【上方芸能な日々 落語】吉坊ノ会<15.Nov.2017>

落語
吉坊ノ会<15.Nov.2017>

なにやら小生の出身高校(正確には、統廃合後の継続校)が、突如として全国区に。いいのか悪いのか、なかなか判断できかねるのだが、髪の毛が茶色いだの黒に染めろだので、わーわーとやっている影響で、以前に拙ブログで「旧出身校のさよならパーティーへ行ってきた」というネタへ、検索でたどり着いたのだろうけど、相当数のアクセスがあって、自ずと拙ブログのアクセス数も大幅アップしているという今日この頃である。毎度言うのだが、アクセスがどれだけ増えようとも、誰からも褒めらるわけでなし、ましてや何か賞品や賞金がいただけるわけでもなく…。

さて、その話題の出身校へは、阿部野橋駅から準急で約40分。行くなとは言わないけど、駅から遠いよ(笑)。めっちゃ田舎で、愕然とするよ(笑)。まあついでに、近所に「生類憐みの令」発布をそそのかした隆光僧正の墓や、源氏の本流ともいうべき、源氏三代(頼信、頼義、義家=八幡太郎)の墓なんかもあるから、見ておくといいよ。

さてさて、本題。

阿部野橋と言えば、ハルカスもええけど、やっぱり近鉄百貨店内の近鉄アート館やろ。そのアート館、今年もまた年2回のおなじみ「吉坊ノ会」の秋冬公演へお邪魔してきた。ちなみにこの日は、お天気はよかった(笑)。ただ、吉坊がマクラでも話題にしていたが、この劇場の終演時間は百貨店がとっくの昔に営業を終えている時間なので、外へ出るのが一苦労なのである(笑)。特に悪天候の日なんぞは困りものである。「百貨店内やから濡れずに来てもらえるはずが、帰りは結構濡れるというお声もありまして…」とご本人も承知している模様。いやホンマ、あれはちょっとねぇ(笑)。

<ネタ帳>
1.「元犬」 桂福丸
2.「池田の猪買い」 桂吉坊
仲入り
3.「歌うスタンダップコミック」 寒空はだか
4.「土橋万歳」 吉坊

三味線:浅野美希
鳴り物:桂福丸、笑福亭生寿、林家染八
笛:林家染八
ツケ:笑福亭生寿
舞台番:林家染八

開口一番に登場は、福丸。何度か高座を拝見している。灘中・灘高、京大法学部。世の中には賢い人がいるもんだと感心していたもんだが、いつの間にか10年選手。福団治門下らしくきちんとした高座で、聴きやすい。色んな人で『元犬』を聴いてきたが、志ん朝師匠は大別格として、福丸のそれもなかなか良い。で、このハナシ、こういうオチやったかな~?

吉坊、最初は『池田の猪買い』。季節もので攻めてきた。ここらへんのネタには苦労の形跡は感じなく、堂々たるもんであった。走者三塁で簡単に外野へ犠牲フライを打つ好打者のような高座(笑)。丼池筋の北詰には橋が無い…。これ、覚えておこうと思うも、ちょっと待て、今現在、丼池筋そのものが存在していたっけ…?このハナシは、池田での展開よりも、池田にたどり着くまでの展開に可笑しみがあると信じてやまない小生だが、そこらへんを汲み取ってくれていたわけでもないだろうけど、そこらへん面白く聴けた。池田に着いてからは、ちょっとばかりダレたかな? あ、それはあくまで小生の都合であって、吉坊のハナシの巧拙とはまったくかかわりのないダレである。

毎回「なるほど!」とうならせるチョイスで、この会の楽しみの一つがゲストのお時間。今回は「歌うスタンダップコミック」の寒空はだかを招いた。しかし凄まじい芸名やな(笑)。繁昌亭でもたまに名前を見かける。そのためか、こっちの客がクスッとしそうなツボは押さえており、それも付け焼刃感皆無で、客受けも良い。極めつけは歌であった。あれは忘れようにも忘れられんわな。一種の洗脳。タワ~、タワ~の歌声があの日以来、頭の中を駆け巡るのであった。罪なことをしてくれたもんだ(笑)。

トリは吉坊で『土橋萬歳』。これ、オチが難しいよ。お客の側からすれば「超上級編」よ。それこそ福丸の学歴程度の「落語脳」が要求されるかも。小生はわかりましたけどね、と何気に秀才気取りだが、わかるまでに数十秒要した(笑)。文楽、歌舞伎の人気演目『夏祭浪花鑑』を知っていれば、なお一層楽しめる芝居噺という一面も持っているネタ。そこは吉坊らしくきちんと芝居も見せてくれる。芝居噺として聴かせるのか、放蕩癖を戒める噺として聴かせるのか、あれもこれもあり~のの複合商業施設として聴かせるのか…。吉坊はどうしたかったのだろうと思ったが、きっとそこらが難しいのか、やる人も少ないのであまり他との比較もしにくい。なので吉坊くん式の『土橋萬歳』を構築してまた聴かせてもらいたいと思った。そういう意味では、彼の中でも葛藤はあったのかなと勝手に想像。多分、そんなことはないのだろうけど。で、余談ながら、ちょっとツケのタイミングおかしなかったか? どんなことでも「キッカケ」は大事やで~。

さて、来年は「5月24日」だとのこと。24日やで、24日!
どなたさんもお間違えなきようにと、会場にいた人だけにわかる小ネタで、締めておきましょう(笑)。

(平成29年11月15日 近鉄アート館)



 


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