今年も大晦日となりました。そして恒例の「今年読んだ本」。さらには今回が年内最後の投稿。今年も長ったらしい駄文におつきあいいただき、感謝いたします。
先日、大型書店の入り口付近で、小学校に行ってるか幼稚園児かくらいの女の子が、その子の母親らしきご婦人に、買ってほしい本があるから本屋に行こうと言ってたんだけど、その母親らしき女性は「本みたいなしょうもないもん買わんと、もっとゲームソフト増やしなさい。さあ、ゲーム買いに行こう!本みたいなしょうもないもんいりません!」って…。
いやもう、唖然とするを通り越して殺意すら感じたね、あの女には。当方が本好きだから言うのでなく、子供が「本買ってほしい」って言ってるんだから、親なら喜んで買ってやりなよ~って思うんだけど、最近はそうじゃないんですか? よりによって「本みたいなしょうもないもん」って2回も言うなんて…。そして「本よりもゲームソフト!」と子供に向かって大衆の面前で力説するんだからもはや…。明らかに親自身がゲーム欲しいんだろ、みえみえだな。かわいそうだったなあ、あの女の子。そのうち「学校なんか行かんと、家でゲームしてなさい!」なんて言い出しかねないぜ、あの女なら…。
幸か不幸か、ゲームにはまったく興味ない小生は、今年も42冊を読了。およそ8.7日に1冊のペース。もちろん、一日で読み終えたものもあれば、手こずって1ヶ月を要したものもある。でも毎年言うけど、本との出会いはまさしく「天の配剤」であって、やっぱり出会うべくして出会ったのだなと、いずれの本も読み終えて思うのである。引き寄せられたんだろうなと思うのだから不思議だ。あの女の子にも、そんな日が来るといいね。
『青春の上方落語』 (著)笑福亭鶴瓶、桂南光、桂文珍、桂ざこば、桂福團治、笑福亭仁鶴 (編)小佐田定雄
NHK出版新書 886円
『光』 三浦しをん
集英社文庫 648円
『現代中国悪女列伝』 福島香織
文春新書 882円
『勇者たちへの伝言 いつの日か来た道』 増山実
角川春樹事務所 1728円
『わが町・青春の逆説』 織田作之助
岩波文庫 987円
『舞台』 西加奈子
講談社 1512円
『マリアビートル』 伊坂幸太郎
角川文庫 780円
『中国複合汚染の正体』 福島香織
扶桑社 1404円
『人間小唄』 町田康
講談社文庫 630円
『箸の持ち方―人間の価値はどこで決まるのか?』 適菜収
フォレスト新書 972円
『夫婦善哉・怖るべき女 – 無頼派作家の夜 』 織田作之助
実業之日本社文庫 630円
『東京ピーターパン 』 小路幸也
角川文庫 504円
『小山三ひとり語り』 中村小山三
演劇出版社 2052円
『アメリカ様』 宮武外骨
ちくま学芸文庫 1050円
『純平、考え直せ』 奥田英朗
光文社文庫 609円
『プロ野球解説者を解説する』 広尾晃
イースト・プレス 1365円
『グラスホッパー』 伊坂幸太郎
角川文庫 620円
『レイジ』 誉田哲也
文春文庫 630円
『文楽へようこそ』 桐竹勘十郎、吉田玉女
小学館 1620円
『実録テレビ時代劇史』 能村庸一
ちくま文庫 1680円
『学生との対話』 小林秀雄
新潮社 1365円
『開幕ベルは華やかに』 有吉佐和子
文春文庫 788円
『ぼくの守る星』 神田茜
集英社 1296円
『南海ホークス ナンバ栄光と哀しみの故郷 (追憶の球団)』 広瀬叔功
ベースボールマガジン社 1620円
『こいわすれ』 畠中恵
文春文庫 637円
『円卓』 西加奈子
文春文庫 508円
『神経病時代・若き日』 広津和郎
岩波文庫 630円
『清朝の王女に生れて―日中のはざまで』 愛新覚羅顕琦
中公文庫 864円
『くちびるに歌を』 中田永一
小学館文庫 669円
『婚礼、葬礼、その他』 津島記久子
文春文庫 504円
『芙蓉の人』 新田二郎
文春文庫 551円
『中国食品工場のブラックホール』 福島香織
扶桑社新書 821円
『忍びの国』 和田竜
新潮文庫 637円
『我が家の問題』 奥田英朗
集英社文庫 605円
『断弦』 有吉佐和子
文春文庫 605円
『夏子の冒険』 三島由紀夫
角川文庫 562円
『浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち』 石井光太
新潮社 1620円
『江口の里 – 初期短篇集』 有吉佐和子
中公文庫 950円
『秋月記』 葉室麟
角川文庫 734円
『地下の鳩』 西加奈子
文春文庫 572円
『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎
新潮文庫 961円
『脊梁山脈』 乙川優三郎
新潮社 1836円
個々の感想は割愛するが、自分で言うのもなんだけど、まあなんともバラエティに富んだ選択をしているなあと。どれも印象深かったのは言うまでも無いが、特に印象深くこれからも何度も読み返したいと思ったのは、
『勇者たちへの伝言 いつの日か来た道』 増山実
阪急ブレーブスのみならず、昭和40年代のパ・リーグを知る者なら、胸にグッと迫るストーリー。今の野球ファンにも是非とも読んでほしい作品。
『小山三ひとり語り』 中村小山三
歌舞伎界の生き証人とも言うべき中村小山三丈の一人語りの形でまとめられており、大正から現代に至る歌舞伎の貴重な資料としても超一級。
『レイジ』誉田哲也
『武士道』シリーズに熱中した人なら、必ずや同様に熱中してしまうはず。今度は男子の友情、青春、バンド活動の物語。やっぱ男子のこういう物語は、泣けるねぇ。
『学生との対話』 小林秀雄
昔の大学生など若者たちと小林秀雄の対話集。非常に示唆に富んだやりとりの連続で、まあ極端な話、これを生涯毎日繰り返し読むだけの読書人生であっても損はしないと感動。
『清朝の王女に生れて―日中のはざまで』 愛新覚羅顕琦
清朝最後の皇帝にして、満州国皇帝の愛新覚羅溥儀の娘、顕琦さんの自叙伝。まさに日中間の歴史の波に翻弄された人たちの生涯を知ることができる。
『断弦』 有吉佐和子
自分が最初に有吉作品を読んだのが第2章にあたる「地歌」だった。20歳代の作者のみずみずしい文体とぬかるみのような古典芸能の世界の化学反応がおもしろい。
『浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち』 石井光太
耳では知っていたが、実態を知らなかった戦後の「浮浪児」について、その始まりから人生の果てまでをしっかりと調べ上げている。今年読んだ中でも最高の一冊だったかもしれない。
なお、お値段はご参考までに。税込表示なので消費税の関係で購入当時と今では違うものある故に。
あんまり読み過ぎると、相当なヒマ人と思われてしまう(実際そうだがww)ので、来年は少しペースを落としたいなぁとも。本棚整理と煙草代稼ぎにたま~に古本屋に持って行くけど、それもあまりしたくはない、実は。でももう、置き場がない。本棚が横に破裂しそうな気がして、ちょっと怖い(笑)。
三が日はかなりな冷え込みになるとのこと。どなたさんも御身お気をつけの上、よき新年を!
羊年多吉祥,萬事皆如意!
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。