昨日のエントリで
この「親中派、民主派」という色分けがどうにも腑に落ちない。
と書いたけど、今日(9日付)の『香港経済日報』は、「汎民主派」「建制派」という区分をしていた。なるほど、「制度を建てる派閥」ってわけですね。
その区分でいきますと、「汎民主派23議席」「建制派35議席」「中間2議席」となります。
<汎民主派>
過激派:6議席(長毛、黄毓民ら「社会民主連線」、「前線」の劉慧卿<エミリー・ラウ>、李卓人ら労組関係)
公民党:5議席
民主党:8議席
温和:4議席(「民協」や公民党から離れて独自立候補した何秀蘭ら)
<建制派>
立場飄忽:2議席
政府と良好な関係:10議席(レジーナ・イップら)
自由党:7議席(元親英国、返還後親中寄り財界基盤)
民建連・工連会:14議席(親中政党、実質上の与党)
伝統左派:2議席(霍震霆<ティモシー・フォク>ら先祖代々過去帳一切のガチガチ左派)
注目は「汎民主派」で6議席を占める「過激派」。中でも長毛擁する「社会民主連線」。今回、新人で当選した黄毓民は、「マッドドッグ」の異名を持つ過激な時事評論家。『経済日報』は彼の当選を「悪人無党派入局 政府管治隠憂」とし、「建制派が大勢を占めたといって、政府は安心してはいられない」と、議会の混乱を憂慮しております。
たまたま、テレビで見た「九龍西選挙区」の候補者討論会では、「建制派」の民建連のみならず、民主派の公民党までをも徹底的に論破(ってより罵倒)していて、「このおっさん、当選したら最高におもろいな~」なんて思っていたら案の定!
結局、この討論番組で徹底的にこき下ろされた公民党は、西九龍で惨敗を喫しています。
見てるだけでもおもろいので、問題の討論番組、貼っておきます。
もうひとつ注目は、自由党が直接選挙枠で議席を失い、党首と副党首が辞任したということ。
前回の選挙では初めて直接選挙枠で2議席を獲得したのに、今回はまったくふるわず。
そもそも、「元親英国、現親中寄り財界基盤」なんて旗色が、小選挙区で議席を獲得できたというのが奇跡。これが小選挙区比例代表選挙のマジックなわけでして。
結局、こういう色合いの政党というのは、時代遅れなんでしょう。すごく英領時代の雰囲気を持っていますからね。間接選挙枠で業界選出7議席というのが、この党の限界でしょう。それでも7議席、第3党ですからね。
で、今期の立法会ですが、黄毓民をみておわかりのとおり、「汎民主派」という理想図は崩れ、民主派の足並みはことごとくそろわないでしょうな。
混乱しますよきっと。
観客としてはそれはもう、楽しみで楽しみで。早く議会が始まってほしいものです。
それで終わってみれば、民主派の足並みそろわず、あいや~、中央の意図したところに落ち着いてるアルヨ…みたいな。
なお、彼個人は、いい奴ですよ。数年前の「六四」でたまたま隣にいたんですよ、彼が。熱く「平反六四!」って叫んでましたよ、ぐっとこぶしを握り締めて。
選挙とはまったく関係ないけど(笑)
『對你愛不完』 郭富城(アーロン・クォック)
このころはかわいらしい坊ちゃんでしたが、いまは勘違いなマッチョに…。
まあ、いい俳優になってはいますけどね。
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。