【北京五輪ネタ】劉翔かぁ。*旧ブログ

なんだか気に入らないヤツなんですが。
それはやっぱり過去に
「私はアジアの代表だが、その中に日本人は含まれない」
なんてほざきやがったからなんですけど。

そんな嫌な野郎ですが、まあ、気の毒ですな、あの大観衆の中で、いや、全球14億中華民族とやらが期待する中での「棄権」は。
香港の五輪報道でも、専門医が出てきて詳しい解説したりしてましたが、「棄権」の真相は負傷だけかな?
たしかにCM出まくり、さぞかしがっぽり稼いだんだろぉ~、てめぇー!、ってネットでの批判の声、わかります。こちら香港でもホント、よく見かけますよ、こやつと姚明が出てくる宣伝物。
ただ、この劉翔の棄権って、起こるべくして起こったことじゃないかなぁと。

『正論』9月号に嘉悦大学准教授・柏木理佳氏が『悲惨な中国のスポーツ選手』という一文を寄せらているんですが、短い文章ながら、此度の北京五輪の「なんかおかしいよ~」って部分を集約されていると思います。
詳しくは、実際にお読みになるといいですが、簡単にまとめますと、

1)北京市民は驚くほどスポーツに興味がない
→スポーツ選手は給料安く夢も希望もないんで、子供にスポーツなんかさせない
→給料は会社員の平均給与以下
→コーチや政府に報酬を返納せねばならない

2)30代以上の人は学校で体育の授業を経験してない(理由わからん)
→ルール知らないから見てもつまんない、親子でスポーツなんてしない

3)CMに出たとしよう
→ギャラの多くはコーチや政府に吸い取られることも多い
→大学の体育専門コースでは徹底的に共産党員教育を受けるから文句言わない(いえない)
→末路は哀れ、ひきこもりや日雇い労働者に…

4)北京五輪では選手のモチベーションを上げたく、金メダル獲得の賞金もアップしたが、それとて政府に返納せなばならないから選手の生活はいっこうによくならない
5)五輪を前にスポーツのルールブックや、ルール解説の市民教室も開講されたが、市民は覚めている
→観客のマナー違反につながらないか…。
なんかほとんど抜粋しちゃった、ごめんなさい。
劉翔がまさか末路が日雇い労働者とは思えんが、なんだかこんな背景も多少なりとも影響しているんじゃないかと思いますね。
将来への不安?
いくらがんばって記録出しても国威発揚に利用されているばかり?
そしてメダル獲得への不安…。

そして五輪全体を見渡すと、やっぱり5)の危惧が的中しちゃったみたいです。香港の会場ではさすがにありませんでしたが、テレビを見ていると、北京では通路ごとに青いシャツ着たボランティアが手拍子をリードしていますよね。
理由がよくわからんのですが、2)なんかも「ああ、あるほど」と思います。見ていてもルールがよくわからんから、「愛国イベント」「反日イベント」になっちゃうんですね。とにかく「加油中国」って叫んでりゃいいや、みたいな。
おそらく、運動神経が目立ってよかったり、ごっついカラダしてたら、半ば強制的に体育専門コースへ入れられちゃうんでしょうね。本人や親の意見なんてほとんど聞かずに。「曲馬團に売られる」みたいなもんですな。
香港のメディアも、もっとこういう「翳」の部分を伝えられないかね。
朝から晩まで「国家隊」の活躍に狂喜乱舞するだけじゃなくて。
もっとも香港人にすりゃ、「せっかく楽しんでるんやから、そんなしょーもない話持ち出すな」というところでしょうか…。


コメントを残す