【立法会補選は散々】*旧ブログ

久々の香港政治ネタ。
そして久々に香港ネタの記事が新聞に出たというわけですが。
どなたも関連ブログ書かれてませんね…。
まあ、今の香港の注目度ってそんな程度でしょう。


香港補選、民主派議員の狙い不発に 投票率も低迷
香港立法会(議会、定数60)の民主派議員5人が、民主化を争点に民意を問うとして一斉辞職したことに伴う補欠選挙が16日、行われた。対立する親中派が候補者を立てなかったため二者択一の構図が成立せず、投票率は投票締め切りまで1時間残した午後9時半(日本時間同10時半)時点でわずか15・8%。5人の再選は確実視されているが、民主化をめぐる「住民投票」にするとの思惑は不発に終わった。
5人は、直接選挙による香港トップの行政長官選の早期実施などについて民意を問うとして1月末に辞職し、補選に再出馬。5選挙区で行われた補選は各選挙区でほかに1~7人が立候補したが、5人以外はほぼ全員が無名だった。即日開票され、最終結果は17日午前に判明する見通し。 2008年9月に行われた立法会選の投票率は45・2%だった。(共同)


「2012年の行政長官と立法会議員選挙の制度改正案」に反対する民主派の一部勢力=公民党、社会民主連線が、市民に是非を問う!として、立法会議員5人が辞職。
それに伴う補欠選挙の投票。

午前7時30分~午後10時30分の投票時間に約57万9000人の登録済み有権者が投票。
投票率は17・1%
返還後に行われた立法会議員選挙(補選を含む)の中で最低

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時間別投票率推移(東方日報)

結果は、辞職した議員がすべて復活。
なんかヘン?
辞職したのにまた立候補して、ほいで当選?
そんなんアリ?

公民党と民主社会連線は実質上の「住民投票」をもくろんだわけだが、民主派の中では、民主党や民協は参画せず足並みはそろわず。
またその一方で、「建制派=親政府派」(よく、「親中派」とされるが、民主派の対抗勢力という点では、親中派を含む「建制派」とする方が正しい)は「参加せず、討論せず、投票せず」の姿勢で補選の候補者を立てず、補選を政治手段に利用するなんて「税金の無駄」と批判。

さらに直前になって、曽蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官自らが
「このたびの補選は特殊な性格を持ち、熟慮の結果、投票しないことを自ら決めた
と述べ、閣僚らも同じく棄権することを表明していた。

返還前に民主派は、親中派(当時はまさしくそういう勢力だった)が、事前に返還後1年間の暫定議会となる臨時立法会議員選挙を自分たちだけで行ったことに
「自分たちで自分たちに投票し、自分たちを選ぶ世にも奇妙な選挙」
と批判したが(これとて、民主派が意固地なまでに参加を拒否しただけのこと)、結果として今回の補選はそういうことになったわけで、これまた世にも奇妙な補欠選挙になってしまったという、お笑い沙汰であります。

選挙結果に、当選者や支持母体、民主派の心のよりどころたる『蘋果日報』などは
「民主の勝利、民意は選挙法改正を願っている!」
なんて言ってるようだけど、こりゃ負け惜しみだね。

辞職した立候補者以外は完全な泡沫候補。さらにその泡沫も、辞職議員と温度差はあれど概ね、何らかの形で選挙法のありかたに異を唱えている。
そして投票率が17%、、、
ということは、残りの83%ほどの有権者は、この補選そのものに「NO」を突き付けたんじゃないか???
なにせ1票につき納税者1人当たりHK$300(約4200円)の血税があてられるという選挙費用についても
「あいつら、なにやってんだか…」
ってもんだ。

ちなみに、香港永久居民である小生は、しかるべき登録をすれば立候補も投票もできます。
前回の2008年立法会選挙は、投票しました。
もし今回も香港に住んでいて選挙人登録したとして、投票したかどうかと考えてみるに、やはり投票はしなかったのではと思っています。
まず、自分が「反民主派」であること。
そうだからこそ、白票を投じたとしても、民主派の思う「住民投票」には賛同したことになる…。
ならば投票率を下げることで、民主派の行動や意見に「NO」を突き付けたい、と思うのです。

そういう点では、おそらく今回は選挙人登録自体が非常に少なかったのではと思います。
となると、実際の投票率は17.1%よりももっと低かったことになります。

毎度毎度言いますが、香港人の普通の考えとして、
「民主化大いにOK! 行政長官の直接選挙OK! 立法会全議席の直接選挙も実現させて!」
ですが、だからと言って、今日明日というわけでもなく、中央とうまく交渉して
「できるだけ早く実現出来りゃ、それでOKなんじゃない?」
「普通選挙、普通選挙ってそこまでしゃかりきにならなくってもいいよ」
という程度。
そういう普通の香港市民の普通の感覚が表れた選挙だったと言えますね。

こちらの過去エントリもご参照下さい
【色もの議員が香港を混乱させる】2010年1月24日


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