【反送中大遊行】香港人の大反撃!~やる時は、やる香港人~

103万人が「逃亡犯条例改正」反対デモ

六四30周年」で触れた「逃亡犯条例」の改正に反対するデモが6月9日、香港島中心街で挙行され、主催者発表で103万人が参加した(警察発表はピーク時で24万人ww)。

主催者発表を鵜呑みにするなら、香港在住者の7人に1人が参加したことになるわけで、これはすさまじい「NO!」の嵐である。

上記の表は、香港紙『明報』に載っていた近年の大規模デモの参加者数である。これまで最も多かったのは、1989年の天安門事件における武力制圧に抗議するデモで、参加者数は100万人(主催者発表。警察は発表なし)で、これを破る規模のデモはないだろうと言われてきたが、その記録を更新する規模になった。

香港島中心街を東西に走る軒尼詩道(Hennessy Road)の上下線を埋め尽くしたデモ隊。大阪で言えば、御堂筋を人が埋め尽くした、という状況!尊敬すべき香港人!

小生、在住中に2003年の7月と12月、04年の7月と計3回にわたって50万人規模のデモを見てきたが、あれはもう、趣旨に賛成、不賛成にかかわらず、「香港人、やるな~! すごい!」と感激したものだが、今回、間断なく送られてくる写真や映像を見ていると、過去の50万人デモを上回る人出であるのは、一目瞭然だった。だからと言って、103万人が正しいかどうかは不明だ。そもそも勘定のしようもないだろう(笑)。警察もどこをどう見て24万人なんて言うのか?これも根拠不明な数字だ。

デモの沿道にある左派紙『大公報』社屋の大型ビジョンは、逃亡犯条例改正支持のメッセージを映し出す。ある意味「インスタ映え」(笑)

デモを主催したのは、「民主化デモならおまかせ!」の民間人權陣線(通称・民陣)デモ隊はビクトリア公園から立法会議事堂までの約3キロを行進し、「逃亡犯条例の改正撤回」や「林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の辞任」などを要求した。

「売港林鄭 下台=香港を(北京に)売るキャリー・ラム行政長官は辞任しろ」のプラカードが多数見られた。どうせ『蘋果日報』の折り込み別刷りか、民主派団体が撒いてるんでしょ(笑)

出発地のビクトリア公園には、出発予定の午後3時前までに市民が殺到したため、予定時刻より40分繰り上げて、デモはスタート。ルートとなった幹線道のほとんどで全車線をデモ隊に開放。最後尾がビクトリア公園を出発したのは午後7時過ぎとなった。デモは、午後10時になってようやく主催者の民陣から終了宣言が出された。

日没後もデモの波は途絶えず。日ごろは何かとウザいけど、いざという時の「香港人力量」には、胸が熱くなる by “South China Morning Post”

ドローンで撮影したのかな? いやまあ、ホントすごいね!「香港人はやるんだぞ!」ということを、世界中に見せつけた一日
「奪回香港」の横断幕が胸を打つ

この香港の動きに連動し、ロンドン、パリ、ニューヨーク、シドニー、東京など世界29都市でも在外香港人はもちろん、在外大陸人も共にスクラムを組んで、「反送中」のデモや集会が行われた。カナダのトロント、米国ニューヨークのデモ行進には、なんと2,000人が参加し、「逃亡犯条例の改正は、香港にとって政治的脅威だ」と訴えた。

逃亡犯条例改正に「NO!」 by “South China Morning Post”

さて、デモは午後10時に終わったわけだが、立法会議場前には、多くの市民が残って集会を開いた。予想していたが、一部参加者が暴徒と化した。

「警察は殴る、蹴るでひどいもんだ」と言うが、最初に暴れ出したのは、こいつらだからね

残っていた市民の一部は、10日午前0時ごろから立法会議場入り口前の鉄柵をなぎ倒して突入を試み、警官隊と激しく衝突。警察は催涙スプレーなどで対処した。その後、衝突範囲は拡大したが、午前3~4時ごろにデモ隊は包囲され、ビデオ録画と身体検査を実施。危険物所持や指名手配者でない者は、即時解放され、騒ぎは午前6時ごろにようやく収束した。盧偉聡・警務処処長は記者会見を行い、警官3人と記者1人が負傷したと発表。

血みどろにされたお巡りさん

暴徒化した連中は、雨傘行動や旧正月の旺角暴動で暴れた連中を想起させるように、身分が分からないようマスクをしていたが、同処長は「徹底的に追究する」と述べおり、10日午後までに19歳から34歳の19人が逮捕されている。

『蘋果日報』はこういう写真を載せて、警察の暴力を非難するが、先に手を出したのはどっちだ?ってことだ

こいつらの、手口はいつもこうだ。警察に手出しさせるようなことを仕掛けて、さも「警察は市民に暴力を振るった!」という印象を市民に与える。一応、香港独立を掲げる「港獨派」の一派だと思われるが、非常にたちが悪い。「逃亡犯条例」の審議が再開される12日には、恐らく大勢の市民が立法会議場を取り巻くと予想される。その際、市民側にも警察側にも暴力的行為が発生しないよう、警察はしっかりと警備してもらいたいもんだ。加油、香港警察!

こうした一連の動きにも、当の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、一向に動じない。予定通り、審議を行い改正を目指すと言う。合わせて「決して北京の指示があってのことではない」とも言う。NHKの翌日のニュースでも流れていた。まあ、言うくらい簡単だわな。北京の指示無くして、どうしてここまで強硬に出れる?

仮に今回はお流れになっても、そう遠くない将来、必ず改正されるであろうこの条例。「中国化、中国化」と西側はうるさいが、中国が香港を回収した以上、こういう日が来るのは避けられない。確かに「50年不変」の大前提のもと、「一国両制」「高度自治」「港人自港」などなど、約束されているが、その「線引き」を決めるのはあくまで北京である。それが「返還」というものだと思う。非常に残念で悔しいが、現実はそうだ。折り合いをつける気にもならないが…。香港市民も、そこはわかっていると思うが、それでも「この香港を守りたい!」という強い思いから、こうやってデモやら「三罷」やらで「NO!」の声を上げている。なんて愛おしい人たちなんだろう。仕事をすると結構ウザいところあるけどね(笑)。

その12日、香港では「三罷」の機運が高まっている。「罷工」「罷課」「罷市」で「三罷」。要するに、ストライキ、授業ボイコット、商店休業。大規模ストライキである。実に、天安門事件以来のことである。再び、香港市民は大反撃を試みるのである。さあ、どうする、林鄭行政長官!



  


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