しかも殆どが7号室か8号室に住んでいることに注目。不思議な現象であるため、衛生署はこの事態を重視し、現場で調査を開始。患者が団体活動に参加したかどうかや、空気の質や水質を調べる。衛生署は淘大花園に医療ステーションを臨時設置し、住民への情報を提供するとともに、昨日は20名の職員がブロックEの住民百名以上を検査。ほとんど健康で、患者は既に入院しているため、隔離の必要はないという。

【3月30日】
■淘大花園で30日午前4時ごろ、新たに5名(女性4名男性1名/2家庭)がSARSの疑いで聯合病院へ。救急隊は保護衣を着用。

■香港政府は今日から全面的に政府建築物や公共施設を消毒清掃。また、アマ(メイド)達に、日曜日の休みにはできるだけ人の多い場所へ行かないようにと呼びかけている。中環(Central)の遮打花園(Charter Garden)に集まる休日のアマ達も、多くがマスクを着用。常連さんによれば、今日はフィリピン人アマの集まりが少ないとのこと。また友人のメイドの中には、雇用主が「うつるといけないから出かけないで家にいなさい」と言われたという者も。あるアマは、「そうは言っても、家にいたってうつるかもしれないでしょう」。

■淘大花園で85人がSARSに感染した後、ブロックEの住民が朝から続々と引越し。親戚や友人の家などに避難。彼らはみな手袋、マスクをしており、ここ数日は家から出なかったという。マンション内の感染が広がり、収拾がつかなくなることを心配している。またある付近の住民は、同僚が淘大花園のブロックEに住んでおり感染したため、自分も明日から衛生署指定の診療所に行かなければならず、また、雇用主が身体検査を強制したので、他者から差別の冷たい視線を感じているという。

■衛生署は、3月26日にドラゴン航空KA901便で北京から香港へ戻った香港人男性が1名、SARSに感染したことを確認。この男性は北京に滞在中に病状が出ていたという。衛生署では、この便に乗った人は大至急ホットラインまで連絡をと呼びかけ。

WHOはSARSの源流を中国・広東省の仏山市と河源市だと判定したが、河源市人民病院で、この肺炎を診てきた謝金魁教授は、このWHO見解に真っ向から反論。河源で発見された症例は、実は深圳市から来たものだという。このSARS患者は、まず先に深圳の福田病院に02年12月15日に入院し、その後に河源市へ移転されてきたという。謝教授は更に、この「世界初」のSARS患者は深圳の調理師で、「野味」=野ウサギや狸など山の幸との接触が多い仕事であり、ウイルスと野生動物の関係が鍵をもつのではないかとしている。

■医管局・梁智鴻主席は、淘大花園におけるSARSの感染源はまだ見つかっていないと語った。

■衛生署と民政事務総署主催で、淘大花園付近のコミュニティセンターで肺炎予防講座を開くも、住民の参加はほとんどなく、1回目の講座には5名のみ。記者の方が多い。一方で、ある政党が開催した健康講座には、約200名が参加。衛生署看護婦婦長を招いて肺炎の予防などを講義。一部の住民は、ビル管理事務所に不満。清掃、空調などの措置に激怒した。

衛生署は本日、午後1時時点のSARS感染者入院数を発表。
新たに60名がSARS感染と診断された。そのうち36名が淘大花園の住民で医療関係者が6名。香港のSARS感染者数は総計530名うち淘大花園住民の感染者は121名(全体の22.8%)。このほか、新界東地区病院網総責任者の馮康・ウェールズ病院長が退院。SARSに感染してはいなかった。本日の退院者は17名、死者は1名(74歳の女性)。

■各宗教団体が、SARS平癒を願う加持祈祷大会を香港各地域で開催。キリスト教関係団体は宗派を越え「信じよ、そして恐れるな」と、市民に呼びかけた。

■30日朝、約40のタクシー組合団体と100名以上のタクシードライバーが西九龍埋立地で『全港清潔的士車廂大行動(全香港クリーンタクシー運動)』を挙行。市民としてSARS蔓延の危機に立ち向かおうというもの。

住民流出がとどまらない「淘大花園」のショッピングモール いつもは、人でいっぱいなんですけどね… 新聞でこの写真見て「ありゃ~~」 って思いましたね
いつもは5万を超す大観衆で埋まる沙田競馬場も閑散

【3月31日】
■衛生署・陳馮富珍(マーガレット・チャン)署長は淘大花園のブロックEを封鎖する指令を発した。今朝6時より10日間。期間中、衛生署より書面で許可されない限り、いかなる者も出入りは出来ない。住民は中に閉じ込められている。警察はビルの周囲に隔離ラインを設け、警備員が監視している。医療スタッフが住民の身体検査を行い、また福利当局は閉じ込められている住民のために無料の食事を提供する。

■淘大花園家主委員会は、ブロックE全部を隔離することに賛成。しかし措置が遅すぎたと考えている。過去数日、ブロックEの一部住民は他地域にすでに引越しているため、他地域に病気を持ち込まれないように、衛生署は追跡するべきだと主張。ブロックEには現在264世帯が入っているとみられる。

■衛生福利及食物局・楊永強局長は、マーガレット病院には500名ものSARS患者を収容できるのだと誇らしげに語る。大規模であるが、当局は必要に応じて患者を他の病院に転院させることも考慮中だ、と発表。同局長はまた、肺炎の症状が出ている人は、飛行機内でウイルスが蔓延するのを防ぐため、旅行をしないで欲しいと呼びかけた。

■3月27日に董建華行政長官の発表したSARS対策の一つとして、SARS患者と密接な接触をした人は、衛生署指定の4つの診療所に今日から4月9日までの10日間、毎日赴いて検査を受けることになる。

■淘大花園住民のSARS感染、または感染の疑いがある人の数は213名に。楊永強・衛生福利及食物局長は、当局はすでに同マンションの感染源を「ブロックEの7号室」と確認したと発表(注:何階かは記述なし)。同氏は、空気感染の可能性も払拭できないとコメントした。

■3月26日にドラゴン航空KA901便(北京→香港)に乗った客がSARSに感染していることが確認された件で、ドラゴン航空は午前、当日この便に搭乗した乗客のうち、105名がその後、台湾に入っていることを確認。これを台湾当局に伝えるとともに、ドラゴン航空自らもこの105名に連絡を取り、健康状態を確認する追跡作業を行う。同社の記録では、この便には223名の乗客と15名の乗務員がいた。

■淘大花園の隔離ラインは建物から数千フィートの距離で、鉄柵をもうけてブロックEを包囲している。社会福利署と衛生署の数10名の職員は頭まで包む保護服を着用して出入り。

■衛生福利及食物局・楊永強局長は、ウェールズ病院に見舞いに行ったある人物が、淘大花園のブロックEの親戚宅へ何度も行ったことで、同マンションにウイルスが蔓延したのだという見解を示した。また、封鎖令が出る前にブロックEから引っ越した156世帯に対し、至急衛生署まで連絡するように呼びかけ。

■カナダ・トロントでSARS患者が死亡。これまでで死者計4名。オンタリオ州ではSARS症例が39件。当局では老人ホームや監獄への面会訪問を制限。他の州への蔓延の可能性もあり、ニューファンドランド州では中国渡航歴のある教師にSARS感染の疑いあり。

もう香港政府も、滅茶苦茶ですわ…。
集団感染のアモイガーデンですが、ここにきてようやく「全面封鎖」ですわ。
「隔離の必要はない」って言うてた翌日にですョ~、もう、何が何だか…。
この時点で、この団地だけで213人が発症、感染拡大恐れて引っ越したりした世帯は156世帯ですよ。
遅すぎますわ~、いくらなんでも対応が…。
こんな状態ですから、「いつ、どこで、だれから」うつされるのかわからない状況になってしまいました。そりゃ、競馬場に人も来ませんよ。
政府がこんな具合だから、加持や祈祷にすがるしかない、その気持ちも充分に理解できました。

ハチャメチャな政府に振り回されながら、事態はさらに悪化してゆき、4月が始まるのです…。


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