第14回大阪アジアン映画祭
「HONG KONG NIGHT」
毎年のことだが、小生にとっての大阪アジアン映画祭のメーンイベントは、「HONG KONG NIGHT」である。ま、仕方ない。腐れ縁だ、香港とは(笑)。そもそも、在阪の香港永久居民としては、行かないわけにはいかんだろう。
毎回、多数のゲストがステージに並ぶ「HONG KONG NIGHT」。年々スケールアップしている感もあり、ずらっと香港映画界の「今どき」のメンバーが並ぶ様は、なんとも壮観。
この映画祭における香港経済貿易代表部の力の入れようが、他国を圧倒しているのは、人材、財力、組織力、面子…と色々と要因があるだろうけど、映画の街・香港が、輝くひとときに身を置けるのは、とにもかくにも「香港おた」としては、嬉しい限りである。ラッキーなことに、お席は最前列のほぼ中央。今回、最高のポジション。これも香港との腐れ縁のなせるところか?(笑)
『Special Focus on Hong Kong 2019』として、今年は6作品が上映された。
「G殺(G殺)」
「非分熟女(非分熟女)」
「ハッピーパッポー(恭喜八婆)」
「みじめな人(淪落人)」
「女は女である(女人就是女人)」
「雨季は二度と来ない(雨季不再來)」
このうち、中・港合作の「雨季は二度と来ない」以外の5作品を観た。「雨季は二度と来ない」も合作だから外したわけでなく、日程の都合上、見送らざるを得なかったということだ。また、大陸作品ながら、香港が舞台となった「過ぎた春(过春天)」も、観たかったが、こちらも行ける日の上映回は、ほとんど「チケット秒殺」状態で涙を飲む…。
「TAIWAN NIGHT」でも記したが、映画界の両岸三地のボーダーレス化は、一層進んでいく。時に、思いもよらない「化学反応」を見せてくれるのだが、一方で「それ、誰に向けて撮った映画ですか?」と聴きたい、様々な思惑を感じさせる作品も少なくなく、やっぱり一番面白いのは、香港の監督が、香港の役者を使い香港で撮った、香港人のための広東語の映画 だと思うので、その線は死守してほしいのである。それが香港映画による香港人への「筋」というもんだ!
今年も、小生が勝手に「タフ・ネゴシエーターに違いない」と思っている、香港特別行政区政府駐東京経済貿易代表部・翁佩雯(シェーリー・ヨン)首席代表の挨拶でスタート。翁女士、今回はなんとびっくり、全編正確な日本語でのスピーチを披露! たしかこれで3回目となるはずだが、過去はずっと英語だったよな? どこの日本語学校に通ったんだ?(笑)。スピーチ内容は、毎回ほとんど同じなんで、割愛(笑)。
続いて、ゲストが続々登場。客席のヴォルテージも上がってゆく。各上映作品の監督、出演者などが、それぞれ一人づつ挨拶。
例年、「大自撮り大会」となって、客席そっちのけでゲストたちが勝手に事を進めて、収集つかなくなるという、実にフリーダムで素敵な香港映画人の皆さんだが、今年は予防策として、スタッフが早々に「並び順」を示し、フィナーレの全員撮影へと順調に事が進んだ。そもそも3年前、今回も登場している邱忠業が、「一作品一人でご挨拶を」とMCから念押しされていたのに、出演者にも挨拶させてから「大自撮り大会」に発展して以来、恒例化してしまったと、記憶する。だからかどうか、今回の彼は意外にも大人しかったね(笑)。
全員撮影は無事に終了。昨年は、客席を背景にした自分の写真を游學修(ネオ・ヤウ)に撮影させていたタフ・ネゴシエーターさんも、今年は自撮りを自粛された模様(笑)。こういう人は、もしかしたら任期終了後は特区政府の重要ポジションに就くかもしれないから、大事にしておいた方がいいですよ(笑)。
さ、お待ちかね、あの黄秋生が車いすの主演で感動を呼ぶ、と噂の「淪落人(みじめな人)」の上映が始まるよ~!
(平成31年3月14日 ABCホール)
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。