【上方芸能な日々 落語】なにわ芸術祭*旧ブログ

「上方落語名人会」
5月24日 サンケイホールブリ―ゼ
47回目となった「なにわ芸術祭」。
中でも毎年のお楽しみは「上方落語名人会」
昨年から新装なったサンケイホールブリ―ゼに場所を戻して開催されています。

ブリ―ゼは今回が初体験。
昔のサンケイホールに比べて、なんか窮屈な感じ。
せせこましいというか…。
でも、舞台は見やすくなったかな…。
演じる側はどうなんでしょうか?

【ネタ帳】
1 犬の目    笑福亭風喬
2 試し酒    林家小染
3 八五郎坊主 笑福亭仁嬌
4 代書屋    桂春團治
中入り
5 初天神    露の都
6 妻の旅行  桂三枝

毎年、なにわ芸術祭新人賞受賞者が開口一番、というのが定例で、今年は風喬君。
松喬門下らしく、きちんとした落語ができる期待の若手。落ち着いてはったわぁ。

今回は、「この人初めて」という人がおらず、非常にリラックスして聴けました。
いやいや、初めての人聴くときって、なんか緊張するんですよね…。
きっと「粗さがししたろ」と思って構えるから?
ちゃうちゃう、そんなことないよ~。粗さがしなんかせえへんよ~。

さて、それにしても三代目師匠。
お年を取るごとに艶やかになってゆかれるということに、えも言えぬ幸福感。
出囃子『野崎』が鳴り出した時点で、その世界が始まりまして、三代目フリークの小生なんて、野崎に合わせて手拍子したいくらい(やったらあかんよ~)。

そしてトリの三枝師匠。
マクラから場内大爆笑の連続でございまして。
『妻の旅行』は三代目の『代書屋』同様、何度も聴いてます。
三代目の『代書屋』が寸分の狂いも生じない、完璧を極めた話であるならば、三枝師匠の『妻の旅行』はやる度に、あるいは客層、あるいは持ち時間など様々な条件に合わせ、ちょっと調味料の配合を変えながら、というやり方、ですかね。

また、三代目の取る笑いが「クフフフ…」「ニャハハ…」みたいな客の「”クク笑い”の重奏」が「どぉぉぉぉ」っという笑い声になるのに対し、三枝師匠の取る笑いは、マクラから「ドカーン」と沸かせる笑い、って感じ。
何回も聴いていると、こういうのを自分なりに比較したりしながら聴ける「余裕」が出てくるもんですな。
ちょっと「ベテラン」の客になったのか?
と錯覚したりしたような夜でした。


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