【返還10周年】思い出話(16) *旧ブログ

【1997年3月26日】
◇不動産の急激な高騰の抑制処置を政庁が発表
1)民間マンションの予約分譲期間を6カ月以内に限定
2)政府分譲住宅の予約販売を2年前から開始
3)住宅用の土地供給を大幅に増やす
など。業界側は「不動産所有権を脅かし、自由経済の原則に打撃を与えるじゃないか!」と反発
◇人民入境事務処が返還後の特区旅券申請受付6月1日開始と発表。発給は7月3日から
フィリピン政府、特区旅券によるビザなし渡航認めると発表

【3月27日】
◇返還後の初代行政長官に就任する董建華(C.H.トン)氏と陳方安生(アンソン・チャン)行政長官が、北京で国務院香港マカオ弁公室の魯平主任と会談。魯主任は会談後、「香港市民は、まだ行政長官に就任していない董さんにあれこれ要求しちゃいかんよ」と呼びかけ
◇警察が中国からの「小人蛇(しう・やん・せー=子供の不法入境者)の1月~2月の検挙数が昨年同期比約10倍の653人に上っていると発表。原因は本土で「返還で小人蛇が特赦され香港居住権が与えられる」という噂が出回っているため

不動産高騰はまさに「返還バブル」。すごい勢いで家賃も上がってゆきました。実は、小生はこの時期に、家を追い出されました。
ある日、見知らぬ家族がやってきて「部屋の下見をするから入れろ」と。オーナー側から何も聞いていないからそれは断ると言ってお引取り願ったのですが、2日後にオーナー側から電話があり「その部屋、売ったから2カ月以内に出て行ってくれ」。
びっくり仰天ですよ。結局、同じマンションに空き室が出たので引越しの手間が最小限で済んだのですが…。今もこのとき下見に来た家族とはよく道で会います。小学生低学年だった娘さんも立派に成長されて…。

子供の密入境「小人蛇」は返還前の香港の大きな問題でした。その後の「内地子女(香港人が本土で生ませた子供)」の居住権問題へもつながってゆく、本土人民の香港居住権問題。「一国両制」である限り、この問題は永遠に続くのであります。


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