【SARS10年を回顧-3】*旧ブログ

2003年のSARS禍から10年。
当時の香港、大陸の状況を振り返っています。

今日はその3回目。

3月に入って、感染者数が増えてくると、たちまちマスクが不足し、ドラッグストアの前には行列ができるなど、「マスク一揆」の様相を呈してきます。

マスクですが、実のところ、予防に効力があるかどうかは、小生はいまだに「?」です。おそらく、ウィルスの飛散を防止するにはそれなりの効力があるとは思うのですが…。

街中の個人経営の薬局はもとより

大手ドラッグストアも
「マスクよこせ!」
と市民が仕事そっちのけで押し寄せていました

【3月19日】
■マスクの需要が一気に高まり品不足が深刻に。

■ウェールズ病院は消防に対し、急患は近隣地区の救急センターへ回すように連絡。またICU設備とリソース確保のため、新界東地区の病院網での非緊急外科手術も即日、23日まで停止することに。

■広州では、少なくとも5000人が感染し、多数の死者が出ているとの噂広がるが、広東省当局は「峠は越した」とのみコメント。

■病原体はウイルス(パラミクソ科)と電子顕微鏡で同定されたとの情報。今後、核酸(RNA)の解析を急ぐとのこと。「インフルエンザほど容易に空気感染はしない」(香港の微生物学者)。「ただし換気の悪い場所、人ごみは避けること」(政府当局者)。

■ウェールズ病院は、院内SARS感染の感染源であった病室に入院していた男性1名が18日夜、亡くなったと発表。死因は未発表。

■ベトナム・ハノイのフレンチ・ホスピタルで、66歳のフランス国籍医師がSARSにより死亡。この病院では、米国籍華人のSARS患者(香港へ移送されたが死亡)を看護していた看護婦も先週末SARSで死亡している。

■ベトナム・ホーチミン市で米国籍の11歳男児がSARS発症。WHOによれば、この男児は学校主催の旅行でベトナム北部へ行き、ハノイ市にも入っているという。フレンチ・ホスピタルでのSARS感染とは無関係と見られる。

■3月初旬に香港と中国を訪れていたブルネイの石油会社の女性職員が、帰国後に肺炎を発症。SARSの疑いで目下隔離され治療中。

■中国衛生部は、数時間前の「山西省の夫婦がSARSで3月7日と3月15日に北京で相次いで死亡した」なる報道の事実関係について発言を拒否。

■中国衛生部・張文康部長は、「実は広東省では2002年11月頃からSARSが流行していたのだが、専門家の治療と原因分析の後、予防措置も取られ、現在は既に病気の蔓延は抑えられている」と発言。新華社の報道では、張部長は北京でWHOの駐中国代表と会見した際、広東省の一部の地域で広がったSARSについての説明をした。

■香港のSARS患者は145人に増加。うち医療関係者は70人。死者は5名

■メトロポールホテル(京華國際酒店)9階が発生源? 衛生署は、香港で感染したSARS患者のうち7名は、いずれも今年2月中旬から今月(3月)初旬にかけて、九龍のメトロポールホテルの9階に宿泊していたことが分かった、と発表。7名の宿泊客のうち3名はシンガポール人で、2名がカナダからの客、1名が64歳の中国本土からの客、そして1名が香港人。ウェールズ病院の最初の感染源となった肺炎患者も、このホテルの9階に友人を訪ねて行ったことが明らかに。このため、衛生署・陳馮富珍(マーガレット・チャン)署長は、同ホテルに9階の閉鎖および消毒作業を命令。9階に宿泊中の客は全員別のフロアに移動。なお、同ホテルの職員でSARSを発症した者は見つかっていない。

<メトロポールホテル宿泊者に始まる感染経路>
<図説>
A 中山医学院教授(64)は、広州で対応した患者(2月15日死去)から感染。2月21日に来港、メトロポールホテルに宿泊。その間、ロビーやエレベーターでウィルスを拡散したと思われる。(感染拡大、最初の最初)
B 同ホテルに宿泊していた78歳のカナダ人女性は、帰国後発病し、死亡。
C 米国籍華僑は宿泊後、ベトナムに帰国し、発病。同時に現地医療スタッフに感染、当人は香港へ移送され治療を受けるも、死亡。
D 72歳のカナダ人男性は、同ホテルで感染。セント・ポール病院に入院、多数の医療スタッフに感染。
E 同ホテルに宿泊歴のあるシンガポールからの観光客女性3名は、帰国後発病、現地医療スタッフ数名にも感染。
F 26歳の香港人は、同ホテルに友人を訪問した際に感染。入院後、医療スタッフに感染。(ウェールズ病院院内感染の最初の患者)
G 2月22日に「A」の教授が廣華病院に入院。その際、妻、妹、妹の旦那、その他2人に感染。

■TVB・18:30のニュースより:香港專業教育学院は、同校の沙田分校で、学生1名がSARSの疑いがあると発表。学校側はこの学生(設計科1年生、広華病院に入院中)の同級生360に、即日7日間の臨時休講を通達。また学生と教職員に、万が一怪しい病状が出たらすぐに医師の診断を受けるように呼びかけた。同分校では教室の消毒、語学ラボの使用停止に踏み切った。

【3月20日】
米国衛生当局はSARSの疑いのある11件の症例を確認。患者はみな東南アジア渡航歴あり。フランスでは15名がSARSの疑い。同様に東南アジア帰り。

■9階部分を全部封鎖し消毒することになっているメトロポールホテルだが、アメリカから来た中国人宿泊客は、昨晩も9階に泊まっていたと語る。「誰も私に、9階を封鎖して消毒すると連絡してくれなかった」と、大変心配している。ホテル側は、昨晩ようやく9階宿泊客を移動させる手配が整ったが、早くても今日の昼にならないと全ての宿泊客全員を移動させられない。そのため、昨晩の時点では9階にお泊り頂いた、との言い訳。一部の客はマスクをしてホテルに出入りしているが、衛生署が大丈夫だと言うし、潜伏期も過ぎたから平気だろうと言う人も。

■メトロポールホテル、ようやく9階部分を封鎖し、消毒作業実施。

■香港のSARS症例は165件に増加(前日より20増)。本日1名死亡死者は広州から香港へ来ていた大学教授(すでに死亡)の親戚。ここまでで香港でのSARSによる死者は6名。

■衛生署は240名の医療関係者の家族を調査。その結果6名が家族との接触で肺炎を起こしていることがわかった。全員2~15歳のこども。15歳の女の子は重症。衛生署は児童らの通っている学校を調査。学校児童には感染なし。

■イミグレーション職員1名がSARS感染。この職員は、昨日仕事の後具合が悪くなり、医者の勧めで入院した。湾仔(Wanchai)イミグレーション本部ビル内の公共関係組オフィスは既に消毒作業が行われた。他の職員が感染しているという報告はまだない。イミグレーションでは、各職員に衛生に気をつけるよう指導。またマスクと手袋を用意した。

■衛生署は、4名の学童がSARSに感染していることを確認。いずれも現在入院中。そのうち双子の姉妹は重体。德愛書院と協和書院の生徒。4人のうち2名は、15歳の双子の女の子、5歳の女の子、7歳の男の子。

■沙田聖公会主風小学校は本日夜、職員会議を開き、21日の臨時休校を決定。7歳の児童1名がSARS感染だと診断されたため、校内を消毒する。校内ではウイルス検出はできず、他の児童の感染もみられていない。

東京都の半分ほどの面積に人口700万人ほどが密集する香港。ここで165人が感染し6人が死亡というのは、かなりの恐怖であります。

報道で知る限りでは、まだまだ感染者が増えそうな雰囲気があり、一体、これからどうなるのか…、非常に不安な日々が続くことになります。

ただ、165人感染・死者6人というのは、まだまだ序の口だったわけで…。

地下鉄乗っても、み~~~~~んなマスクしてました

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