【今年読んだ本】披露するほどではないですが。 *旧ブログ

年末恒例になってしまっております、「今年読んだ本」。
そういえば、昨年のこのテーマでのアップに「来年は最低35冊読むぞ~!」なんて大それた宣言してしまったのですが、誰も覚えてないだろうからスルーすればよいものを、妙なところで律義な小生は、それが本屋へ行くたびに気になっておりまして…。
さて、どうなりましたか。

『こいしり』 畠中恵
文春文庫 580円
『吉朝庵: 桂吉朝夢ばなし』 上田康介 (著), 小佐田定雄 (監修)
淡交社 2,625円
『ウツボカズラの家』 乃南アサ
双葉文庫 750円
『中国のマスゴミ ジャーナリズムの挫折と目覚め』 福島香織
扶桑社新書 798円
『つくもがみ貸します』 畠中恵
角川文庫 580円
『夫婦茶碗』 町田康
新潮文庫 452円
『一の糸』 有吉佐和子
新潮文庫 780円
『河内源氏 – 頼朝を生んだ武士本流』 元木泰雄
中公新書 840円
『巡礼』 橋本治
新潮文庫 515円
『夕陽ヵ丘三号館』 有吉佐和子
文春文庫 630円
『六白金星・可能性の文学 他十一篇』 織田作之助
岩波文庫 840円
『随筆 上方落語の四天王―松鶴・米朝・文枝・春団治』 戸田学
岩波書店 2,525円
『午後の曳航』 三島由紀夫
新潮文庫 380円
『神様、仏様、稲尾様―私の履歴書』 稲尾和久
日経ビジネス人文庫 730円
『べけんや』 柳家小満ん
河出文庫 788円
『仏果を得ず』 三浦しをん
双葉文庫 630円
『告白』 湊かなえ
双葉文庫 650円
『赤頭巾ちゃん気をつけて』 庄司薫
新潮文庫 483円
『武士道エイティーン』 誉田哲也 
文春文庫 660円
『白鳥の歌なんか聞こえない』 庄司薫
新潮文庫 578円
『アコギなのかリッパなのか: 佐倉聖の事件簿』 畠中恵
新潮文庫 578円
くじら組』 山本一力
文春文庫 660円
『学問』 山田詠美
新潮文庫 662円
『つぶやき岩の秘密』 新田次郎
新潮文庫 515円
『大阪の神さん仏さん』 釈徹宗, 高島幸次
140B 1,575円
『さよなら怪傑黒頭巾』 庄司薫
新潮文庫 515円
『歳々年々、藝同じからず: 米朝よもやま噺』 桂米朝, 市川寿憲
朝日新聞出版 1,365円
『あるキング』 伊坂幸太郎
徳間文庫 620円
『~遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白~ 飛田で生きる』 杉坂圭介 
徳間書店 1,575円
『背徳のメス』 黒岩重吾
新潮文庫 540円
『ふがいない僕は空を見た』 窪美澄
新潮文庫 546円
『善人長屋』 西條奈加
新潮文庫 620円
『大阪アースダイバー』 中沢新一
講談社 1,995円
『ぼくの大好きな青髭』 庄司薫
新潮文庫 578円
イカロスの流星』 なかにし礼
角川文庫 820円
『美しい星』 三島由紀夫
新潮文庫 620円

36冊。どうやら昨年末の宣言はギリギリ達成したようです。
来年ですか? この分だと40冊はいけますかね…。まあ、変に宣言しないようにしておきます(笑)。

で、ここから面白かった本、ベスト3を選びますと。
『一の糸』
『つぶやき岩の秘密』
『さよなら怪傑黒頭巾』

の3作。
『一の糸』は、何某の市長の言動に、文楽が翻弄され始めたころに読みましたが、そういう背景が無かったとしても、ベスト3に入っていたのは間違いありません。全体が太棹三味線の響きのように、ズ~ンと肚に響き渡ります。
『つぶやき岩の秘密』は、少年少女向けであるとは言え、その日本語の美しさ正確さに惹かれます。登場人物の話す言葉にも乱暴な表現が無くて、読み心地がよい作品でした。
『さよなら怪傑黒頭巾』ですが、『赤頭巾ちゃん気をつけて』に始まるいわゆる「薫君4部作」の3作目にあたります。全4作それぞれに面白かったのですが、「黒」が一番テンポよく読めましたし、響くものがありました。
まあ、本なんてのはまさしく「天の配剤」でして、ここに並べた36冊は恐らく、出会うべくして出会った36冊なんでしょう。36冊それぞれが少なからず、小生の日常を彩ってくれたのは言うまでもありません。
来年、天はどんな本を「配剤」してくれるのでしょうか。楽しみにして、今年の拙ブログの最後とします。ではまた来年(まあ、明日になるだけの話ですけどねww)!

親愛的讀者各位、新年快樂!

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COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 12/31/2012 03:47:02
庄司薫の四部作かあ、懐かしいです♪高校生から大学にかけて熱中して読んだ記憶があります。どれも東京山の手の気分に満ちていてステキです。庄司薫氏はそのあと中村紘子さんと結婚されて作家は廃業されたんでしたっけ、もう四十年前の話なので忘れました。

また、三島由紀夫の『午後の曳航』は、彼の最高傑作ではないか、と密に考えています。これも高校時代に読んで強い印象を受けました。ゆえにその後まもなくの作家の自殺の仕方にも奇妙に納得したのを憶えています。
では来年もよろしくお願いいたします。よいお年を~!♪
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COMMENT:
AUTHOR: themilkyway373
DATE: 12/31/2012 13:23:41
えええっ・・・あの新田次郎さんの”つぶやき岩の秘密”再販されたのですか?
小学生の頃、図書館で借りて読んで、すっごく感動した作品です。そのあと、NHKの少年ドラマシリーズで放映されて、大好きな作品だったから感激したのを覚えています。テーマソングも記憶してます。
大人になってから、また読みたいと思い調べたら、その時はすでに廃版でした。でも、図書館の書庫には今も残っていることまでは分かったけれど、さすがにそれを借りに行く勇気がなくて(子ども用の本だしね)そのままになっていました。
さっそく購入したいです。素敵な情報をありがとうございました。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 12/31/2012 17:17:55
To 丸山光三さん
庄司薫の四部作は、今年、新装版として再び発行され、新装版用の著者による「あとがき」が加わっていました。「饒舌文体」が非常におしゃれですな。秋に映画版をCSで放映していましたが、活字ほどイケてませんでした。
そうです、中村紘子の旦那ですね。
『午後の曳航』は、ドキッとする結末でした。僕は、神戸の新興住宅地で起きた少年による殺人事件を想起しました。この犯人がこの作品に接していたかどうかは知り得ませんが…。
こちらこそ、来年もよろしくお願いします!よき新年をお迎えください!
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 12/31/2012 17:23:21
To themilkyway373さん
>えええっ・・・あの新田次郎さんの”つぶやき岩の秘密”再販されたのですか?
夏ごろに、新潮文庫で再版されましたので、すぐに飛びつきました。こういう本を、小中学生に読んでほしいと思いますね。
ぼくもNHKの少年ドラマシリーズが印象深いです。主題歌は石川セリで『遠い海の記憶』でしたね。
『つぶやき岩~」ほか、少年ドラマシリーズは、大人でも十分楽しめる質の高いドラマシリーズだったと思います。あのころは、テレビはおもしろかったですよね…。今はダメですよ、まったく。


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