【香港ポストが隔週化に】*旧ブログ

香港で発行されている邦字媒体で最古の『香港ポスト(週刊)』が、3月から「しばらくの間(発行者からの案内文)」、隔週発行に。
『香港ポスト』で見た、数行の求人案内広告が、その後のぼくの人生を大きく変えてしまったのが、1995年のちょうど今頃のこと。その5月末にはもう、香港で働いていたわけですからね。
当時の『香港ポスト』は「週刊」とはいえ、香港で唯一の邦字「新聞」。まだ朝日や日経、読売の現地印刷は始まってなく、今のようにフリーペーパー花盛りという時代でもなかったから市場独占状態でしたね。
だからかどうか、紙面も活気があったような気がします。

とくに在住邦人にもかかわる大きな出来事があると、インターネットなんて普及していない時代でしたから、独壇場でしたね。
1996年の尖閣騒ぎで連日大掛かりな反日デモや抗議行動が起きたときなんかは、日系書店では売り切れ、増刷したということですから、どれだけ在住者に頼られていた存在だったがわかります。

そんな『香港ポスト』が隔週化とはね~。
ネットの普及や乱立するフリーペーパーなど、情報氾濫時代に「週刊」で発行される「新聞」がすでに化石のような存在になっていたのかもわかりません。
そうした時代の流れに食らいつこうと、いつの間にか『香港ポスト』は「無料化」され、『朝日新聞国際版』にも毎週折り込まれ、日系スーパーや飲食店で無料配布されるようになりました。

ただ、かたくなに「新聞」の体裁を保ったことで、せっかくの無料化もあまり意味がないんじゃないかと、傍目には思えました。
他の無料媒体と比べるとあまりにも無色透明。まったく存在感ありません。
タブロイド版なんだし、『夕刊フジ』や『ゲンダイ』みたいにトップの見出しで勝負、みたいな大胆な紙面改革が必要だったんじゃないですかね。

そして此度の隔週化となるわけですが。
一言で言えば、広告の減少でしょうね、原因は。
よもや「無料にすれば部数も増えるだろうから、広告もあふれかえるだろう」なんて思ってなんていないでしょうが…。
こういう時代ですから、どの媒体も広告が目に見えて減っているわけです。そんな中で、生き残るためには、ひとえに広告営業の力あるのみだと思います。
それは脂ぎった体育会系のガツガツの営業ってことじゃなく、企画力とかデザイン力とかで、広告主といっしょに紙面を作る力だと思います。

たとえそれが1段1/3のわずかなスペースであったとしても、広告主は相当な決意で広告経費を捻出するわけですから、その決意に応えることができる「力」とか「技」、そんな営業力、あるいは「男気」みたいなのん。
いま、香港・広東省にはたくさんの日本語無料媒体がありますが、ほとんどの広告紙面が「スペースブローカー」的業務で精一杯という雰囲気。でも、読者にそれを察知されたら、マズイでしょう。もちろんそれを「売り」にしている媒体もあるわけですけど。
そんななかでやはり、無色透明感の強い『香港ポスト』は営業力の弱さもひときわな感がしますね。「スペースブローカー」的な営業をしているという片鱗すら見られない…。こんなことを読者に簡単に見抜かれているってのは、相当な弱さだと思いますがね。
営業力の弱さってのは隔週化もさることながら、20ページ建てが16ページに減ページされていることからも明らかですね。4ページも畳んでしまったにもかかわらず、自社広告が非常に目立ちます、イベント告知とかの「積極性」のある自社広告じゃなく、明るくさわやかに「広告募集!」なんて、そんなんコッソリやりなはれ…。
ま、一読者の客観的見解です。いろいろとご事情もあるんでしょう。ただ、毎週が隔週、20ページが16ページとかってのはどう考えても世間は悪いように解釈しますからね。
で、冒頭の話に戻りますと、14年前にぼくの人生を大きく変えたは『香港ポスト』に掲載されていた求人広告。そんな媒体の発行形態縮小化は、ちょっと感傷的になりますね…。
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COMMENT:
AUTHOR: ゆうぞう
DATE: 03/07/2009 05:05:15
ひとごととは思えません。
この恐慌で、紙媒体は大変な目にあってるんでしょうが。
「香港ポスト」で人生変わったんですね。
それも、ひとごととは思えません。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 03/07/2009 13:30:43
To ゆうぞうさん
>「香港ポスト」で人生変わったんですね。
たった数行の求人広告で。
広告ってときに罪なことをするもんです。


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