<アイキャッチ画像:©映画『街の上で』 (@machinouede) · Twitter>
第16回大阪アジアン映画祭
前日の『チョンバル・ソシアル・クラブ』同様に、「時間があるなら、せっくだから華語片以外も観ておこう」ということで、当初は予定していなかったが、急遽、今泉力哉監督の今年4月に全国封切りとなる『街の上で』を観ることに。4月公開ならその時に観りゃいいじゃないか、ってことだが、どうせ小生のことだから、すっかり忘れてしまって見逃すのは目に見えている(笑)。ならば「今しかない!」ということだ。そう言えば、今回の大阪アジアン映画祭でABCホール行くの、これが最初だな。いつも終盤はABCホール詰め状態だったのに…。
特別招待作品部門
街の上で
邦題『街の上で』 英題『Over the Town』
公開年 公開前(2021年4月公開) 製作地 日本
言語 日本語
評価 ★★★★(★5つで満点 ☆は0.5点)
監督:今泉力哉
主演:若葉竜也
出演:穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚、村上由規乃、遠藤雄斗、上のしおり、カレン、柴崎佳佑、マヒトゥ・ザ・ピーポー(GEZAN)、左近洋一郎(ルノアール兄弟)、小竹原晋、廣瀬祐樹、芹澤興人、春原愛良、未羽、前原瑞樹、西邑匡弘、タカハシシンノスケ、倉悠貴、岡田和也、中尾有伽、五頭岳夫、渡辺紘文
友情出演:成田凌
主題歌:ラッキーオールドサン「街の人」
「睇戲」と書いて「たいへい」。広東語で、映画を見ること。
昨年の5月1日に公開予定だった本作だが、COVID-19の感染拡大によりあえなく封切りは延期され、ようやく今年4月に公開。感染拡大状況にはあまり変化はないどころか、ますます感染は拡大する一方だが、なんとか折り合いをつけながら対峙してゆこうという今日この頃である。
【作品概要】
古着屋で働く荒川青は、恋人に浮気された上にフラれたが、いまだに彼女のことが忘れられない。そんな青のもとに、美大に通う女性監督から自主映画への出演依頼が舞い込む。行きつけの飲み屋では常連客から「それは“告白”だ!」とそそのかされるが――。
邦画は数年に1本観りゃいいほうの小生。今年はすでに短編で『にじいろトリップ』を観たので、それであと数年は邦画を観ない(興味ないw)でいくかと思ったが、4月には『るろうに剣心』があるので少なくともあと2本は観ることになる(るろうには2本立て)。で、さらに本作。「予定になかった」「急遽観た」作品だったが、これは大当たりだった。どないに大当たりだったかは、公開前なので詳細は避けるが、とにかく「よかった!」のだ。
これが映画初主演の若葉竜也の自然さというか、普通さがよかった。学生の自主映画の出演者控室で老練の出演者(演:五頭岳夫)に、「あなた、朝ドラ出てますよね!」って聞かれて「は?え?」となってしまったところに、成田凌演ずる別の出演者(こちらは本物の俳優という設定w)が来て「この人、朝ドラ出てる人」って紹介され、さらに困惑する場面が愉快。まあ、二人とも今は『おちょやん』出演の実際の「朝ドラ俳優」なんだが(笑)。それで言えば、自主映画撮影スタッフの一人に倉悠貴がいたのだが、小生は見逃す(笑)。この若葉竜也が演じた荒川青と成田凌が演じたホンモノ俳優が、一人の女性をめぐって関係が明らかになったりと、この展開もまた行方が「ほほー!」という流れになっている。
他の出演者陣も曲者ぞろいで、「邦画もこういう感じなら、年に何本かは観る価値あるな」と思わせてくれる。4月の公開時にもう一度観てみたい作品。
全編、下北沢で撮影された本作。「若葉竜也の自然感というか、普通感がよかった」ように、下北沢の街、下北沢で交錯する人たちの自然なつながり、普通な交流が描かれている。あまりにも今の世の中が「自然さ、普通さ」からかけ離れたところにあるから、一層、引き込まれるのだと思った。と言いながら、ズブズブの大阪人だから下北沢と言ってもピンとこない(笑)。小田急と京王の駅?って程度(笑)。
若葉竜也と成田凌、五頭岳夫以外ははっきり言って知らない人ばかりで、いかに日本の映像作品から遠ざかっているかを痛感させられたが、自主映画の女性監督・高橋町子を演じた萩原みのり、自主映画のスタッフの一人で、青と意気投合する城定イハを演じた中田青渚が印象深かった。この二人は対照的で、前者がドライでクール、後者が人懐こい。どっちのタイプも好きだなあ、お付き合いしたいなあ(笑)。
そして、俺も若けりゃ、下北沢で古着屋か古本屋やりたいなあ(笑)。もちろん、自分の好きな服と本しか置かない(笑)。
映画『街の上で』予告編
(令和3年3月13日 ABCホール)
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。
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