【上方芸能な日々 文楽】令和5年初春公演

アイキャッチ:空気が透き通るような寒い朝だったが、この季節らしい青空に色とりどりの幟も映える新春の文楽劇場。今年もせいぜい通いまっさ>


いつの間にやら令和の御代も5年を数え、COVID-19に振り回される三度目の正月である。ただ、過去2年正月とは違い、街は少しばかり賑わいを取り戻しているようにも見える。一気にとはなかなか行かないと思うが、少しずつ少しずつ、以前の光景を取り戻していければなと願う新春。

というわけで、恒例の初芝居は今年も文楽で。

まずは、正月ムードの劇場の様子から。

劇場玄関には立派な門松。初春公演の第一部は『良弁杉由来』。今年は良弁僧正千二百五十年御遠忌に当たるということで、この演目が選ばれたということか。

となると、こちらの干支の揮毫も東大寺さんということになる。東大寺別當橋村公英猊下による、まさに飛び跳ねる兎のような「卯」の字。

そして、舞台上で睨み合う二尾の「にらみ鯛」に挟まれる大凧にも、同じ書があしらわれる。にらみ鯛の取り付け作業は、年末の近畿ローカルのニュースで必ず報じられる。

もちろん、ロビーにもいつものように正真正銘の「にらみ鯛」。正真正銘と言っても、レプリカですからね(笑)。こんなんナマの鯛飾ってたら、魚臭うなってしゃーないもんな(笑)。

「ええ浄瑠璃を聴いてもらえますように」と、上演前の床には鏡餅、御簾には注連縄と、こちらも正月ムードで気分がよろしい。この日は一部から三部までぶっ通しで見物したが、正月なんで自分への「ご祝儀」の意味もあって、すべて床直下の席で。偶然、三部ともすべて同じ席が取れた。

そして今年も、十日戎の「宝恵駕籠」の展示は無し。今年もまた今宮えべっさんでは、宝恵駕籠巡行を取りやめられた。福娘さんは福笹授与に来はるみたいやけど、以前のような一般公開はないとのこと。来年は、にぎやかにできればいいけどな…。

さて、舞台に関しては、なかなか満足度の高い内容だった。とくに三部の「阿古屋琴責」は素晴らしかった。観劇あれこれは千秋楽以降に公開してまいるよ。

ご来場をおまちしておりましてよ。うふふ

てなわけで、今年も楽しい文楽ライフを!

(令和5年1月8日 国立文楽劇場)




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