【返還10周年】「七・一大遊行」その1 *旧ブログ

中華人民共和国香港特別行政区成立10周年であります。
午前中はテレビで、パラシュート部隊のデモンストレーションなどをのんびり見ていました。
「どうせ雨だから家でゆっくりしてよう」
という目論みは甘く、一向に雨が降りません。んなワケで、午後はデモ見物に。

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デモ隊が埋め尽くす銅鑼湾(Causeway Bay)の軒尼詩道(Hennessy Road)
いつも話題になる参加人数。
・主催者(民間人権陣線*)発表:6万8千人
・警察発表:2万人
・香港大学調査:2万3千人
・小生の目勘定:1万5千人

*民間人権陣線=超党派民主派で主に全面普通選挙の早期実現を主張するネットワーク。2003年7月1日の「50万人デモ」以来、民主運動をリードする一角に)
甲子園や東京ドームの満員札止め、或いは昨年の「つま恋」を経験しているので、多分、小生の数字が一番正確ではないかと。主催者の6万8千は、沿道の見物人を入れてもそこまでにはなりませんよ。香港住民の100人に1人が参加?ありえない!
まあ、人数は世間が言うほど問題ではないのです。胡錦濤国家主席が訪港中(実際にはこの時間には深圳に)でも、こうしてデモを行い、自分たちの言いたいことを言える、という香港。この一線だけは守らねばならないとは思います。
一方で、主張はできてもそれがいつ実現するのかわからない、あるいは、永遠に実現できないのかも、という不安、焦燥、絶望も続いていきそうな雰囲気です。
ただ、今日のデモを見て、「普通選挙実施要求・民主化要求デモ」という色合いが曖昧になっているのを、昨年以上に感じました。

様々な団体がそれぞれの要求を掲げてデモ行進していましたが、その要求や抗議の内容がバラバラで、「それは民主運動じゃないだろう」というのも結構ありました。
結論付けてしまうと、かわいそうなんですが、思うに

香港には民主は根付かないのではないか?

そう思うのです。
今の香港、いや、昔からそうですが、まずは金儲けありき、そこから物事が展開してゆきます。その行き着くところのひとつが今日のデモ。てんでバラバラな要求はそれこそ、個人主義の象徴と言う感じで、「何のためのデモなのか?」
・全面普通選挙実施要求
・平反六四
・香港電台(政府系列放送局)の番組内容への政府関与抗議
ここら辺までは今日のデモの趣旨に符合していますが、
・家政婦の最低賃金問題
・立ち退き反対
・尖閣抗議
・超高層マンション建設反対
・マイノリティ蔑視反対
・法輪功弾圧抗議

何がなんだか。。。

だれがどういうミスリードをしたのか、まだ多くの香港市民は「民主活動」を「不満をぶつける」ことと曲解しているように思えます。「反対!」「抗議!」を大声で叫ぶことだけが民主活動ではない、ということを求心力のある人物、たとえば民主党の元・党首、李柱銘(マーチン・リー)氏や元・政務官の陳方安生(アンソン・チャン)氏あたりが時間をかけて啓蒙するしかないのかな…。
それでも香港の人たちは最終的には「金儲け」に帰着するように思えますね…。そういう意味では「人間臭い」、もっと言えば「野性味」とでも言いますか、それが香港人であり、香港の繁栄の大きな礎ではないかと。
参加者が長蛇の列をなして何かの順番を待っている一角がありました。列の先には李柱銘(マーチン・リー)氏が。香港民主活動の大黒柱であります。黙々とサインに応じる李氏。一人一人と握手を交わし、そしてまたサインを続ける。李氏は来年、政界からの引退を表明しています。李氏がその先、どのように民主活動に関与してゆくのか、非常に興味のあるところです。
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丁寧にサインを続ける李柱銘(マーチン・リー)氏
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民主党は好きではないが、イヤーブックを購入して李氏にサインをしてもらいました。「返還10周年」の記念です
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COMMENT:
AUTHOR: ひかり
DATE: 07/02/2007 02:23:24
こんばんは、
早いものですよね、もうイギリスから返還されて10年ですか・・・。
どうなんでしょうか・・・香港はこれからも2制度を守りきれそうですか?
台湾と違い香港は繋がってますし、ご指摘の様にデモの内容がバラバラになってしまうと少し不安になります。
いつか中国に飲み込まれてしまうのではないかと。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 07/02/2007 02:51:14
To ひかりさん
こんばんは~!
>早いものですよね、もうイギリスから返還されて10年ですか・・・。
>どうなんでしょうか・・・香港はこれからも2制度を守りきれそうですか?
早かったですよ。鳥カゼやらSARSやら金融危機やら…。いろんなことがありすぎて。
>台湾と違い香港は繋がってますし、ご指摘の様にデモの内容がバラバラになってしまうと少し不安になります。
>いつか中国に飲み込まれてしまうのではないかと。
よい様に考えると、「大陸の香港化」が進むと思います。「民主化」と言う最後の一線は中共は死守すると思いますが、経済面では香港化あるいは一体化は進むでしょう、それは香港にとってもビジネスが拡大するので悪い話ではないのですが…
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COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 07/02/2007 16:28:43
香港がシナであるかぎり民主化はできない、と断言しておきましょう。だから大陸が香港化しても同様です。シナがシナという病から治癒するには、今までの歴史を全否定することが必要ですが、不可能に決まっています。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 07/02/2007 21:40:36
To マルコおいちゃんさん
ある程度までの民主化(表面上、体裁作りのような)は果たせるとは思います。ただ、現在もかなり民主的ではあると思うのですよ。「1国ありきの2制度」の下としては。


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