Go! Go! HAWKS 2014
鷹の祭典 in 大阪
ホークスvs ライオンズ16回戦
号泣してもまだ足りない、嗚咽してもまだ足りない…。悲しく辛い、身を引き裂かれるような別れから26年。ついに、我らがホークスが生誕の地・大阪で主催試合を開催することになった。様々な問題をクリアして実現にこぎつけてくれた関係者の皆さんには、感謝あるのみ。
「鷹の祭典」については、ここではあれこれ説明しないでおく。説明すると、それだけで一つエントリ終わってしまうから(笑)。それでも「俺は知りたいんや!」って人は、各自勝手にググってくださいな。
大阪ドームへの道中、なんかソワソワしていた。このソワソワ、かつて幼い頃に大阪球場へ向かうときのソワソワに似ているのかもしれないが、今となってはそれが似ているのか全く違うものなのか、判別しようがない。これまた26年の歳月の仕業なのか…。
前日まで、バファローズの本拠地として、バファローズvsホークスの首位、2位対決(決して首位攻防戦じゃない、攻防戦なら、結果次第では順位が入れ替わるだろ?)が行われていた、紛れもないバファローズの本拠地が、今年の祭典カラーである「カチドキレッド2014」に染まっている。「うわぁ~、徹夜で赤く染めあげたんやろな~」と、その作業の早さに感心。
こんな幟がずらりとドームを取り囲む。そして、チケット売り場も祭典仕様に!
入場者全員に配布される「カチドキレッド2014」のユニフォームをもらって、座席へ向かう。この日は全席指定。バファローズ戦では、内野の一部と外野席は自由席なので、朝から並ぶんだけど、今日は全席指定なのでそんなに早く行く必要はない。と、言いながらも、ソワソワしてたまらん人が多いのか、試合開始2時間以上前なのに、大変な混雑ぶりである。
というわけで、「本日のお座席からの眺め」は、一塁側ベンチ間際の前から数列目のかなりよいお席に。外野族の皆さんには「え~!外野とちゃうんですか~?」って言われたけど、26年ぶりの主催試合、そして大阪で初めての「鷹の祭典」、外野でのべつまくなし応援しているより、ゆったりと良いお席で堪能したいじゃないかえ。違いますか?
ハリーやらおねーちゃんやらが出て来て、試合前の景気づけをするのは、福岡ドームの進行と同じ。この時点で、ライト側の下層席はほぼ満席。いつもは一人で3席独占したりしてゆったり座ってる皆さんも、この日は全席指定だからきっちし座らなければならい。でも、それによってライト側は赤い塊になって、迫力ある応援になっていた。やっぱりホームの試合はいいなあ、こうでなきゃね。こんな光景を見ているだけですごくワクワクしてくる。
ホークスの選手が守備位置に散る時、サインボールが内野席に投げ込まれるんだが、ちょうどそのとき、このヘルメットのミニチュアがついたポップコーンを買って席に戻ってきたところ。するとどうだ、中村晃の投げ込んだボールが小生に向かって飛んでくるじゃないか!ボールをキャッチしたいが、そんなことしたらポップコーンがあたり一面に飛び散って、大顰蹙を買うことになるじゃないか…。一瞬、身をかがめて、ボールは後方のご見物がキャッチした模様。でも、なんだか楽しいね、こういうのん。ホームゲームならではだな。
26年ぶりの主催試合は、面白い展開だった。そして26年前の最後の主催試合と同じように、勝利で飾ることができた。あのときは「引き分けでもええねん、負けてもええねん、せやから、もっと長い時間、試合見せてくれ!」って泣きながら叫んでいたけど、今日は心の底から「楽しめた」試合。
再び大阪の地で、一塁側からホークスを応援できるまで26年の歳月を要し、その間に南海、ダイエー、ソフトバンクとオーナー会社は二度も変遷したけど、「いつかそんな日が来るはず」と待った甲斐があったよなあ…。
しみじみと26年の歳月をかみしめながら、慈しむようにホークスの試合を観戦した。5歳のときからのつきあいやもんなあ、ホークスとは…。そんな俺、51歳でっせ(笑)。
第16回戦(H・11勝5敗0分)勝:森(4勝1敗0S) セーブ:サファテ(5勝1敗32S) 負:牧田(5勝8敗0S)
観衆:32,093人
見事な逆転劇だった。1回裏に先制しながらも、先発の帆足がまったくピリッとせず、あれよのうちに逆転され、5回表時点で1-5の劣勢。
しかしドラマの序章はその裏の攻撃。1死から今宮死球、中村四球で一、二塁。金子圭輔一ゴロの間に走者それぞれ進塁で2死二、三塁。内川中前適時打で走者二人が還って3-5の2点差に迫る。球場のボルテージが一気に高まる。ライトスタンドを中心とした怒濤のごとき大音量の声援が、いやがうえにも球場全体のムードを高揚させる。まるで優勝が決まる大一番のようなムード。これが「鷹の祭典」の威力、26年間待った「地元」の勢い。
グラウンド整備の間、来場者に配布された「鷹の祭典フラッグ大阪バージョン」が打ち振られたが、赤いユニフォームを着て赤い旗を振る人が球場を埋め尽くす光景は、圧巻だった。一瞬、文化大革命時代の天安門広場かと(笑)。<おっと、またシナ本土でアクセス禁止食らうわ(笑)。
立錐の余地なくびっしり埋まったライト側外野席。ホークスの「地元」大阪での動員力は、やはり凄まじいものがある。
飛行船がドームを飛び、ラッキーセブンの攻撃の始まりを告げる。
いつもは黄色い風船を飛ばすけど、もちろんこの日は「カチドキレッド」のジェット風船。『いざゆけ若鷹軍団』の大合唱。かつて大阪ドームで、これほどまでのボリュームの大合唱が起きたことがあっただろうか…。
中継ぎ陣の好投が、逆転劇を生み出すことに。それにしても森の投げっぷりの良さたるや!
そしてドラマは8回裏に訪れる。金無英、柳瀬、星野、森が敵方を1点に抑える好投でつなぎ、あとは攻撃陣の反撃を待つばかり。延長試合が連続して疲労感の蓄積がただならぬライオンズ投手陣は、先発牧田がこの回もマウンドに上がる。先頭の内川が二塁打。李大浩は遊飛に倒れるも、柳田がストレートの四球で1死一、二塁。ここで長谷川が「柳田が『歩かせていい』ような四球だったので、打ってやろうと思った」との言葉通り、右中間を破る二塁打で打者二人還ってついに追いつく! 比較的おとなしく観戦していた小生の周囲のご見物衆も狂い出さんばかりの大騒ぎ! これ、いつものように外野で見てたら、酸欠か心臓まひ起こして倒れてたやろな(笑)。
さらに明石の中前打、代打松中の打球をメヒアが野選で1死満塁、勝ち越しのチャンス!チャンス!チャンス到来! 「今宮戎ぅ~~!打てよぉ~~!」。ドームを揺るがす大声援にこたえ、今宮は中犠飛でついに逆転!! 文字で書いたら、たったこれだけの話だけど、あのときの球場の盛り上がりはすごかったなあ~。大阪の一塁側で、裏の攻撃のホークスの応援をするのが、こんなにエキサイティングなことやったんかと、改めて実感。
松中って、確かに三冠王ではあるけど、その当時からそれほど好きな選手じゃなかった。そしてここ数年は散々野次ってきた選手でもあった。が、この日、代打・松中のコールを聞き、その姿を目にした時、なぜかこみ上げるものがあった。なんでだろう…。
9回は守護神サファテが三者凡退に斬ってとり、見事、26年ぶりの大阪主催試合を勝利で飾った。敵軍の代打・森との対戦は、エキサイティングだった。あのスウイングの早さとバッティングフォームは、なるほど大器だなと。
勝って引き上げて来るナインを迎えるのは、気持ちがよろしいもんで。柳田もこの表情(笑)。スタンドは勝利のジェット風船が飛ぶ
ヒーローインタビューは同点打の長谷川と決勝打の今宮で。長谷川はまるで「野球狂」ならぬ「野球教」の熱心な成年信者のような受け答え(笑)。「面白い野次を飛ばされるお客さんもいる」って言ってたけど、あの人だろうな~、などと野次の主の顔を思い浮かべてみたりする(笑)。
ゴールドの雨が降る! 松中[3]はほんの少しレインメーカーを気取ってないか??(笑)
これも入場時に配布された「ルミカライト」。お客みんなで振って、鷹の祭典のエンディングが盛り上がる。
綺麗やったわ~、美しかったわ~。ホンマ、大阪で開催してくれてありがとう!
☆☆☆
こうして、ホークス26年ぶりの大阪主催試合となった「鷹の祭典IN大阪」は見事な逆転劇が決まり、幕を閉じた。これが決まったとき、「お客埋まるんかな?」と誰もが思っただろうけど、フタを開ければ、満員御礼止めには至らなかったものの、盆休み明けの月曜にもかかわらず、32,093人の大観衆がつめかけた。この数字は、前日までのバファローズvsホークスの31,128人、30,085人、31,106人、および翌日の阪神vs中日の25,012人を上回る動員数である。
「鷹の祭典」を待ち望んだ人、26年ぶりの「地元」主催試合を首を長くして待ち続けた人、来場の動機は来場者それぞれだろうけど、数字だけで見れば、来季も開催するに値するものではないかと思う。
往年の懐かしいユニフォームを復刻する企画もいいけど、ああいうのは小生は10年か20年に一度でいいと思っている。大阪については、このホークス生誕の地で毎年主催試合をすることが、オールドユニフォーム復刻以上に、この球団の歴史に思いを馳せることができる企画ではないかと思う。毎年1カード3試合だけでいい。ぜひ、大阪での主催試合をこれからも継続して行ってほしいと、切に願う。
(平成26年8月18日 大阪夜間)
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。
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