6月19日に公式戦開幕、7月10日からは上限5,000人として観客を入れた試合が始まる。すべてが初めてづくしの異例のシーズンが始まった。
正直なところ、五輪が延期になり、インターハイ、夏の甲子園などの大型スポーツ大会もほぼすべて中止という中で、「今年は野球どころやないのでは?」と思っていたが、よくまあここまでこぎつけたもんだ。関係各方面のご尽力に感謝する次第である。とは言え、客入れ試合が始まるあたりから「第二波」ともいうべき感染拡大が全国的に始まった。東京など首都圏と大阪を中心とした京阪神は、「緊急事態宣言」前のような数である。そんな中で5,000人上限で野球場とは言え、一か所にそんなに人が集まっていいのかな?という不安もある。
「観戦」できる喜び半分、「感染」の不安半分という複雑な気分で、屋根付き大阪球場の対バファローズ6連戦の初戦と5戦目に出かけた。←ダジャレを垂れる余裕もあったりはするww。
またとない日を経験するということで、初戦は張り込んでかなりよいお席から観ることにした。無観客の試合をテレビで観ていて、カキーン!という打撃音やキャッチャーミットに剛速球がバシン!とはまる音なんぞを耳にして、「これはぜひ、近い席で体感したいもんだ」と思っていたので。しかし、7,500円はきついわ(笑)。
上の写真は、打撃稽古後の内野手の稽古風景。本多コーチのノックを受けた内野手が、ボール回しをするというごくごく基本的な稽古だが、このときのボールの流れが美しい。どこのチームも試合前にこれをやるのだが、皆、一様に美しい。なのに、試合では信じられないようなエラーがあったり、記録に残らないが勝敗を左右するようなプレーを毎度のようにやらかすチームがある。あれは何なんでしょうな…。
我が軍の工藤監督君と敵軍の西村監督がメンバー表の交換をして、いよいよ試合開始と相成る。
我が軍、開幕戦こそ劇的なサヨナラ勝ちで景気よくスタートしたものの、開幕三連戦はマリーンズに1勝2敗と負け越し。敵地所沢に乗り込んでのライオンズ6連戦も2勝4敗。札幌でファイターズ相手になんとか3勝2敗1分と勝ち越したものの、まったく波に乗れていない。とにかく投手に四球が多い。相も変わらず被本塁打も多い。案の定、福岡に戻っても快走するゴールデンイーグルス相手に1勝2敗と苦戦続き。「ま、6連戦のうち2つ勝てたら御の字やろ、今の楽天相手ならそれで上々出来やん」と自棄気味に眺めていたら、さあこれがどうしたことでしょう。客入れが始まった3戦目から3連勝、始まったばかりとは言え、圧倒的な強さで首位をスイスイ走っていたゴールデンイーグルスに終わってみたら4勝2敗と二つの勝ち越し。勢いついたところで、大阪での6連戦を迎えたっちゅう流れやわいな、これが。
【公式戦1回戦 H1勝】勝:千賀(2勝0敗) 負:アルバース(1勝2敗)
本塁打:H/上林2号2ラン(7回・澤田)、甲斐2号2ラン(9回・東明) B/ 吉田正5号ソロ(8回・板東)
観衆:4,768人
敵軍全発投手はアルバース。なんかようわからん投手。すんばらしい快投をするかと思えば、あっという間に打ち込まれて試合をぶっ壊すこと度々。でもローテを外されない。初戦にもってくるんだから期待もされてるんだろうけど…。オリファンはどう思ってるんだろ、この投手を。
そんな相手にはとにかく先取点。1回表、まずは目覚ましい活躍ぶりの栗原が中前打で出塁。ちなみに背番号31は小生らの年代の南海ファンには、代走専科の阪田が懐かしく思い出される。まあ、野村監督時代の古い古いハナシですわな(笑)。目覚ましい者の宿命で、楽天6連戦後半あたりから研究されたのだろう、打率は急降下。目に見えて打てなくなってきた栗原。この6連戦も苦労していた。そこは相手以上に研究して稽古して乗り越えるしか道はおまへん。遠からず、デスパイネ、グラシアルという強打者二人が戻ってくる。その時、栗原は…。
攻撃は1死後、柳田四球で、不振のバレンティン。ところがどうした風の吹き回しか、中前適時打と敵失で走者二人を迎え入れる。
「打てへんヤツいつまでも出すな~!九鬼か西田に代えろ!」とTwitterで散々ヤジを飛ばしていた小生だが、ちょっとだけ見直した。が、それはこの初戦だけで、あとの5試合は散々だった。パ・リーグの投手の「力攻め」にねじ伏せられている感、大いにあり。
大阪に背番号19のホークスの捕手が帰ってきた!もうそれだけで、この日、7,500円払った価値ありだ。野村克也があっちの世界に旅立ってから、およそ半年。一目、見てもらいたかったこの姿を…。甲斐が発奮したのかどうかはしらないが、この日、本塁打を含む5打数3安打2打点と活躍。千賀のリードでも、四球連発で制球のままならなかった1回の2失点のみで、後は決してスイスイとではなくとも千賀を崩れさせなかったのは、大変よくできました!
「ダメ押しのダメ押し」みたいな9回の本塁打はお見事!野村のおっちゃんを彷彿とさせる弧を描くような打球が、左翼席へ運ばれていった。19番を背負ったホークスの捕手が大阪で躍動する姿を見られて感無量!なんにせよ甲斐もようここまでになったなぁ…。こういうのを稽古のたまものと言うんやな…。ただまあ、配球面ではまだまだ稽古積まなあかんようやけどな(笑)。
千賀は総体的に良くなかったね。6回投げ切ったけど、116球は多すぎるな。初回の四球連発が球数が増えてしまった原因だけど、ああいう千賀も珍しい。前回の登板もそうだったけど、まだ本調子というわけではなさそう。しばらくは苦戦するだろう。
打線はその後も着実に加点してゆき、終わってみれば17安打10得点の快勝。今宮、柳田、甲斐が3安打猛打賞。ま、観ていて安心する展開。
投手陣では千賀の後に、7回から前年のドラフト4位、板東がプロ入り初登板。吉田正尚に祝儀代わりの一発を浴びるも、2回を打者7人、被安打1、2三振、失点は吉田の一発のみというのは堂々のマウンド。これは今後、大いに期待できる戦力だ。剛速球タイプではないけど、コントロールがよく、臆することなく丁寧な投球をしていた。
板東の後を受けて、ドラフト3位、津森登場。彼もマウンド度胸満点。見ていて気持ちのいい投手。板東、津森と若いイキのいい投手を二人見られてよかったよかった。
勝った~、勝った~、また勝った~!
弱い近鉄にまた勝った!
近鉄電車で早よ帰れ!
って声に出して言えないのが「新しい観戦スタイル、新しい応援スタイル」ってやつらしい。「よっしゃ~!」だの「何してん、あほんだら!ボケ!カス!」とか、小心者の小生でも1試合に5回くらいは叫ぶのだが(笑)、それは控えてくれってことなんでね。でも、それって結構つらいもんがある。つらさに耐えられなかったのか、2席となりの近鉄ファンの夫婦は、のべつ幕なし大声で応援していたけど…。一発かましたろけ!と思ったが、もう球場内でトラブルに巻き込まれるのはコリゴリやからね(笑)。
さてバファローズ6連戦、幸先よく先勝。まあ、3連戦を2勝1敗で勝ち越しのパターンで、6連戦を4勝2敗で終わればええんでないかな?けど、そこは得意先のオリさん相手だから、5勝はしておきたいね。さてさてうまいこといきますかどうか…。
しかしまあオリさんも、記録に残る、残らないは置いといて、守りのミスが多すぎる。これではいくら投手がよくても打線が活発でも、勝つのはしんどい。これ、何年もずーーっと言ってきたけど、一向に改善されないのはなぜだ?
ヒーローインタビューは千賀で。個人的には甲斐でやってほしかったけどね。しかし、朝礼みたいやね(笑)。球場ごとにスタンドマイクのとこ、手持ちのマイクのとこ色々ある。これも今季ならではの光景ですな。
(令和2年7月14日 大阪夜間)
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。