【選挙二題】香港区議会、大阪市長*旧ブログ

11月16日~21日まで、公私諸事につき帰阪しておりました。

そしてまた23日から29日まで大阪出張という、ハードスケジュール。先週から風邪をこじらせ、咳はひどい、喉は腫れてる、水洟もダラダラ、熱も下がらない…。かような過酷極まりない日々をうまいことごまかしながら送っております。

さて。
偶然にも、18日は香港と大阪で選挙。結果はすでにご存知の通りですが、どちらも小生の住処でありますので、さらっと触れておきましょう。

【大阪市長選挙】

ちょいとワケ有りで、住民票を実家に残しております。そんなわけで小生の選挙権は「在外選挙権」ではありません。実家に戻ると、当然のように大阪市長選挙投票の案内が来ておりましたので、風邪にもめげず、大阪市民として一票を投じてきました。

選挙とはまったく関係ありませんが、母校のT小学校の校門をくぐるのは、実に20数年ぶりのことで、自分達が学んだ校舎がまだ健在だったりするのを見て、とても懐かしく…。運動場ってこんなに狭かった? とか、最初は「怖くて上れないよ~」って泣きべそかいてたジャングルジムって、こんなにチャチなもんやったか? などなど。

遠く海の向こうから大阪市を見ていて、高津宮の昔より続いてきた「大大阪」の名残も何も無く、無残な姿に心を痛めております。この選挙は「なんとか立ち直ってくれ!」という思いを市政に伝える、海外居住の一大阪市民に与えられた、絶好のチャンス(投票用紙見てもそんなんわかりませんけどね)と思い、投票しましたよ!

「この人!」と小生が票を投じた候補者は落選しましたが、現職が落ち、MBSの人気アナウンサーだった平松氏が当選した、というのは、なんとなく予想はしていました。16日夜に帰国して、天王寺駅で待ち受けていたのは、街頭演説中の平松氏でした(お迎えありがとう)。とにかく今の大阪市、メスを入れなければならない部分が多すぎます。任期中に、どこまで行き着くことができるのかな? と疑問に思いますが、さてさてどうなりますやら。

まずは、「夕食後に観劇やコンサート鑑賞ができる文化環境」を作ってもらいたいですね。たとえば文楽劇場なんて、実質「夜の部」である第二部が、4時開演、8時終演…。海外なら「7時半開演」でこそ、「夜の部」でしょう。こういうことからも大阪を変えていってほしいなあと。

【香港区議会選挙】

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曾志偉(エリック・ツァン)と鄭裕玲(ドゥドゥ・チェン)、お茶の間の二大人気者が「選挙へ行こう!」と呼びかけるも、投票率は38%と低迷

前回2003年秋の区議会選挙では民主派が大躍進し、親中派は壊滅的な事態となりました。これは同年7月1日に50万人と言われる大規模なデモが、民主派と『蘋果日報』の扇動により実施され、折から議論が高まっていた「国家安全条例」の立法化を見送らざるを得なくなった、という「事件」が背景にあります。

「人民の勝利!」に酔いしれる民主派は、調子こいて、やれ立法会議員の全面普通選挙だ、やれ行政長官の普通選挙だのと「愚かなる香港市民諸君、『民主化』とは普通選挙の導入と政府のやること『何でも反対!』と叫ぶことなのだよ!」と、さんざん扇動。でもそこはカネに目のない香港人。そんなことが果たして自分たちの儲けに関係あるのやろうか? と頭の中に「?????」が。「そんな中共を刺激することよりも、中共とうまいことやって、オイシイ思いさせてもらおうやないか!」と考えます。このあたり現実的かつ冷静です。

そんなことがあって、今回は予想はされていたものの、それを上回る「親中派大勝」と言う結果に。

とにかく今の香港は好景気。だれもがこの状態よ永遠に~と思うのは当然のこと。こうなると、民主派の票に結びつくニューファミリー層を中心とした「浮動票」は投票なんか行きません。好景気を謳歌してレジャーにいそしみます。日本行きの飛行機は全便満席。小生のような出張者にはなかなかチケットが回ってきません。エエ迷惑です。

ってことで、組織力と資金力にモノを言わせて、親中派が余裕の勝利となりました。

・全議席:405議席
・無投票当選:41人(対抗なし)
・民主党(民主派):59議席(前回95議席)
・公民党(民主派):8議席(前回結党前)
・民建連(親中派):115議席(前回62議席)
・自由党(財界基盤):14議席(前回12議席)
・投票率:38%(前回44%)

区議会071118
(明報) 泛民=汎民主派

今日(11月22日)、某立法会議員(中立派)に用事があって、立法会議場へ行きました。某立法会議員とは、選挙とは全く関係ない話をしたのですが、彼の執務室の隣の小会議室(?)には、続々と民主派議員が集結していました。李柱銘(マーチン・リー)なんかは、ただでさえ優男なのに、もうすっかりやつれてしまって…。鼻っ柱の強い劉慧卿(エミリー・ラウ)女史も心なしか落ち込んだ表情…。12月の立法会香港島選挙区補選(二大女傑の戦い)をどう乗り切るのか?という会議でしょうかね?

民主派の敗退の最大の理由はその「浮世離れ」した主義思想でしょう。「民主化」「普通選挙全面導入」、そうなればそれに越したことはないんですが、今現在、市民はそれを「そうなりゃいいな」と思いながらも、渇望はしていません。特に区議会選挙、日本で言えば「地区連合会当番」の選挙なわけですから、当落のポイントは「いかに地元のためにこまめに動いているか」です。「バス停にベンチを作った」とか「公衆トイレの改築をした」とか「ゴミ箱増やしました」とか…です。

お部屋にこもって会議もいいけど、それこそ「書を捨てよ、町に出よ!」というところですね。ま、民主派がいかにこの4年間、地域貢献していなかったか、というのも少なからず今回の結果に影響しているとは思いますがね。


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