【ちかごろの香港】*旧ブログ

北鮮のミサイルに世間の目が集中していますが、香港もゴソゴソとささやかに活動していることを忘れられないように、との願いを込めて、近頃の香港・広東省の動きをざっと。
しかしなんですぅ、普段は「戦争はんた~い!」ってやってる各種「市民団体」は、北のミサイル発射に関しては、一切行動しないんですね…。なんだか裏切られた気分ですよ~。
あ、余計なこと言ってしまったかな?(笑)。

【経済】
広州交易会、史上初の出展料引き下げ
広州市で4月15日~5月7日開催される春の恒例ビッグイベント「第105回中国進出口商品交易会(広州交易会)」では金融危機による影響を考慮し、交易会52年の歴史で初の出展料引き下げ。
昨年秋の第104回では成約高が約20%も減少し、今回はさらに苦戦の見込み。このため標準ブースの出展料通常3万元を1000~2000元引き下げるほか、輸入商品展示エリアでは海外からの出展者は25%オフまたは無料に。15回以上の出展企業には航空券提供。閉館時間の1時間延長などで、必死の開催に。

オフィス賃貸料、セントラルで14%減
中環(Central)などのビジネス街ではコスト削減からオフィスを移転する企業が増加、家賃相場は過去2カ月で10%余り下落した模様。
不動産管理会社ジョンーズ・ラング・ラサールの統計では過去2カ月の家賃相場は中環で13.8%減、湾仔・銅鑼湾(Wanchai, Caouseway Bay)で14.7%減も。全体では12.2%減。
主要オフィス街のオフィス物件空室率が高まっており、2月末の空室率は中環が4.2%、湾仔・銅鑼湾が3.3%、尖沙嘴(Tsim Sha Tsui)が4.6%、高級オフィス物件全体では7.2%。

広東省、住民の平均預金残高3万元突破
広東省では住民の平均預金残高が3万元(約36万円)を突破。
2月末現在の省内金融機関の預金残高は前年同期比16.7%増の5兆7708億5400万元、うち個人の預金残高は2兆9572億2000万元。08年末現在の省内の常住人口が9544万人であることから、省内住民の人当たり平均預金残高は3万980元。

世帯月収の中位数、湾仔区が最高
統計処3月31日発表「人口および居住統計」。昨年の世帯月収の中位数は1万8000ドル(約21万6000円)、前年の1万7500ドルから3%上昇。全港18区内で中位数が最も高いのは湾仔の3万ドル、最も低いのはサムソイポの1万3800ドル金融危機の影響はまだ表れてなく、昨年1年間の18区の世帯収入の中位数はほぼ全区にわたって上昇、新界北区だけがわずかに下がった。一方、年齢の中位数は前年の39歳から40歳に上昇、高齢化が一段と進む。また、男女の人口比は女性1000人に対し男性898人、前年の905人よりもさらに男性の減少傾向が顕著に。
ハンセン指数、第1四半期で5.6%下落
香港取引所の第1四半期最後の取引日に当たる3月31日、ハンセン指数の終値は13576ポイント、売買代金は490億ドル。
ハンセン指数の伸び率は3月だけでは6%、過去11カ月で最大だったものの、第1四半期で見るとマイナス5.6%、5四半期連続でのマイナス。
新株の割当増資で注目されたHSBCホールディングスの株価は同期に36.8%下落の42.65ドルとなり、ブルーチップの中で最大の下落幅に。


【犯罪】
薬物利用の窃盗団「迷魂党」出没
「春薬迷魂党」。犯行の手口は手や爪に薬物を忍ばせておき、通行人の上腕をたたくというもので、相手が薬を吸って意識朦朧としたすきに金品を奪ったり詐欺行為を行う。広州や深圳では1人歩きの観光客や香港人が狙われている。
3月16日、油尖旺区区議会議員のアシスタントの女性が尖沙嘴(Tsim Sha Tsui)で迷魂党に出くわす。キンバリーロードで40歳くらいの女に上腕をたたかれて、「その洋服すてきね。Mサイズはあるの?」と聞かれた後にめまいを感じた。幸い警戒して立ち去ったため被害無し。議員によれば、昨年5月からこれまでに若い女性から同様のケースの報告が5件寄せられた。朦朧としたまま美容サービスを受けさせられて多額の損失を被った人もおり、注意を呼び掛けている。


【観光・サービス】
広東省、メーデー連休復活に暗雲
広東省政府は3月25日、消費刺激策としてメーデーにかかる大型連休「」を復活させることを発表するも、国務院弁公庁は翌日には、「各地方政府が勝手に連休を設けるな」との通達を出した。国務院の通達には広東省の黄金週が実施できるかどうかについて明示されていないため、すでに大型連休向けの商品を用意している各旅行会社は戸惑っている模様。
広東省にならって杭州、南京、蘇州、重慶や湖南省など各地で黄金週復活の動きが見られていることから、中央は混乱を恐れたのかもしれない。
この通達を受けて広東省政府は27日、「黄金週」の復活を取りやめた。省内の旅行会社の間では経済損失問題が浮上。、各旅行会社はすでにメーデー連休向けの海外旅行ツアーなどを売り出しているため、キャンセルによって航空券や宿泊料のデポジットが回収できなくなる。踏んだり蹴ったりの旅行会社では、キャンセル状況をみて航空会社やホテルと協議しできるだけ損失を抑える考えだが、損失が大きいようならば政府関係部門に補償を要求する動きも。

7月から全面禁煙
07年にレストランの全面禁煙が実施された香港。09/10年度財政予算案ではタバコ税増税が発表され、平均で10ドル(約120円)もの値上げ。
タバコ飲みは窮地に追い込まれている中、食物及衛生局が民間の調査期間に委託して行った意識調査では、1018人の回答者のうち86%が全体として禁煙措置に賛成、たばこ税の増税にも77%が賛成。過渡的措置として喫煙が認められていたバー、クラブ、ナイトクラブ、サウナ、マッサージ店、雀荘などでも、7月1日から全面禁煙となる。さあさあ、どうしたもんだか。

2月の来港者数、8.1%減少
香港政府観光局(HKTB)3月30日発表の観光統計。2月の来港者数は前年同月比8.1%減の延べ216万人。
中国本土からの来港者は同6.7%減の延べ134万人、うち観光目的の個人旅行は10%近く落ち込んだ。最も減少したのは台湾からの来港者で同17%減。また、北アジア、オーストラリア・ニュージーランド、欧米、中東などもそれぞれ10%以上減少、増加したのは東南アジアからの来港者だけ。同局では、本土観光客の減少は2月が旧正月の連休明けだったため、その他の国・地域は金融危機の影響が考えられるが、1~2月の合計では延べ490万人余りで前年同期比1.8%増加とコメント。

深圳、香港への数次ビザ発給開始
深圳市公安局は3月30日、深圳籍住民の香港個人旅行に関する細則を発表。4月1日から1年有効の数次観光ビザの発給手続き開始。深圳籍住民232万人のうち資格を持つのは220万人余り。1回の滞在日数は7日以内。公安局では短期的に約100万人が申請するとみて、出入境管理処の窓口を68カ所増やし、237人の臨時職員を採用。
数次ビザ発給開始によって有名ブランド店が多く入居する深圳の西武百貨では、深圳住民の消費が約20%減少すると予測。テーマパークでも来場者が20~30%減少するとみている。


【雇用】
平均給与実質4.3%減、SARS時より悲惨
統計処3月26日発表「2008年第4四半期の平均給与指数」。前年同期比2.1%減。さらに物価上昇を考慮した実質的な平均給与指数は同4.3%減で、統計を開始して以来最大の減少幅、03年のSARS流行時よりも悪い結果に。業種別では金融、保険、不動産、ビジネスサービス関連の実質給与指数は同5.2%減。「経済の悪化で企業が今後も減給を行う可能性高く、次に影響が表れるのは貿易、物流、製造業だ」との予測あり。
珠江デルタ、1~2月の就業者数18%減
広東省就業局3月26日「1~2月の就業者数の最新統計」発表。都市部で新たに就職した人数は前年同期比4.5%減の26万2000人。うち2月は前年同月比約20%増の15万3000人で、1月より4万4000人多かった。地域別に見ると、珠江デルタでは前年同期比18.11%減の15万4000人、東西北部では同25.5%増の10万8000人だった。製造業が珠江デルタから東西北部へシフトした影響か。
本土就職希望の香港人大学生急増
香港の失業率の上昇に伴い、「中国本土の大学を卒業する香港人学生」がそのまま本土で就職を希望するケース急増。香港人材交流中心と香港文職及専業人員総会が2月に本土の大学に通う550人の香港人学生を対象に行った調査で、約60%が本土就職を希望。中でも香港人学生の在籍数が1500人に上る広東省の曁南大学では、従来は80%の卒業生が香港に戻って就職することを望んでいたが、今年は50%が本土就職を希望。ただし、不況の影響で現段階で希望の仕事が見つかった学生はわずか10%。一方、本土の大学に進学する香港人学生も増加しており、同大学では今年の香港人の入学希望者は例年より2~3割増加。
リストラ対象は主に管理職、平均2.9%削減
人材コンサルティング会社ワトソン・ワイアットが調査。企業が昨年末までに行った人員削減の割合は平均2.9%に。同調査の対象は220社で計2万3000人を雇用している。人員削減で多かったのは上・中級管理職で、一般職員の3倍に上る。特にアパレル・製造業での人員削減が目立ち、削減の割合は14~17%に。今後の人員削減の可能性については43%が「可能性がある」と答えている。給与削減を行った企業はなかったものの、多くの企業が無給休暇や労働時間の削減によって実質的な給与削減を行っている。


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