【成龍正論、蘋果発狂】*旧ブログ

スルーしようと思ってたんですが、
20日夜の「NHKニュース9」でも取り上げてたんで、一応。

海南島で開催されてた「ボアオ・フォーラム」に、中國電影家協會副主席の身分で出席していた成龍(ジャッキー・チェン)の発言が物議を醸しているんだという。
その「ニュース9」では
「代表的な新聞『明報』が有識者による批判を掲載」
と言う。
また『産経新聞』によれば
「香港紙は19日、一斉に「奴隷根性の持ち主」などとチェンさんを厳しく非難した」。
まず、『明報』だが、いまだ日本人の間では「香港一流のインテリ紙」と思われている向きがあるけど、小生はそれは1996年8月までのことで、以降は急激に民族主義に転向した「腐れインテリ紙」だと思ってます。
96年8月とは、わざわざ取材チームが尖閣海域に侵犯し、海上保安庁に蹴散らされたのを「釣魚台爆発!」なんて捏造記事をでっち上げた「事件」があったころ。
そんな『明報』のやりそうなことを「ニュース9」は伝えてますね「識者による批判を掲載」と。「社論」では非難せず「識者」に批判させるという、責任逃れのやり口ですな。ずるいです。

そして『産経』の「一斉批判」だが、『明報』の卑怯な手口はまだ、ジャッキーの「舌禍」を掲載するだけましな方で、完全無視を決め込んでいる新聞も多々。最大発行部数を自称する『東方日報』も無視してますよ。
で、唯一「激しく非難」しているのが、「民主派のオピニオンリーダー」を気取る『蘋果日報』。こちらは大々的に紙面を割いて、例により「地球最後の日」のような報道姿勢。ここまでくると、それはもはや「報道」ではなく、「発狂」であります。
極端な話、最大発行部数の『東方』の読者はジャッキーの一件を知らず、発行部数第2位の『蘋果』の読者は発狂報道に扇動される、という図式かな?
そしてこの『蘋果日報』の発狂報道につられるように、世界中を「ジャッキー妄言」が駆け巡るわけですが。
で、妄言の要点は
1)自由すぎると香港や台湾みたいに混乱しちゃう
2)だから中国人は管理されるべきだ
3)中国製のテレビは爆発するから、俺なら日本製を買うね

3)はおかしいね。ジャッキーって正直者なんだと思う。だから1)、2)の発言もそんな正直なところなんでしょう。
台湾人にすりゃ、香港と一緒にしてくれるなってとこでしょう。
香港人が享受している自由と台湾人が享受している自由は、なんか違うような気がします。
香港の自由って、見ていると危なっかしい。放置しておくと何をしでかすかわからないような危なっかしさ。「行過ぎた自由」とでも言うか…。なんか言い方難しいですがね。
それは自由って言うよりは、「わがままとかだだをこねる」とかそういうものであり、それを在住15年近くになりますが、職場から政治の場まで色々なシチュエーションで見せられると、ジャッキーの言う「管理」というのも理解できます。
「自由」と「勝手気まま」の区別がつかないとでも言いましょうか。まるでお子さんですな。
おそらく、「自由」の何たるかを教育されていない大陸においては、「管理」のもとでの「自由」というのは絶対必要でしょうね。

ところが台湾となると、話が違ってきます。
もちろん、半分はシナ人の社会ですから色んな奴もいるわけですが、それでも「自由」と「勝手気まま」の区別はついているように見えます。成熟した社会っていう印象。ああ、多少は小生の台湾贔屓も入ってますが(笑)。

だから、ジャッキー妄言による香港と台湾の「怒り」の色合いって、違うと思うんですよね。
それを一緒くたにして「香港や台湾での反発が強まっている」と伝えてしまうのは、『蘋果日報』の発狂報道と「差不多=大差ない」と思います。

ちなみに今日(20日)の『蘋果日報』は「ジャッキーに公開謝罪を求めるべし!」なんて1面トップでまたもや発狂してましたが、ジャッキーは今後どう出るんでしょうかね。
そういえば、99年の不倫相手の女優を妊娠させちゃったときの名言が思い起こされます…

「世の中のすべての男子が犯すような過ちだ!」

謝罪会見の暁には、ぜひ今回もこの名言で(笑)。
———————————————————————————————
COMMENT:
AUTHOR: アムゼルくん
DATE: 04/21/2009 06:34:38
発言自体は正論なんですが、背景はなんだ?というところでしょうか。
中共中央宣伝部の指導をうけるNHKまでとりあげたということですが・・・あっ、そうか
「だから」取り上げたんですね、やだやだ。つうことは権力闘争がらみなんでしょうかね・・・
民族主義にヒットするような正論を今なぜ吐くのか?謎は深まるばかりです・・・・
—–
COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 04/22/2009 00:55:26
To アムゼルくんさん
いや~、そこなんですよ。
結局、発言の上っ面だけが世界を駆け巡っているわけで。
香港メディアはそこまで追求できず、または気が回っていないか…。
間近に「六四20周年」もあり、「発言」には中共も気を遣うでしょうしね~。
意外と本人は「俺、そんな問題発言したっけ?」って思ってるかも。


コメントを残す