派遣切りなどの「非正規雇用社員」へのリストラにより、海外に職を求める人もいるようだが、その現実はとても厳しい。
3月11日に届いた『日刊香港ポスト』では、10日付の当地『文匯報』で報じられた「深圳の日本人失業男」の厳しい就活事情を伝えている。
■日本人の失業男性が深圳で職探し
9日付深圳紙は、日本で失業した日本人男性が深圳市で職探しをしている様子を報じた。記事によれば、男性は日本の電気機器メーカーで非正規従業員として勤務していたが、昨年10月に解雇され、住んでいた寮からも退去させられた。解雇前の手取り月給は米ドルにしてわずか700ドル。蓄えもなく、現在は珠江デルタで中国人が経営する工場などを回り就職活動をしている。男性は面接時に「技術もあります。なんでもします」と語り、人事担当者から条件を聞かれて「とにかく仕事が欲しい。あとは食事ができて、住む所があればもう十分」と答えたという。記事には、「これは極端なケースだが、つてを頼って来る日本人の失業男性は明らかに増えている」として、1週間深圳で就職活動をしたが言葉が通じず、あきらめて帰国した日本人技術者もいると記されている。10日付『文匯報』が伝えた。
つい数年前まで、ってか1年ほど前まで、「定年後の第二の人生を!」と、珠江デルタの工業地帯を目指す定年退職後の日本人技術者や工場マネジメント経験者の転職ブームだったはずなのに。
いや、きっとそういう人は今でも引く手あまたなんだろう。
「つてを頼って来る日本人失業男性」も、いろいろなんだろうなぁ…。
この記事にある元「非正規従業員」がどんな経験や技術を持っているかは知らないけど、解雇前の月給がUS$700ってことは、7万円弱?
そりゃ、大陸の工場で寝食がつけば申し分ないんだろうけど…。なんかやるせない話ですよ…。
イケイケの時代ならまだしも、今はねぇ。
先日、ある人材紹介会社の社長と話をしていたのですが、例年なら旧正月明けから一気に求人が伸びるのだけど、今年は低迷しているとのこと。
勤務先の香港撤収で小生も解雇されたわけですが、40代半ばの人間を「はい、はい、どうぞ!」と雇ってくれる会社など、香港にも日本にもないだろうってわけで起業したのですけどね。
ひとつ間違えたら、この記事の人たちのようなことになっていたかもわかりません。
他人事じゃないですよねぇ…。
で。
厳しい言い方すると、「あんたたち、なんで広東省で就活してるわけ?」です。
製造業ですよね、恐らく前職の非正規雇用元は。なぜ、クビになったかをわかっていれば、広東省へ職を求めて来るはずないでしょう。
広東省では昨秋から、工員のリストラはもちろん、工場丸ごと夜逃げとかが頻発しているのは、日本でも度々報道されているはず。なのに…。なのにアナタは広東省へ。
事前調査をきちんとしていれば、見知らぬ土地で惨めな思いをしなくてもすんだのではないでしょうか…。
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COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 03/12/2009 18:25:35
しかし件の男、シナ語が話せるんでしょうね、カントンで職探しとは。
なんだかシナ語学習者もずいぶんと落ちぶれたもので、実に身につまされるハナシでした、うううむ・・・・・
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 03/13/2009 13:37:39
To 丸山光三さん
どうなんでしょうね?仮に話せなくても、キャリア(技術力やマネジメント力)次第では職はあるはずなんですが。
言語もキャリアも無しで、ここへ仕事を求めて来たとしたら、民工と変わらないじゃないですか。いや、民工はまだシナ語ができる…。なんだかなぁ、やるせないなぁ…。
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。