【睇戲】『悟空伝』(中題=悟空傳)

『悟空伝』
(中題=悟空傳)

「西遊記史上最もイケメンな悟空」、ついに日本公開!

いつの時代に出しても、それほど大コケしないどころか、圧倒的支持を得るのが『西遊記』もの。中華圏では毎年のように新作が続々公開され、その都度ストーリーは原作から離れてゆき、いまや、まったく別物として「進化」を続けている。あっちの人たちもよく飽きないもんだ(笑)。また、制作された数だけ、多くの俳優が孫悟空や三蔵法師、猪八戒、沙悟浄さらには牛魔王など主要登場人物を演じてきた。人気作だけに、旧正月や夏休みに豪華キャストで上映されるから、興行成績はいずれも上々である。そして昨夏、ついに「西遊記史上最もイケメンな悟空」が登場、ついに日本でも公開と相成った。というわけで、どんなにイケメンな悟空か、観に行ってきた(笑)。

「睇戲」と書いて「たいへい」。広東語で、映画を見ること。

中題 『悟空傳』(簡体『悟空传』)
英題 『Wu Kong
邦題 『悟空伝』
製作年 2017年
製作地 中国
言語 標準中国語
評価 ★★★☆(★5つで満点 ☆は0.5点)
導演(監督):郭子健(デレク・クォック)
配音(音楽):泰迪羅賓(テディ・ロビン)
領銜主演(主演):彭于晏(エディ・ポン)、余文樂(ショーン・ユー)、倪妮(ニー・ニー)、歐豪(オウ・ハオ)、鄭爽(ジェン・シュアン)、喬杉(シャン・チャオ)、俞飛鴻(フェイ・ユー)

監督は、一昨年の「大阪アジアン映画祭」で大好評を博した『全力スマッシュ』の郭子健(デレク・クォック)。宣伝チラシによれば、<今回も「負け犬の復活劇」にこだわる熱血マンガ的作風を貫きつつ……>とあったが、『全力スマッシュ』と比べると、まったくと言っていいほど「負け犬の復活劇」も「マンガ的作風」も感じなかった。むしろ、「西遊記もの」であるならば、あえて強調するまでもなく、「マンガ的作風」というのは約束事のようなものだろう。これくらい奇想天外でないと、もはや「西遊記もの」として認めてもらえないような風潮が長らく続いているし、今後もこの流れはとどまることはないと思う。

甘口評】彭于晏(エディ・ポン)が「西遊記史上最もイケメンな悟空」を演じるとあって、早くから日本公開が待たれていた一作。その点では、彭于晏は観客の期待をうらぎることはなはなかった。やさぐれ感満載の悟空のアウトローとしての生き方を上手に見せていた。二郎神を演じた余文樂(ショーン・ユー)がますます演技の幅を広げていたのもよくわかったし、歐豪(オウ・ハオ)という、今後、映画出演本数が増えて日本での人気が出てきそうな新しい芽も発見できた。女優陣もよく、とりわけ上聖天尊を演じたベテランの俞飛鴻(フェイ・ユー)は、日本のスクリーンではほとんど見かけることがないわけだが、一見してメロメロになってしまった御仁も多かったのでは?と推察する次第(笑)。
音楽も非常にツボを心得たダイナミックなものに仕上がっていた。そこはさすがの「香港元祖マルチクリエーター」たる泰迪羅賓(テディ・ロビン)。健在ぶりを示した。
余談ながら、悟空の頭を締め付ける輪を「緊箍児(きんこじ)」というってことを、数十年ぶりに思い出させてくれた。漢字文化、恐るべし!

辛口評】いかにも、香港を代表する「おたく」でもある郭子健(デレク・クォック)が撮りそうな映画。それだけに詰め込み主義に走りすぎた感もあって、疲れる展開だった。これはもう言っても始まらないことかもしれないが、CGが多すぎたのも「なんだかな~」ってところだった。で、せっかく彭于晏(エディ・ポン)に悟空をやらせたんだから、もっと「イケメン」具合を推してもよかったのにと、少々残念に思ったりも。特殊メークで猿そのものにしてしまうよりも、彼の良さを保持したままでの手法は考えられなかったのか?ってところ。
二郎神を、字幕では倪妮(ニー・ニー)が演じる阿紫に「二郎さん」って呼ばせていたが、間抜けな感じがしたのは小生だけ?
今年の香港電影金像奬では5部門にノミネートされているが、するとこれは、香港映画だったのか?

【悟空傳】HD高畫質中文電影預告

(平成30年2月17日 シネマート心斎橋)




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