【今年読んだ本 2014】披露するほどではないですが。

今年も大晦日となりました。そして恒例の「今年読んだ本」。さらには今回が年内最後の投稿。今年も長ったらしい駄文におつきあいいただき、感謝いたします。

先日、大型書店の入り口付近で、小学校に行ってるか幼稚園児かくらいの女の子が、その子の母親らしきご婦人に、買ってほしい本があるから本屋に行こうと言ってたんだけど、その母親らしき女性は「本みたいなしょうもないもん買わんと、もっとゲームソフト増やしなさい。さあ、ゲーム買いに行こう!本みたいなしょうもないもんいりません!」って…。
いやもう、唖然とするを通り越して殺意すら感じたね、あの女には。当方が本好きだから言うのでなく、子供が「本買ってほしい」って言ってるんだから、親なら喜んで買ってやりなよ~って思うんだけど、最近はそうじゃないんですか? よりによって「本みたいなしょうもないもん」って2回も言うなんて…。そして「本よりもゲームソフト!」と子供に向かって大衆の面前で力説するんだからもはや…。明らかに親自身がゲーム欲しいんだろ、みえみえだな。かわいそうだったなあ、あの女の子。そのうち「学校なんか行かんと、家でゲームしてなさい!」なんて言い出しかねないぜ、あの女なら…。

幸か不幸か、ゲームにはまったく興味ない小生は、今年も42冊を読了。およそ8.7日に1冊のペース。もちろん、一日で読み終えたものもあれば、手こずって1ヶ月を要したものもある。でも毎年言うけど、本との出会いはまさしく「天の配剤」であって、やっぱり出会うべくして出会ったのだなと、いずれの本も読み終えて思うのである。引き寄せられたんだろうなと思うのだから不思議だ。あの女の子にも、そんな日が来るといいね。

『青春の上方落語』 (著)笑福亭鶴瓶、桂南光、桂文珍、桂ざこば、桂福團治、笑福亭仁鶴 (編)小佐田定雄
NHK出版新書 886円

『光』 三浦しをん
集英社文庫 648円

『現代中国悪女列伝』 福島香織
文春新書 882円

勇者たちへの伝言 いつの日か来た道 増山実
角川春樹事務所 1728円

わが町・青春の逆説 織田作之助
岩波文庫 987円

舞台 西加奈子
講談社 1512円

マリアビートル 伊坂幸太郎
角川文庫 780円

中国複合汚染の正体 福島香織
扶桑社 1404円

人間小唄 町田康
講談社文庫 630円

箸の持ち方―人間の価値はどこで決まるのか? 適菜収
フォレスト新書 972円

夫婦善哉・怖るべき女 – 無頼派作家の夜 織田作之助
実業之日本社文庫 630円

東京ピーターパン 小路幸也
角川文庫 504円

小山三ひとり語り 中村小山三
演劇出版社 2052円

アメリカ様 宮武外骨
ちくま学芸文庫 1050円

純平、考え直せ 奥田英朗
光文社文庫 609円

プロ野球解説者を解説する 広尾晃
イースト・プレス 1365円

グラスホッパー 伊坂幸太郎
角川文庫 620円

レイジ 誉田哲也
文春文庫 630円

文楽へようこそ 桐竹勘十郎、吉田玉女
小学館 1620円

実録テレビ時代劇史 能村庸一
ちくま文庫 1680円

学生との対話 小林秀雄
新潮社 1365円

開幕ベルは華やかに 有吉佐和子
文春文庫 788円

ぼくの守る星 神田茜
集英社 1296円

南海ホークス ナンバ栄光と哀しみの故郷 (追憶の球団) 広瀬叔功
ベースボールマガジン社 1620円

こいわすれ 畠中恵
文春文庫 637円

円卓 西加奈子
文春文庫 508円

神経病時代・若き日 広津和郎
岩波文庫 630円

清朝の王女に生れて―日中のはざまで 愛新覚羅顕
中公文庫 864円

くちびるに歌を 中田永一
小学館文庫 669円

婚礼、葬礼、その他 津島記久子
文春文庫 504円

芙蓉の人 新田二郎
文春文庫 551円

中国食品工場のブラックホール 福島香織
扶桑社新書 821円

忍びの国 和田竜
新潮文庫 637円

我が家の問題 奥田英朗
集英社文庫 605円

断弦 有吉佐和子
文春文庫 605円

夏子の冒険 三島由紀夫
角川文庫 562円

浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち 石井光太
新潮社 1620円

江口の里 – 初期短篇集 有吉佐和子
中公文庫 950円

秋月記 葉室麟
角川文庫 734円

地下の鳩 西加奈子
文春文庫 572円

ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎
新潮文庫 961円

脊梁山脈 乙川優三郎
新潮社 1836円

個々の感想は割愛するが、自分で言うのもなんだけど、まあなんともバラエティに富んだ選択をしているなあと。どれも印象深かったのは言うまでも無いが、特に印象深くこれからも何度も読み返したいと思ったのは、
『勇者たちへの伝言 いつの日か来た道』 増山実
阪急ブレーブスのみならず、昭和40年代のパ・リーグを知る者なら、胸にグッと迫るストーリー。今の野球ファンにも是非とも読んでほしい作品。

『小山三ひとり語り』 中村小山三
歌舞伎界の生き証人とも言うべき中村小山三丈の一人語りの形でまとめられており、大正から現代に至る歌舞伎の貴重な資料としても超一級。

『レイジ』誉田哲也
『武士道』シリーズに熱中した人なら、必ずや同様に熱中してしまうはず。今度は男子の友情、青春、バンド活動の物語。やっぱ男子のこういう物語は、泣けるねぇ。
『学生との対話』 小林秀雄
昔の大学生など若者たちと小林秀雄の対話集。非常に示唆に富んだやりとりの連続で、まあ極端な話、これを生涯毎日繰り返し読むだけの読書人生であっても損はしないと感動。

『清朝の王女に生れて―日中のはざまで』 愛新覚羅顕
清朝最後の皇帝にして、満州国皇帝の愛新覚羅溥儀の娘、顕さんの自叙伝。まさに日中間の歴史の波に翻弄された人たちの生涯を知ることができる。

『断弦』 有吉佐和子
自分が最初に有吉作品を読んだのが第2章にあたる「地歌」だった。20歳代の作者のみずみずしい文体とぬかるみのような古典芸能の世界の化学反応がおもしろい。

『浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち』 石井光太
耳では知っていたが、実態を知らなかった戦後の「浮浪児」について、その始まりから人生の果てまでをしっかりと調べ上げている。今年読んだ中でも最高の一冊だったかもしれない。

なお、お値段はご参考までに。税込表示なので消費税の関係で購入当時と今では違うものある故に。

あんまり読み過ぎると、相当なヒマ人と思われてしまう(実際そうだがww)ので、来年は少しペースを落としたいなぁとも。本棚整理と煙草代稼ぎにたま~に古本屋に持って行くけど、それもあまりしたくはない、実は。でももう、置き場がない。本棚が横に破裂しそうな気がして、ちょっと怖い(笑)。

三が日はかなりな冷え込みになるとのこと。どなたさんも御身お気をつけの上、よき新年を!

羊年多吉祥,萬事皆如意!


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