【港島區立法會補選】陳方安生(アンソン・チャン)が!*旧ブログ

前政務司司長陳方安生宣布參與港島區立法會補選
「陳方安生(アンソン・チャン)前政務長官立法会補欠選挙に出馬」

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出馬表明の記者会見を行う陳方安生(アンソン・チャン)氏(RTHK)

ここ数日の香港は、12月2日に実施される立法会香港島選挙区補欠選挙に陳方安生(アンソン・チャン)氏が出馬するかしないか、でした。
で、ついに今日9月11日、陳氏が正式に出馬を表明しました。汎民主派(民主党、前線、公民党など)は独自候補の擁立をやめ、陳氏支持に専心するとのことですが、陳氏自身はあくまで独立人士=無所属としての立場を貫くということです。

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よ~く検討します、と言いながら腹の内は固まっているであろう葉劉淑儀(レジーナ・イップ)(RTHK)

もともと親中派・民建連の馬力主席の死にともなう補選。民建連から2名が出馬の意思表示をしていますが、オール親中派としては恐らく葉劉淑儀(レジーナ・イップ)元保安局長を擁立すると思われます。その葉氏は「前向きに対応する」としながらも、いまだ出馬を表明していませんが、恐らく出てくるでしょう。民建連は来週にもそこんとこを明確にすると発表しています。

世間はこれを「民主派vs反民主派」あるいは「民主派vs親中派」 の一騎打ちとして注目しています。早くから陳氏の政界復帰を煽ってきた『蘋果日報』などは、2012年の立法会&行政長官選挙での全面普通選挙導入への大 きな第一歩だと舞い上がっています。それはあくまで陳氏が当選すれば、の話しです。確かに陳氏は政務長官時代から市民の信望が厚く、西側メディアの受けも上々で「香港の良心」と言われてきた人ですから知名度は抜群です。しかしながら、相対する親中派の組織力は侮れません。

「民主化」という遠大な理想を掲げる、ある意味「浮世離れ」したところがある民主派に対し親中派、とりわけ中核の民建連は、「草の根」「ドブ板選挙戦」に長けており、また、地域密着型の民政重視と言う側面も兼ね備えた集団です。

たとえば、小生が住まう香港島南部には鉄道路線がなく、住宅開発にバス路線網が追いつかない状況が長く続いています。この状況に対し、早くから南区への鉄道誘致を唱えてきたのは民建連です。その間、民主党は何をしてきたか、と言えば、「天安門抗議」「尖閣抗議、反日活動」「董建華下台(辞任要求)」「国家安全条例立法化反対」と、抗議抗議の連続でした。ようやくここ数年、南区鉄道誘致に目覚めましたが…。

そんな事例が香港のいたるところにあるわけで、いくら人気度抜群の陳氏が出馬したからと言って、易々と当選はできないでしょう。香港の親中派の強みは、こうした地域密着の姿勢と、やはり「大陸ビジネス」を考えた場合、民主派に香港の政治の舵取りを任せるわけにはゆかない、という市民の「本音」あるいは「痛いところ」を心得ている点でしょうか。

そういう意味では小生は互角あるいは陳氏が出馬してもなお、親中派やや有利と見ていますが。民主派としては「最終兵器」みたいなものですから、よほど「これ」という人材がいないのでしょう。それは親中派とて同じことですが。

それにしても、英領時代から、董建華(C.H.トン)前行政長官とのすれ違いによる辞任(01年4月)まで、長きに渡って政庁および特区政府のナンバー2 の座にあった陳氏が立法会の補選ごときに出馬とは…。結局、その程度のポジションに収まってもらうしか、担ぎ上げた神輿の収めどころがないという民主派の 追い詰められた現実が、なんともはや、というところですね…。これで負けたらオシマイですな。

あ、念のため、アタクシは親中派支持ではありませんが、「反民主派」ではあります。


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