KANSAI CLASSIC 2019 阪急vs南海
KANSAI CLASSIC第3戦である。さすがに50ン歳になると、三連戦通しでの観戦はきつい。んなわけで、2戦目は欠席した。幸い、余人に代えがたい特殊な技能を要する委託業務も山を越え、ゆっくり自宅観戦した2戦目は、前日とは打って変わって、5-1で快勝。大竹もようやく2勝目、好調グラシアルも9号本塁打と、楽しい一戦。無理して行けないこともなかっただけに、「ほぉ、俺がおらん日はこうやって勝つのね」と、ちょっとひねくれたくなるような心持(笑)。
1戦目、2戦目ともにスタンドはガッラガランだったので、この日も余裕だろう。お隣さんには「遅れるんで席頼むわ」とお願いしてるんで、外野のいつものところへ向かったのだが、いやはや、これが超満員で(笑)。頼みのお隣さんも「ごめん!取られへんかった!」と言う。ま、こっちはお願いしてる方なんで、そう言われたら、「あらまあ…」としか言えない。で、内野の別グループのところへ向かうと、こちらも立錐の余地がない。うろうろしているうちに、我が軍先発の泉が大ピンチをなんとか切り抜けた模様。
ようやく落ち着いた場所は上層スタンドのかなり上の方(笑)。
おわかりかと思うが、敵軍指定席エリアを除いて超満員。
もちろん、我が方は自由席エリアはもちろん、指定席エリアもほぼ満員。ホンマ、この球場はホークス戦が頼みの綱やな(笑)。この日は、敵軍ファンによれば「お取引先御招待券」を大量にばらまき、隣接のイオンでも配布していたらしいので、一気に満員となったということらしい。要は「タダ券」で来た客が大半というわけだ。「タダ券」で見ても「有料入場者数」にカウントするのか?
パ6球団で、唯一、本拠地の都市・地域名を名乗っていない球団。唯一、ボールパーク構想を打ち出していない球団。ベテラン、主力を大量放出しながら、ドラフト以外にまったく手を打っていない球団。タダ券やイベントユニフォームをばらまくだけの球団…。そりゃ、最下位街道一人旅になっても仕方ないわな。
さて、ここの上層スタンド、階段がえらいのでめったに行かないが、行けばその高さと言い、急勾配と言い、在りし日の大阪球場の内野席を思い出す。そういう意味では、意外とKANSAI CLASSICを楽しむには良い席かもしれない。
第12回戦(ホークス9勝2敗1分け)
勝:武田(3勝3敗1S) セーブ:森(2勝3敗13S) 負:澤田(2勝2敗0S)
本塁打:H/デスパイネ14号(2点・榊原) B/白崎1号(1点・泉)
観衆:28,730人
苦しい台所事情の我が軍先発陣。1戦目の二保同様に、この日もオープナーということで、新人の泉が先発。
甲斐野とともに、開幕からブルペン入りし、中継ぎでいい投球もしていたが、ちょいとお疲れの様子で、しばしファームで調整後の登板が、先発。「どんなもんかいな」と楽しみにしていたが、経過を見た限りでは、実力発揮とはいかなかった模様。まあ、相手がオリだったからこの程度で済んだが…。
遅れて到着につき、泉の投球は見ること叶わなかったが、3回から登板した椎野が、マレーロ、若月、西浦を三者凡退に斬って取ったのは、見事だった。非常に背の高い投手なんで、いずれはダルビッシュや大谷みたいになってほしいな…。そういえば、このユニの少し後の時代に、近鉄に仲根っていう背の高い投手がいたねぇ、ジャンボ仲根。投手としては大成しなかったけど、打者転向でちょっとだけブレークしたなぁ。
敵軍先発の榊原は、とてもいい投手。闘志むき出しでプレーするのが好印象。好投を続けるが、勝ちに恵まれていない。山本も山岡も榊原も、味方が点を取ってくれないんで、かわいそう…。でも、なんか今日はいけそう…って思っていたら、6回表、デスパイネに2点本塁打され、逆転を許してしまう。被安打3で失点4。自責点はこの本塁打の2点のみ。結局、味方に足引っ張られたわけで、今日もお気の毒さん、ってところだ。
これですんなり我が方も勝てないのが、勝負事の面白さ。その裏、椎野の後を託された武田が2点失い、再び同点に。先発で結果が出ず、中継ぎに一時転向で、そこそこ結果を出していたが、この日はダメな武田だった。見ていてストレスがたまる。こんなヘロヘロな投球で勝ち投手とは、タナボタもええとこや。
ストレスがたまるといえば、牧原だ。昨季中盤から大ブレークし、「ようやくマッキーもレギュラー取れたか」と喜んでいたが、今年はダメな牧原。とにかく変化球に弱すぎる。毎度毎度三振の山を築くばかり。そのうち落とされるで…。高田も「大概にせえ!」ってとこだが、彼の場合は今宮のサブというポジションだけに落とされはしないだろうけど…。
7回表は近藤が我が方を三者連続三振抑えれば、武田も走者を背負いながら、切り抜ける。
で、8回。二死からグラシアル、デスパイネの連打で1点勝ち越し。裏の守りはモイネロが抑え、最終回で1点差を守って、カード勝ち越し!
スタンドのほとんどてっぺんから、俯瞰的に野球を観たのは、いつ以来だろう。
南海ホークス子供の会は、内外野席無料だったから、小学生の頃はよく大阪球場内野席の上の方から野球を観ていたので、その時代を思い出した。
今みたいに応援の音がのべつまくなしで響き渡っているわけでなく、インターバルの音楽も運動会の徒競走のときみたいなのどかな音楽が流れていた。どんなに満員でも、今と比べ物にならないくらい静かだった。
だから、おもろいヤジもよく聴こえたし、選手の声もよく聴こえた。何より打球音やミットにボールが収まる音をしっかり聞くことができた。それがあの頃は当たり前だった。だから、一つひとつのプレーに集中できた。そんな時代に野村監督が提唱していた「シンキングベースボール」、すなわち後の「ID野球」を、小1から中2まで毎日見せられたことで、今もひねくれた野球観で観戦できる。「ありがとう、大阪球場、野村監督」ってところだ、ホンマに。
この日も、打者に合わせたシフトやバントの際の野手の動きを、よく見ることができた。同時に「うまいこと動くなぁ」と感心することしきり。特に、バントシフトの時のシステマチックな野手の動きは美しくさえ見えた。ああいうのは、応援しっぱなしでは、絶対に見えないものだわな。外野にいてはわかりにくい打球の飛び方や本塁打の軌道なんかも、ホンマ美しいものだった。
ラッキーセブン、「南海ホークスの歌」同様に「阪急ブレーブス応援歌」も懐かしい。西宮北口駅から西宮球場へ向かう道すがら、よく流れていた。もちろん、西宮球場でも。
タダ券大量配布のあおりで、いつもの席で観られなかったのはちょいと残念だったが、おかげで、忘れていた野球観戦のおもしろさを、思い起こすことができた。本当の「KANSAI CLASSIC」を堪能できた観戦だった。
またいつか、どこかで… 南海ホークス!
(令和元年5月30日 大阪夜間)
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。